アルフレド・エイヤーの擁護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 14:19 UTC 版)
「論理実証主義」の記事における「アルフレド・エイヤーの擁護」の解説
二つ目の批判に対する回答はアルフレッド・エイヤーの『言語・真理・論理』によってもたらされた。本書で彼は「強い」検証と「弱い」検証の区別を定義している。「言明が強い意味で検証可能だと言われるのは、その言明の真偽が経験によって決定的に打ち立てられるときであり、そのときだけである」(Ayer 1946:50)。この意味で検証可能であるとすると存在否定命題と全称肯定命題は問題を抱えることになる。しかしながら、弱い意味での検証では言明が「検証可能…であるのは経験がその言明を可能にするときである」(ibid.)ということになる。この区別を打ち立ててから、エイヤーは「トートロジーの他のいかなる言明も真である可能性のある仮説以上のものではない」(Ayer 1946:51)ので、トートロジー以外の言明は弱い検証の対象であることしかできないと主張する。この擁護は論理実証主義者たちの間で論争を呼び、彼らの中には強い検証をうるさく勧め、普遍命題は実際のところナンセンスなのだと主張する者もいた。
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