イソチオウロニウムとは? わかりやすく解説

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イソチオウロニウム

分子式HI C12H24N2S
その他の名称AHR-1911、S-(10-ウンデセン-1-イル)イソチウロニウムヨージド、S-(10-Undecen-1-yl) Isothiuronium iodide salt、イソチオウロニウム、Isothiouronium
体系名:2-(10-ウンデセニル)イソチオ尿素よう化水素酸塩


イソチオウロニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 14:34 UTC 版)

イソチオウロニウム化合物の例であるS-エチルイソチオウロニウムジエチルリン酸

イソチオウロニウム(Isothiouronium)は、化学式[RSC(NH2)2]+(R = アルキル基アリル基)の官能基であり、チオ尿素の酸塩である。H中心は、アルキル基やアリル基で置換されることもある。構造的に、これらのカチオングアニジニウムに似ている。CN2S核は平面状で、C-N結合は短い[1]

合成

これらのカチオンから構成される塩は、通常チオ尿素のアルキル化により得られる。

SC(NH2)2 + RX → [RSC(NH2)2]+X

反応

イソチオウロニウム塩の加水分解により、チオールが生じる[2]

[RSC(NH2)2]+X + NaOH → RSH + OC(NH2)2 + NaX

S-メチルイソチオ尿素ヘミ硫酸塩(CAS登録番号: 867-44-7)等の硫黄がアルキル化されたイソチオウロニウム塩は、アミンをグアニジニウム基に変換する。この方法は、1881年に初めて報告[3]したベルンハルト・ラトケ[4]の名前に因んで、ラトケ合成(Rathke synthesis)と呼ばれることがある[5]

RNH2 + [MeSC(NH2)2]+X → RNC(NH2)2]+X + MeSH

イソチオウロニウム基を持つキレート樹脂は、溶液中から水銀白金等の貴金属を回収するのに用いる[6]

出典

  1. ^ Barker, J.; Powell, H. R. (1998). “S-Benzylisothiouronium Chloride”. Acta Crystallographica Section C 54 (12): 2019. doi:10.1107/S0108270198008166. 
  2. ^ Helmer Kofod (1963). "Furfuryl Mercaptan". Organic Syntheses (英語). 4: 13.; Collective Volume, vol. 1, p. 66
  3. ^ Rathke, B. (July 1881). “Ueber Derivate und Constitution des Schwefelharnstoffs”. Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft 14 (2): 1774–1780. doi:10.1002/cber.18810140247. https://zenodo.org/record/1425246. 
  4. ^ “Heinrich Bernhard Rathke. (1840-1923)”. Berichte der Deutschen Chemischen Gesellschaft (A and B Series) 57 (9): A83–A92. (8 October 1924). doi:10.1002/cber.19240570929. 
  5. ^ Palmer, David C. (2001). “S-Methylisothiourea”. E-EROS Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis. doi:10.1002/047084289X.rm199s. ISBN 0471936235. 
  6. ^ Purolite S920 Isothiouronium Chelating Resin”. Purolite. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月7日閲覧。


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