上島架橋とは? わかりやすく解説

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上島架橋

(ゆめしま海道 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 08:06 UTC 版)

青色と赤色(いずれも完成)が上島架橋。ピンク色は超長期構想
弓削大橋
生名橋
岩城橋

上島架橋(かみじまかきょう)は、愛媛県越智郡上島町岩城島を起点とし生名島佐島を経て弓削島へと至る、愛媛県道338号岩城弓削線(延長約6.1 km)に架けられる弓削大橋生名橋岩城橋の3橋の総称である。2014年に「ゆめしま海道」の愛称が制定された[1]

概要

上島町は、2004年(平成16年)10月、弓削町生名村岩城村魚島村の1町3村が合併し誕生した新町で、愛媛県内では唯一の離島自治体である。町が発足した時点では、弓削、生名、岩城の三島とも、瀬戸内しまなみ海道が通る島、たとえば因島広島県)との間にも橋がないので「町外」との行き来も海上交通に依存していた。1つの自治体としての一体感、アイデンティティ確立のためにも、三島が橋で結ばれることが必要と地元ではみている。さらに、離島性の根本的解消のため、岩城島から伯方島までの間の新たな架橋による瀬戸内しまなみ海道西瀬戸自動車道)への連結が地元では望まれている。

弓削大橋

弓削島とその西側の佐島の間については、既に「弓削大橋」が1996年(平成8年)3月に完成している。

生名橋

生名橋(いきなばし)は、生名島と佐島に跨がる橋梁である。総事業費77億円をかけ[2]、上島架橋としては弓削大橋に次いで2011年(平成23年)2月6日に供用開始した[3][4]。平成23年度土木学会田中賞を受賞している[5]

2004年度より事業化が認められたものであり、2006年(平成18年)3月23日に起工式が行われ[6]、2007年7月に着工した[7]。完成目標は当初2010年3月頃としていたが、橋脚工事に想定以上の時間を要したため、予定より1年あまり遅れた[8]

橋梁形式は、長さ315 m桁による中央支間と長さ100 mのプレストレスト・コンクリート桁による側支間、これに鉄筋コンクリート構造の主塔で構成する3径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋で、橋長は515 mである[9][7]

橋梁の建設にあたっては、愛媛県の財政事情を勘案してコストダウンを図っており、橋梁の幅員を7.5 mに抑制して車道幅員は5.0 mの1 - 1.5車線とし[10][11]、橋の中央部に待避所を設けて大型車の離合を可能にしている[10]が、将来の交通量増加による2車線化も視野に入れて対応可能な構造として設計されている[11]。中央支間が500 m程度の橋梁としては日本で初めて鉄筋コンクリートによる主塔を採用した[11]。現在は交通量増加に伴い、2車線になっている。

岩城橋

岩城橋は生名島と岩城島を結ぶ全長916 mの斜張橋である。愛媛県では当初、生名橋の建設中に岩城橋に着工する計画だったが、財政構造改革に伴う大規模事業見直しの一環として、着工を生名橋完成後に延期する方針としていた。2013年度(平成25年度)に国の関連予算が採択され[9]、2015年度から用地買収を開始した[12]。2017年(平成29年)7月19日に起工式がおこなわれ、2022年(令和4年)3月20日に開通した[12][13][14][15]

橋長916 m、主塔の高さは137.5 mと斜張橋としては日本でもトップクラスとなる[12]

すでに完成済の2橋と合わせて、遠く離れる魚島を除き、上島町の旧町村役場(現在は弓削以外は支所)間は「橋」で連結されることになった。

脚注

  1. ^ 上島架橋、愛称決定 命名「ゆめしま海道」” (2014年2月26日). 2016年9月4日閲覧。
  2. ^ 広報かみじま2011年3月号” (PDF). 上島町. p. 2-3 (2011年3月1日). 2013年8月31日閲覧。
  3. ^ “生名橋開通 1000人渡り初め”. 中国新聞. (2011年2月7日). オリジナルの2011年2月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110211102644/http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201102070102.html 2011年2月10日閲覧。 
  4. ^ 上島架橋概要図”. 愛媛県東予地方局今治土木事務所. 2013年8月31日閲覧。
  5. ^ 平成23年度土木学会賞受賞一覧 - 田中賞”. 土木学会. 2013年8月31日閲覧。
  6. ^ 広報かみじま2006年5月号” (PDF). 上島町. p. 14 (2006年5月1日). 2013年8月31日閲覧。
  7. ^ a b 瀬戸内の離島を結ぶ斜張橋の開通 -生名橋(鋼・コンクリート混合斜張橋)-” (PDF). 横河ブリッジ. 2013年8月31日閲覧。
  8. ^ “生名橋開通は2010年末 橋脚工事などに遅れ”. 愛媛新聞 (全国新聞ネット). (2009年1月15日). http://www.47news.jp/localnews/ehime/2009/01/post_525.html 2013年8月31日閲覧。 
  9. ^ a b 生名橋の概要”. 愛媛県. 2013年8月31日閲覧。
  10. ^ a b 生名橋の通行に関する注意点1:対向車とのすれ違い(待避所)”. 愛媛県東予地方局今治土木事務所. 2013年8月31日閲覧。
  11. ^ a b c 愛媛県の取り組み” (PDF). 愛媛大学防災情報研究センター. 2013年8月31日閲覧。
  12. ^ a b c “上島の架橋促進協議会 岩城橋完成に向け説明”. 愛媛新聞. (2014年2月26日). http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20150701/news20150701104.html 2016年9月4日閲覧。 
  13. ^ “上島架橋・岩城橋起工式 21年度完成予定”. 愛媛新聞. (2017年7月19日). https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170719-19825901-ehime-l38 2017年8月27日閲覧。 
  14. ^ 上島架橋(岩城橋)の開通について”. 愛媛県 (2022年2月4日). 2022年2月4日閲覧。
  15. ^ “半世紀にわたる「上島架橋構想」達成 岩城橋が開通 橋上とせとうち交流館で開通式”. 愛媛新聞. (2022年3月20日). https://www.ehime-np.co.jp/article/news202203200027 2022年4月8日閲覧。 

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船映像外部リンクBICYCLE TOURING IN SHIMANAMI Vol.4 船を使ったサイクリング本州・四国から瀬戸内海の島々へは、生活航路としての意味合いが強いため自転車持ち込みに対応している船が多い。つまり船を使えば輪行なしで移動できる。また上島町はゆめしま海道でのサイクリングを推進するため観光客専用自転車船賃無料化事業を行っている。[全画面表示]高速バス停と尾道港・今治港へ船が出ている港ここでは尾道港からと今治港から発着ししまなみ海道の島へ往復する便のみ記す。尾道港向島 : 尾道渡船・福本渡船・向島運航。尾道から向島へは渡船が推奨されている。因島 - 佐木島 - 生口島 : 瀬戸内クルージング。この航路にはサイクルシップ・ラズリという自転車50台そのまま載せることができる船がある。今治港大島 - 伯方島 - 岩城島 - 佐島 - 弓削島 - 生名島 - 因島 : 芸予汽船大三島 - 大崎上島 : 大三島ブルーライン大三島 - 大下島 - 小大下島 - 岡村島 : 今治市営渡船高速バスしまなみサイクルエクスプレス - 前輪だけ外せば直接を持ち込むことができる高速バス。要予約。2019年現在土日祝祭日のみ。以下は輪行すれば荷物トランクに空きがあれば載せてもらえる。しまなみライナー特急バス・急行バスしまなみサイクルエクスプレス鉄道映像外部リンク サイクルトレイン運行します! - 愛媛県広報番組 ホームに自転車 - シクロツーリズムしまなみサイクルトレインしまなみ号 - JR予讃線で春と秋の期間限定で運行されている。直接自転車を持ちこめる。ラ・マルしまなみ - JR山陽本線で春と夏の期間限定で岡山-尾道の下り線のみで運行されている。ラ・マル・ド・ボァのサイクルスペース空港
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