いこもち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/03 08:13 UTC 版)

いこもち(煎粉餅)は、鹿児島県や宮崎県を主とする九州で食べられている、もち米の煎り粉を砂糖湯でこねて作る餅菓子である。いりこもちとも呼ばれる。
概要
いこもちは、炒ったもち米またはうるち米を粉にした「煎り粉」に、砂糖や水飴を加えて熱湯で練り、成形して作る九州の郷土菓子である[1]。
見た目は淡い黄土色で、もっちりとした食感と、炒った米の香ばしさ、甘味が特徴である。表面には打ち粉として片栗粉などをまぶす場合がある[1]。
値段の高いものなどは比較的白に近い色のいこもちも存在する[2]。
歴史
いこもちは江戸時代に薩摩藩(現在の宮崎県南部および鹿児島県)で作られ始めたのが始まりとされる。特に宮崎県都城市や三股町、鹿児島県曽於市などで盛んに作られていた。かつては節句やお盆の供え物、または祝いの際に家庭で作られ、近隣に配る風習も見られた[1]。
2025年現在[update]でも九州の家庭では日常的に食べられており、南九州の土産菓子として定番の菓子である[1]。
作り方
使用する糖分の種類や配合、水分量、追加する材料(黒砂糖、抹茶、あんこなど)は地域や家庭によって異なる。日持ちは短く、できたてを食べるのが一般的である。
- もち米またはうるち米を炒って「いり粉」を作る。配合はもち米8割、うるち米2割が一般的である。
- いり粉に、砂糖・水飴・熱湯を加えてよく練る。
- 流し箱などに片栗粉を敷き、練った生地を流し込む。
- 粗熱が取れた後、適当な大きさに切り分ける[1]。
脚注
- いこもちのページへのリンク