アナスチグマートとは? わかりやすく解説

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アナスチグマート【(ドイツ)Anastigmat】

読み方:あなすちぐまーと

非点収差像面の曲がりとを補正してあるレンズ。ほとんどの写真レンズ使用


アナスチグマート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/17 05:01 UTC 版)

アナスチグマート(独:Anastigmat )とは、レンズの収差補正状況を示す言葉の一つで、球面収差[1]コマ収差[1]像面湾曲[1]非点収差[1]をすべて解消していることを言う。 英語読みではアナスティグマット。現代写真レンズのほとんど全てはこれに属する[1]

概要

光学用途に用いるレンズは、屈折に伴って発生するコマ収差[1]像面湾曲[1]非点収差[1]といった、各種の収差が補正されていることが望ましい。しかし、初期の単純な構成のレンズでは、すべての収差を効果的に補正することは困難であり、アプラナートスチグマートなどの限定的な収差補正にとどまっていた。

すべての収差を補正するアナスチグマートとして最初に実現したのは、ロッスのシュレーダーが1888年に開発したコンセントリック[2]であり、次いで同じ年の1888年にカール・ツァイスパウル・ルドルフが開発したツァイス・アナスチグマート(後プロターに改名)[3]が、続いてゲルツエミール・フォン・フーフが開発したゲルツ・ドッペルアナスチグマート(後ダゴールに改名)や、フォクトレンダーのケンファーが1893年に開発したコリニア等が、初期の製品として知られる。

1893年、H.D.テイラーによって、比較的単純な3群3枚構成ですべての収差を補正できるトリプレットが考案され、アナスチグマートが一般化した。

20世紀前半までは、カメラ用レンズ銘にアナスチグマートであることを明記した製品も多かったが、アナスチグマートであることが当たり前になってからは、製品の特長として言及することは少なくなっている。

ドッペルアナスチグマート

アナスチグマートが開発された当時は対称型のレンズ構成が多く、対象の片側だけでも使用できたため、これを単にアナスチグマートと呼んでいた。 その後、時代が下って、2つ組み合わせた製品が出回るようになり、特に「ドッペルアナスチグマート(独: Doppel-Anastigmat)」もしくは「ダブルアナスチグマット(英: double-Anastigmat)」と呼ぶようになった。

関連項目

出典

  1. ^ a b c d e f g h 『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』pp.91-110「収差とその対策」。
  2. ^ 『クラシックカメラ専科』p.189。
  3. ^ 『カール・ツァイス創業・分断・統合の歴史』p.103。

参考文献


「アナスチグマート」の例文・使い方・用例・文例

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