てんびん座ベータ星とは? わかりやすく解説

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てんびん座ベータ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 03:41 UTC 版)

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てんびん座β星[1]
Beta Librae
仮符号・別名 ズベン・エス・カマリ[2],
Zubeneschamali[3][4]
星座 てんびん座
視等級 (V) 2.62[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 15h 17m 00.41382s[1]
赤緯 (Dec, δ) -09° 22′ 58.4919″[1]
赤方偏移 -0.000119[1]
視線速度 (Rv) -35.60km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -98.10 ミリ秒/年[1]
赤緯: -19.65 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 17.62 ± 0.16ミリ秒[1]
(誤差0.9%)
距離 185 ± 2 光年[注 1]
(56.8 ± 0.5 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -1.2[注 2]
物理的性質
半径 4.9R[5]
質量 3.5(3.8~3.3)M[6]
自転速度 250km/s[7]
スペクトル分類 B8 V[1][6]
光度 130 L
表面温度 12,300K[8]
色指数 (B-V) -0.106[9]
色指数 (U-B) -0.359[9]
色指数 (R-I) -0.10[10]
金属量[Fe/H] 0.33dex[6]
年齢 8000万
(1億3000万~4000万)年[6]
別名称
別名称
Lanx Borealis
てんびん座27番星[1]
BD-08 3935[1]
FK5 564[1], HD 135742[1]
HIP 74785[1], HR 5685[1]
SAO 140430[1]
Template (ノート 解説) ■Project

てんびん座β星(てんびんざベータせい)は、てんびん座で最も明るい恒星で3等星。

この星には2つの大きな特徴があり、1つは緑色の星と表現される事、もう1つはかつてアンタレスより明るかったと報告された事である[11]

概要

視差から、地球からの距離は185光年と推測される[12]。この星の高温はシンプルなスペクトルの光を生成し、地球とこの星との間の星間ガスと塵を調査するのに理想的である。同種の多くの星のように、高速で回転しており、太陽の100倍以上の自転速度である[7]。主星の角直径は0.801 ミリ秒と測定された[8]

この星の周期的な小さな変光は、直接地球からは観測できない伴星の存在を示唆している[13]、その一方で現在のところ、単一の星に分類されている[14]

特徴

星の色

この種の星は通常は青白く見えるが、この星は緑色と表現される事がよくあり、これは肉眼で見える唯一の緑色の恒星である[11][15]

明るさ

エラトステネスによれば、この星はアンタレスより明るいと観測され、350年後のトレミーは、アンタレスと同じくらいの明るさとしている[11]。R.H.アレンは、この食違いについて、アンタレスが増光したのではないかと推測している[11]。この星が減光した可能性もあるが、現在では0.03等級の変光しかしていない[16]

名称

β Lib / β Librae。固有名のズベン・エス・カマリ[2] (Zubeneschamali[3][4]) ([ˌzbənˌɛʃəˈmli]) は、アラビア語で「北の爪」を意味する الزبن الشمالية (al-zuban al-šamāliyya) を由来とする[16]。2016年8月21日、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Zubeneschamali をてんびん座β星の固有名として正式に承認した[4]

かつては、ラテン語で「北の(天秤の)皿」を意味する Lanx Borealis[17]と呼ばれることもあった。

脚注

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注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r SIMBAD Astronomical Database”. Results for bet Lib -- Variable Star. 2014年6月16日閲覧。
  2. ^ a b 原恵『星座の神話 - 星座史と星名の意味』恒星社厚生閣、2007年2月28日、新装改訂版第4刷、129頁。ISBN 978-4-7699-0825-8
  3. ^ a b Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations. Sky Pub. Corp.. p. 43. ISBN 978-1-931559-44-7. 
  4. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2016年10月9日閲覧。
  5. ^ Lang, Kenneth R. (2006), Astrophysical formulae, Astronomy and astrophysics library, 1 (3 ed.), Birkhäuser, ISBN 3540296921, http://books.google.com/books?id=OvTjLcQ4MCQC&pg=PA41 . The radius (R*) is given by:
    15h 17m 00.41382s, −09° 22′ 58.4919″



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