さいとうさんきとは? わかりやすく解説

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さいとう‐さんき【西東三鬼】

読み方:さいとうさんき

19001962俳人歯科医岡山生まれ本名斎藤敬直。第二次大戦後、山口誓子主宰者に「天狼」を創刊句集夜の桃」「今日」「変身」など。


西東三鬼

読み方:さいとう さんき

俳人岡山県生。本名斎藤敬直。日本歯科医専卒。「旗艦」に参加、「天香」「天狼創刊同人となる。「断崖創刊主宰句集に『旗』『夜の桃』等。昭和37年1962)歿、62才。

西東三鬼

西東三鬼の俳句

うつくしき眼と会ふ次の雷待つ間
おそるべき君等の乳房夏来る
くらやみに蝌蚪の手足が生えつつあり
ひげを剃り百虫足を殺し外出す
みどり子の頬突く五月の波止場にて
みな大き袋を負へり雁渡る
中年や独語おどろく夜の秋
中年や遠くみのれる夜の桃
九十九里浜に白靴提げて立つ
倒れたる案山子の顔の上に天
僧を乗せしづかに黒い艦が出る
元日を白く寒しと昼寝たり
冬に生ればつた遅すぎる早すぎる
冬浜に老婆ちぢまりゆきて消ゆ
切り捨てし胃の腑かわいや秋の暮
占領地区の牡蠣を将軍に奉る
右の眼に大河左の眼に騎兵
哭く女窓の寒潮縞をなし
垂れ髪に雪をちりばめ卒業す
夕焼へ群集だまり走り出す
夜の桜満ちて暗くて犬噛合ふ
大寒の街に無数の拳ゆく
大寒や転びて諸手つく悲しさ
大旱の赤牛となり声となる
寒夜明け赤い造花が又も在る
寒燈の一つ一つや国敗れ
広島や卵食ふ時口ひらく
恋猫と語る女は憎むべし
昇降機しづかに雷の夜を昇る
春ゆふべあまたのびつこ跳ねゆけり
春を病み松の根つ子も見あきたり
暗く暑く大群集と花火待つ
木瓜の朱へ這いつつ寄れば家人泣く
杖上げて枯野の雲を縦に裂く
枯蓮のうごく時きてみなうごく
梅雨はげし百虫足殺せし女と寝る
梅雨富士の黒い三角兄死ぬか
水枕ガバリと寒い海がある
沖に船氷菓舐め取る舌の先
海から誕生光る水着に肉つまり
湖畔亭にヘヤピンこぼれ雷匂ふ
滅びつつピアノ鳴る家蟹赤し
炎天の坂や怒を力とし
炎天の岩にまたがり待ちに待つ
炎天の犬捕り低く唄ひだす
犬の蚤寒き砂丘に跳び出せり
白馬を少女瀆れて下りにけむ
百舌に顔切られて今日が始るか
秋の暮大魚の骨を海が引く
穀象の一匹だにもふりむかず
 

「さいとう さんき」の例文・使い方・用例・文例

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