しな織り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/21 23:28 UTC 版)
しな織りは古くから織られている民芸品で科(しな)の樹皮の繊維で織った布を用いる。6月頃に男性陣が山から科の皮を剥ぎ、それを女性陣が加工していく。まず荒皮の下のあま皮を丸め、灰汁で煮て柔らかくしてから乾かす。乾いたものを細かく割き、この作業は「シナサキ」と呼ばれている。次に「シナウミ」と呼ばれるつなぎ合わせる作業をして、一本に長くつないだものを「シナヨリ」という糸車にかけてよりをかける作業に移る。その後、「ワクカケ」「ワクウツシ」など多くの工程を経て、最後の「シナバタ」で織り、しな布が完成する。山間地区のため自給自足の生活であったことと、冬季は雪が積もり仕事がないことから、老人や女性の仕事として長く続けられた。前述したように、自給自足のために織られていたため、戦後まで商品として売買はされていなかった。木綿が伝わってくるまでは、しな布は仕事着に用いられていて、他には藤布が使われていた。また日常生活では、麻布が用いられていた。
※この「しな織り」の解説は、「雷 (村上市)」の解説の一部です。
「しな織り」を含む「雷 (村上市)」の記事については、「雷 (村上市)」の概要を参照ください。
- しな織りのページへのリンク