アヤム・ブアクルア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/11 13:13 UTC 版)
アヤム・ブアクルア(Ayam buah keluak)はプラナカン料理の一種。鶏肉と毒抜きしたブアクルア(パンギノキ、アカリア科)の果実の煮込み料理である[1]。
カレー風味の煮込み料理であり、「プラナカン料理の傑作」と評される[2]。
概要
プアクルアはインドネシアからシンガポールに伝わったとされる[3]。先住民はプアクルアの果実を毒矢に用いていたとされ[3]、ブアクルアの果実には毒を含むため、そのままでは食せない[1]。果実を灰とバナナの葉と共に地中に埋めて40日間、発酵させることによって毒を抜く[1]。毒抜き、発酵したブアクルアは中がペースト状になっており、日本では赤味噌に例えられるような濃厚な味がする[1][3]。この味をチョコレートに例える人もいる[1]。シンガポールで好まれる味であり、毒抜きという手間をかけても食べたいとされる食材となっている[1]。
そんな毒抜きしたブアクルアとスパイスとで鶏肉を煮込んだ料理が、アヤム・ブアクルアである[1]。
しかしながら、ブアクルアの果実には苦味もあるためにシンガポール以外では一般的に受け入れられる味とは言い難い[4]。そこで、レストランなどで提供する際にはブアクルアの果実を入れず、エビや豚挽肉を加えた物を「アヤム・ブアクルア」として提供することもある[4]。
発祥
イギリスの植民地時代に、この地に移住した中国人とマレー人がつくり出した料理とされる[5]。
出典
- ^ a b c d e f g “【毒のある実⁈】40日間土に埋めてから食べる料理とは”. 7つの海を楽しもう!世界さまぁ〜リゾート. TBSテレビ (2019年5月8日). 2025年4月10日閲覧。
- ^ 「プラナカン料理(ニョニャ料理)」『D20 地球の歩き方シンガポール 2025~2026』地球の歩き方、2024年、75頁。ISBN 978-4059223771。
- ^ a b c 「食の芸術ともいえるフュージョン料理 プラナカン料理」『W33 アジアのグルメ図鑑』地球の歩き方、2025年、152頁。ISBN 978-4059226833。
- ^ a b 岩間一弘「プラナカン・レストランのイメージ構築‐ケバヤ・サルンとショップハウス」『中国料理の世界史 美食のナショナリズムをこえて』慶應義塾大学出版会、2021年。ISBN 978-4766427646。
- ^ 下川裕治 (2016年8月17日). “マラッカからペナンへの旅ー週末シンガポール、マレーシア2”. asahi.com. 2025年4月10日閲覧。
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