アスラと仏陀の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 15:09 UTC 版)
宮坂宥勝(高野山大学)は、 悪魔であるアスラをそそのかして神々に戦いをいどんだものは「幻影によって欺瞞する者」(Māyāmoha)すなわち仏陀である。アスラはひとたびは神々を打破することが出来た。が、最後に神々はヴィシュヌ神の助力を仰いでアスラを征伐する。そしてこの「幻影によって欺瞞する者」といえどもヴィシュヌ神の身体(胎内)から生じたものにすぎないのであり、それをヴィシュヌは最高の神々に与えたのであった。 — 宮坂 宥勝、 「アスラからビルシャナ仏へ」1960(47)、『密教文化』1960年、p.21 と述べている。 松濤誠達(大正大学)は、 また時にブッダ(Buddha-)とされまたマーヤー・モーハー(Māyāmoha)とされるところのヴィシュヌのアヴァラータも、妄説を説くといういわばダーティー・プレイを通じてアスラと目されるジャイナ教徒や仏教徒を地獄に追い落とす点でトリックスターと見ることができる。 — 松濤 誠達、 「古代インド神話解釈の試み -古代インドのトリックスター論覚え書き」24(2)、『印度学仏教学研究』1960年、p.559 と述べている。したがってヒンズー側から見て仏教はアスラの側である。
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