永世中立国(えいせいちゅうりつこく)
国際政治上、国家としての権利や義務について、特定のグループに属さないことを信条とすること。現在の永世中立国には、スイスやオーストリアという例がある。
中立政策の大きなねらいは、永世中立国を宣言することによって、周辺地域の紛争に巻き込まれないようになることだ。スイスでは、他国からの侵略に備えて軍隊が組織されているが、自らの侵略を放棄し、周辺諸国から信頼を得ることによって、過去2世紀の間は戦争当事国にはならなかった。
スイスの中立政策の歴史は古く、ナポレオン戦争後の1815年にウィーン会議で永世中立国として承認されたことに始まる。その後、一時的に国際連盟に加盟したことはあるものの、国際連合 (UN) や欧州連合 (EU) などの国際機関に加盟することなく、国際政治の中でも独特の立場を貫いてきた。多くの国際機関の本部があるのもスイスの特徴だ。
また、オーストリアの場合は、1955年に国家主権を回復し、永世中立国になった。
スイスが国際連合に加盟するとき、加盟申請書には「中立国として加盟する」という内容が記載される予定だ。
(2002.03.05更新)
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