ほねく
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/06 03:10 UTC 版)
ほねくは、和歌山県有田市の郷土料理。タチウオの揚げかまぼこである[1]。ほね天[2]、ほねくり天ぷら[3](骨くり天ぷら)とも呼ばれる。
概要
タチウオを骨ごとすり潰して作る[2]、さつま揚げにも似た練り物である[4]。
有田市では漁業が盛んであり、水揚げ量は和歌山県内で1位となっている[3]。水揚げする中でも漁獲量が全国1位となっているのがタチウオであり、そのタチウオを骨ごとすりつぶし、油で揚げたすり身揚げである。なお、こういった魚のすり身を油で揚げたものを東日本では「さつま揚げ」、西日本では「天ぷら」などと総称している[3]。
有田市が面する紀伊水道は、古くからタチウオの好漁場である[3]。タチウオは、刺身や焼魚としても食べられているが、腐敗が早いことから、保存性を高める目的で、すり身揚げにすることも多かった[3]。
学校給食でも提供され、おでんやうどんに入れても食されている[3]。また、おやつ代わりとしても食される[3]。
一般的なさつま揚げ、天ぷらとは異なり、タチウオの骨も加わっているため、ほねくには独特の風味がある[4][5][6]。
名称
「ほねくり」は「骨ごとくる(繰りまわす)」の意味であり、石臼を用いてタチウオを骨ごとすりつぶすことから名付けられたとされる[3]。
出典
- ^ 「32 海南・有田」『関西ごちそうドライブ2023』ぴあ、2022年、32頁。ISBN 978-4835648422。
- ^ a b 尾池和夫「太刀魚」『季語を食べる 地球の恵みを科学する』淡交社、2024年、82頁。 ISBN 978-4473045805。
- ^ a b c d e f g h “和歌山県(有田市)ほねくり天ぷら”. 発見!ご当地「油」紀行. 日清オイリオ (2022年12月16日). 2025年7月6日閲覧。
- ^ a b 新久千映「202夜 ほねく」『ワカコ酒』 8巻、ノース・スターズ・ピクチャーズ、2017年、121-124頁。 ISBN 978-4199803895。
- ^ “有田たっちょほねく食べよら会”. 紀州有田商工会議所. 2025年7月6日閲覧。
- ^ “和歌山県有田市で生まれたご当地B級グルメ『たっちょほねく丼』。和食店『まごころの味しんまち』は全国丼グランプリ西日本バラエティ丼部門で金賞を連続受賞!”. ロータスタウン. ロータスクラブ (2018年3月28日). 2025年7月6日閲覧。
関連項目
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