『熊龍峯四種小説』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/05 14:53 UTC 版)
長澤規矩也が、『清平山堂話本』などと同じく内閣文庫に一種の話本の系統の書籍4冊の所蔵を「萬暦版俗本四種」として報告している。『馮伯玉風月相思小説』、『孔淑芳雙魚扇墜傳』、『蘇長公章臺柳傳』、『張生彩鸞燈傳』であり、長澤は万暦(1573-1619年)頃の俗書と推定している。 『張生彩鸞燈傳』の首に「熊龍峯(ゆうりゅうほう)刊行」とあるため、1958年の王鍾麟校註本を初めとして『熊龍峯四種小説(ゆうりゅうほうししゅしょうせつ)』という呼称が用いられている。 熊龍峯とは黄冬柏によれば、明完本『楊家将演義』の編著者として知られる熊大木(1506?-1578年)の別号で、忠正堂から刊行するときに称したと推定している。 中里見敬は、晁瑮『宝文堂書目』に著録された『風月相思』と『熊龍峯四種小説』収録の『馮伯玉風月相思小説』とを対比して僅かな文字異同しかないことから、熊龍峯刊行の他の3編も『六十家小説』に基づいて刊刻されたと推定し、『六十家小説』の佚本として復元できると述べている。
※この「『熊龍峯四種小説』」の解説は、「六十家小説」の解説の一部です。
「『熊龍峯四種小説』」を含む「六十家小説」の記事については、「六十家小説」の概要を参照ください。
- 『熊龍峯四種小説』のページへのリンク