あるあるネタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 15:06 UTC 版)
あるあるネタとは、日常生活などで多くの人が経験しているような身の回りの些細なことを挙げたり、観客の共感を得ることで笑いを誘う演芸などの手法のひとつである[1]。
概要
中山涙はあるあるネタの起源について、1980年代初頭にビートたけしが「学校に一人はいるこういうやつ」「テレビドラマにありがちなこういう場面」というネタを漫才や漫談、ラジオのフリートークに取り入れるようになり、方法論としてフォーマットを整えたと指摘する。その背景には、テレビの普及により若者たちの間にテレビ番組が共通体験化したという要因があった。そこから雑誌やラジオの投稿コーナーに広がり、ホイチョイ・プロダクションズ『見栄講座』、とんねるず(及びその周辺の放送作家)を経て現在の若手芸人のネタなどに定着したと分析している[2]。
心理学者の竹内龍人は『テベ・コンヒーロ』(2012年6月5日放送分)の取材の中で、まれな出来事ほど脳がエピソード記憶として印象強く処理するため「よくあること」のように感じやすく、「あるあるネタ」と称されるものは一般にそのケースに当てはまることが多いとコメントしている。
また「あるあるネタ」という名称の語源は、TBSで放送されていたクイズ番組「クイズ100人に聞きました」(1979年 - 1992年)にて正解判定時に使われていた「ある!ある!ある!」というコールという指摘もある[3]。インターネット上では1995年に使用されている例に遡れる。
オーストラリア出身のお笑い芸人チャド・マレーンは、あるあるネタは日本的なお笑いのジャンルだと指摘している。欧米の国々では人種や階層が多様なため、共通意識を持つということ自体がそもそも難しい。自分がよく知るタイプの人やシチュエーション、その昔に経験したことをネタにされたら笑うし、実際、特定の人たちに向けたコメディにはそういう「あるある」ネタも盛り込まれるが、結局みんなの「あるある」がバラバラなため、ほかへ行っても通じずジャンルとして確立しないという[4]。
あるあるネタを持ちネタにする主な人物
- いつもここから[5]
- ふかわりょう[6][7]
- つぶやきシロー[8]
- テツandトモ[9]
- レイザーラモンRG[10][11]
- レギュラー[12][13]
- 土佐兄弟[14][15]
- バンカラジオ[16]
- 嘉門タツオ[17]
脚注
- ^ デジタル大辞泉『あるあるねた』 - コトバンク
- ^ 「あるあるネタ」の起源についての考察
- ^ 「あるあるネタ」の起源についての考察
- ^ チャド・マレーン (2017年12月23日). “なぜ日本の芸人は"風刺ネタ"を避けるのか”. プレジデントオンライン 2017年12月24日閲覧。
- ^ 「これはあるある大賞!」「この時期あるある」 「いつもここから」山田一成、Xで披露した「悲しいときー!」が560万回表示、ねとらぼ、2024年9月25日。
- ^ ふかわりょう、代表ネタ「小心者克服講座」誕生のきっかけ 千原ジュニア「なんだあれは!っていう感じで見てた」、サンスポ、2024年10月29日。
- ^ “現代あるあるの創始者”ふかわりょうが供給過多の「あるあるネタ」を仕分け!、めざましmedia、2023年2月17日。
- ^ あるあるネタを15年間ほぼ毎日投稿!つぶやきシローさんがつぶやき続ける理由、@DIME、2024年4月14日。
- ^ テツandトモが語る『爆笑オンエアバトル』25年後の真実「楽屋では誰ともしゃべりませんでした」、SmartFLASH、2024年6月22日。(『週刊FLASH』2024年7月2日号より)
- ^ 「あるある言いたい〜、早く言いたい〜」と歌い続けて十数年。レイザーラモンRGの超長尺ネタはタイパ重視の時代で生き残れるのか、集英社オンライン、2023年1月17日。
- ^ 村田らむ「レイザーラモンRGがもがき達した無二の境地」、東洋経済オンライン、2018年10月19日。
- ^ レギュラー、アンタ山崎のパクリで気絶ギャグが復活。中高生にも“あるある探検隊”が浸透、テレ朝POST、2024年6月14日。
- ^ “あるある探検隊”レギュラー コンビそろって芸能界唯一の資格武器に奮闘 現在の収入も公開、スポニチ Sponichi Annex、 2022年5月4日。
- ^ TikTok再生数は13億回超、「あるある」でブレイクの土佐兄弟…人生変えた「異常な行動力」の日、読売新聞オンライン、2024年2月9日。
- ^ 「高校生あるある」バズる 土佐兄弟、動画ネタで飛躍、NIKKEIリスキリング、2021年3月2日。
- ^ 早大生YouTuber・バンカラジオ。やねすけ&きいたに聞く「なぜ今コメディ動画なのか?」、QJWeb(クイック・ジャパン ウェブ)、2021年10月15日。
- ^ 替え唄メドレーだけじゃない! 嘉門達夫のあるあるネタ「小市民」、Re:minder - 2025年7月15日閲覧。
関連項目
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