この絵の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/29 11:13 UTC 版)
ゴッホはこの頃、精神病院に幽閉されたトルクァート・タッソを描いたウジェーヌ・ドラクロワの絵のことを考えていた。ポール・ゴーギャンとのモンペリエのファーブル美術館訪問の後、ゴッホは弟テオドルス・ファン・ゴッホ(テオ)にこの絵のリトグラフが手に入らないか書き送っている。3か月半前、彼はこの絵のことを、彼の描きたい肖像画の例として考えている。「しかし、ドラクロワが試みて描きあげた牢屋のタッソの方がより調和に満ちている。他の多くの絵と同様、本当の人間を表現しているのだ。ああ、肖像画! 思想のある肖像画、その中にあるモデルの魂、それこそ実現しなければならないものだと思う。」 手に持ったジギタリスは「孤の手袋」という名の多年草で、イギリスの田舎で浮腫に効く民間薬として使われていたものが心臓病の特効薬でもあることがわかったこの頃、評判の高い名薬になっていたため、医師を象徴する草花として置かれたとされる。
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