アルティン・シュライアー理論
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/30 06:21 UTC 版)
数学において、アルティン・シュライアー理論 (Artin–Schreier theory) は、標数 p の体の p 次ガロワ拡大の記述を与える。従ってそれはクンマー理論では記述できない場合を扱う。
アルティン・シュライアー拡大
K を標数 p の体とし、a をこの体のある元とする。多項式 Xp − X + a の分解体への K の拡大をアルティン・シュライアー拡大と呼ぶ。b がこの多項式の 1 つの根であれば、0 から p − 1 までの i に対して b + i がその多項式の全ての根であり(cf. フロベニウス準同型)、それらは相異なる。すると 2 つの場合があり得る。
- 根の 1 つが K に属していれば、すべての根は K に属しており、多項式は K 上既に分解している。
- そうでないとき、つまり根の 1 つが K に属していなければ、どの根も K に属していない、言い換えると a は x ∈ K に対して x − xp の形ではない。このとき多項式 Xp − X + a は K 上既約である。その分解体(および根体) K[b] は K の p 次巡回拡大であり、拡大のガロワ群の生成元(の 1 つ)は
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アルティン・シュライアー拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 07:10 UTC 版)
「アルティン・シュライアー理論」の記事における「アルティン・シュライアー拡大」の解説
K を標数 p の体とし、a をこの体のある元とする。多項式 Xp − X + a の分解体への K の拡大をアルティン・シュライアー拡大と呼ぶ。b がこの多項式の 1 つの根であれば、0 から p − 1 までの i に対して b + i がその多項式の全ての根であり(cf. フロベニウス準同型)、それらは相異なる。すると 2 つの場合があり得る。 根の 1 つが K に属していれば、すべての根は K に属しており、多項式は K 上既に分解している。 そうでないとき、つまり根の 1 つが K に属していなければ、どの根も K に属していない、言い換えると a は x ∈ K に対して x − xp の形ではない。このとき多項式 Xp − X + a は K 上既約である。その分解体(および根体) K[b] は K の p 次巡回拡大であり、拡大のガロワ群の生成元(の 1 つ)は b ↦ b + 1 {\displaystyle b\mapsto b+1} によって定義される写像によって与えられる。 実際 2 つ目の場合には、Xp − X + a の分解体は K 上 b で拡大され、多項式の p 個の根 b + i は K[b] に属しており相異なる。すると K のこの拡大は分離拡大であり従ってガロワ拡大である。ガロワ群が p 個の射からなり 0 ≤ i ≤ p − 1 に対して b ↦ b + i {\displaystyle b\mapsto b+i} によって定義されることを証明するには、多項式が既約であること、従って K[b] がその根体であることを示せば十分である。 もし K[X] の次数 0 < d < p の多項式が Xp − X + a を割れば、それは K[b] において単項式 (X − b − i) の積であり、Xd − 1 の係数は、K の元で、従って j ∈ K で −db − j の形で、d は K において 0 でなく、これは b が K に属していないから不可能である。よって多項式は既約である。 例えば、2 つの元を持った有限体は 4 つの元からなる有限体をアルティン・シュライアー拡大として持ち、これは多項式 X2 − X + 1 = X2 + X + 1 によって拡大されたものである。
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