くめのせんにん

デジタル大辞泉

くめ‐の‐せんにん【久米仙人】

読み方：くめのせんにん

伝説上の仙人。大和国の竜門寺にこもり空中飛行の術を体得したが、吉野川で衣を洗う女の白い脛(はぎ)に目がくらんで墜落。その女を妻として世俗に帰った。のち、遷都の際、木材の空中運搬に成功して天皇から田を賜り、久米寺を建立した。「今昔物語集」「徒然草」にみえる。

世界宗教用語大事典

くめのせんにん 【久米仙人】

久米寺②の開創者とされる伝説上の仙人。大和国吉野郡龍門寺に籠もり仙人になったという。飛行中、洗濯する女性のすねを見て落ちた『今昔物語』の話が有名。じつは原形は『菩薩処胎経』にある。のち都造りの材木運びに通力を取り戻し、賞に免田三〇町を得て久米寺を建てたという。→ 久米寺