アマゾーンの女王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/04 22:19 UTC 版)
このアンティオペーは、アマゾーンの女王である。アレースとオトレーレーの娘で、ヒッポリュテーと姉妹。アテーナイ王テーセウスとの間にヒッポリュトスを生んだ。 アンティオペーはヘーラクレースがヒッポリュテーの帯を得るためにアマゾーンの国を訪れたとき、同行していたテーセウスにさらわれた。アマゾーンたちはアテーナイに遠征し、アンティオペーを助けようとしたがテーセウスに敗れた。アンティオペーはテーセウスの妻となり、ヒッポリュトスを生んだが、後にテーセウスはクレータ島の王ミーノースの娘パイドラーと結婚した。このためアンティオペーはアマゾーンを率いて結婚式を襲ったが、結婚式の出席者たちは扉を閉めてアンティオペーたちを殺したとも、テーセウスに殺されたとも、あるいはヘーラクレースに殺されたとも、またあるいはモルパディアーに殺されたともいう。 プルタルコスによればピロコロスなどの人々は、アンティオペーはヘーラクレースに同行した報酬としてテーセウスに与えられたが、アンティオペーはテーセウスに恋をして自らヘーラクレースに降伏したともいわれる。 しかし、レーロスのペレキューデースやヘッラニコス、ヘーロドトスなどは、テーセウスはヘーラクレースの後にアマゾーンに遠征し、アンティオペーを捕虜にした。ビオンによれば、テーセウスは贈物を持って来たアンティオペーを騙して船に乗らせ、出航したという。メネクラテスによるとテーセウスとアンティオペーはビーテューニアのニカイアに一時滞在した。このときテーセウスの部下のソロエイスはアンティオペーに恋をしたが、そのことをソロエイスの友人がアンティオペーに伝えると、アンティオペーはこれを拒絶した。アンティオペーはそのことをテーセウスに告げなかったが、ソロエイスは絶望して河に身を投げた。プルタルコスによれば、アンティオペーをさらわれたアマゾーンはアテーナイ市内に攻め込んだため、テーセウスは神託に従い、ポボスに犠牲を捧げてアマゾーンと戦った。アンティオペーは密かに傷ついたアマゾーンたちをカルキスに運んで世話し、死んだ者たちをアマゾネイオンに葬った。
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