ありがちな誤解に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 00:42 UTC 版)
しばしば、熱は「伝導」「対流」「放射」によって伝わる、などとされ、冷却に関してもそれに準じて説明されることも多い。これは空気と重量がある地表において工学的実践的には有用な考え方であるが、純粋に物理的には伝導と放射は熱エネルギーそのものが移動するものであるのに対し、対流は「熱エネルギーが、流体に、伝導によって移動する」という現象と「熱エネルギーを吸った流体が別の場所に流出し、新たに冷たい流体がそれに代わって流入する」という現象の組合せであって、真空かつ無重量である人工衛星などの宇宙機の熱設計などには適用できない。またパーソナルコンピュータの冷却など、身近に多い空冷機器において、「熱を排出する」などといったイメージを持たれることが多いが、正確には「熱を吸った空気を排出し、その代わりとして、比較して冷たい外気を吸入する」という排気と吸気がセットになっての現象である、という理解が必要なのであるが、しばしば吸気と排気の片方を無視した、「吹き付けて冷却」あるいは「排熱」の片方のみが論じられているという、誤解に基づく説明などが見られる。
※この「ありがちな誤解に関して」の解説は、「冷却」の解説の一部です。
「ありがちな誤解に関して」を含む「冷却」の記事については、「冷却」の概要を参照ください。
- ありがちな誤解に関してのページへのリンク