とんだ災難_(1914年の映画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > とんだ災難_(1914年の映画)の意味・解説 

とんだ災難 (1914年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/15 08:12 UTC 版)

とんだ災難
Caught in the Rain
監督 チャールズ・チャップリン
脚本 チャールズ・チャップリン
製作 マック・セネット
出演者 チャールズ・チャップリン
マック・スウェイン
アリス・ダヴェンポート
アリス・ハウエル
撮影 フランク・D・ウィリアムズ
配給 キーストン・フィルム・カンパニー
公開 1914年5月4日
上映時間 16分
製作国 アメリカ合衆国
言語 サイレント映画
英語字幕
テンプレートを表示
Caught in the Rain

とんだ災難』(とんださいなん、Caught in the Rain)は、1914年公開の短編サイレント映画キーストン社による製作で、主演・監督はチャールズ・チャップリン。1971年に映画研究家ウノ・アスプランドが制定したチャップリンのフィルモグラフィーの整理システムに基づけば、チャップリンの映画出演13作目にあたる[1][注 1]

日本語表記は、ほかに『にわか雨』[2]、『雨の御難』[3]『半日ホテル』[要出典]『捨てられた犬』[要出典]、『雨に降られて』[4]、などがある。

あらすじ

チャーリーは公園でぶりっ子の女性といちゃついていたが、そこに女性の夫が登場し、怒って連れて帰る。チャーリーは後をつけるようにホテルに宿をとる。ところが女性は夢遊病もちであり、無意識のうちにチャーリーの部屋に迷い込んでベッドで寝入りこんだ。チャーリーはベッドに女性がいることを確認すると、嫉妬深い夫の怒りに触れないよう、女性をもとの部屋に戻した[5]

背景・評価

恋の二十分』に続くチャップリンの監督作品。もっとも、チャップリン自身は後年執筆した自伝で初監督作品を、この『とんだ災難』としている[6]。しかし、1914年8月に異父兄シドニー・チャップリンにあてた手紙に記された自身のフィルモグラフィーでは"my own Twenty Minutes of Love"の下に"my own Caught in the Rain"と記してある[7]。チャップリンの伝記を著した映画史家のデイヴィッド・ロビンソン英語版は『恋の二十分』について、「50年の歳月のうちに忘れてしまったとも考えられるし、習作とみなして省いたとも考えられる」としている[8]。それ以上に重要なのは、この作品が一定の成功を収めて[8][6]「監督チャップリン」の先行きが一応保障されたことである。チャップリンは作品完成後、セネットに作品を見せて批評を待った。やがてセネットが口を開いた。「さて、次の作品はすぐにもかかれるかね?」[6]。セネットはチャップリンに奨励の意味合いで25ドルのボーナスを与えたが、これはしばらくの間続いた[6]

作品の内容に関しては、ストーリーそのものには目を引くものはない[8]。しかし、チャップリンの伝記を著した映画史家のデイヴィッド・ロビンソン英語版の見立てでは、シーンの切り替えや接続技法、カット割り、ギャグのタイミングなどについては監督第2作にして早くも進歩の跡があり、字幕の使用は極力控えられ映像だけでストーリーを語る技術が発揮されているとする[9]

キャスト

ほか

日本語吹替

俳優 日本語吹替
チャールズ・チャップリン 高木渉
マック・スウェイン 中村浩太郎
アリス・ダヴェンポート英語版 小宮和枝
アリス・ハウエル英語版 中司ゆう花
(ナレーター) 羽佐間道夫
この作品はサイレント映画だが、チャップリンのデビュー100周年を記念し、日本チャップリン協会監修のもと、スターチャンネルで日本語吹替が製作された[4]

脚注

注釈

  1. ^ 1914年製作、2010年発見の『泥棒を捕まえる人』を除く。

出典

  1. ^ 大野 2007, p. 253.
  2. ^ チャップリン 1966, p. 584.
  3. ^ チャールズ・チャップリン | 武蔵野美術大学 美術館・図書館 イメージライブラリー所蔵 映像作品データベース”. 武蔵野美術大学 美術館・図書館 イメージライブラリー 映像データベース. 2025年4月15日閲覧。 “第12作「チャップリンの総理大臣」をメイベル・ノーマンドと共同演出し、次作「雨の御難」から単独で演出を担当するようになり、数多くの短編を制作した。”
  4. ^ a b 雨に降られて”. STAR CHANNEL. 2022年10月14日閲覧。
  5. ^ Okuda & Maska 2005, p. 39.
  6. ^ a b c d チャップリン 1966, p. 170.
  7. ^ ロビンソン 1993a, p. 163.
  8. ^ a b c ロビンソン 1993a, p. 162.
  9. ^ ロビンソン 1993a, pp. 162–163.
  10. ^ 吹替で蘇る!チャップリン笑劇場”. STAR CHANNEL. 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年10月1日閲覧。

参考文献

外部リンク


「とんだ災難 (1914年の映画)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「とんだ災難_(1914年の映画)」の関連用語

とんだ災難_(1914年の映画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



とんだ災難_(1914年の映画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのとんだ災難 (1914年の映画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS