TERMINAL (遠藤ミチロウのアルバム)
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録音
レコーディングは1987年にアバコスタジオおよびスターシップスタジオにて行われ、LAUGHIN' NOSE加入以前のPONを中心に結成されたNASHIに所属していたHOMARE(ギター)、後に新生スターリンに参加しさらに後に北澤組に加入し町田町蔵のバックバンドとして活動した西村雄介(ベース)、SPEEDやE.D.P.S.に所属していたBOY、後にジャジー・アッパー・カットで演奏する事となる斉藤トオル(キーボード)が参加している[5]。
音楽性
2008年盤のライナーノーツにていぬん堂は、同時期に結成したビデオ・スターリンがザ・スターリンのパンク的な部分を担当していたのに対して、パラノイア・スターの音楽性は「ダーク・サイドを担った」と述べている[4]。また、収録曲はザ・スターリン時代の曲のリメイクが多くを占めている事に言及している他、Voice&Rhythmとの共演時に制作された「LUCKY BOY」が白眉であると言及している[4]。
芸術総合誌『ユリイカ9月臨時増刊号 総特集*遠藤ミチロウ1950-2019』においてライターの行川和彦は、本作のタイトルの意味が「グロテスク・ニュー・ポップ」の終着点を指していたのではないかと主張、音楽性はパンク・ロック+サイケデリック・ミュージックのようなサウンドとなっており、ドアーズを意識した長尺の曲が中心のダークでヘヴィな内向的な曲で構成されていると指摘した[6]。また、1曲目「飢餓々々帰郷」は本作の5年以上前に遠藤が制作した曲であり、始まりは静かにゆっくりとした曲調であるが後半にはヘヴィ・ラウドな音で加速する展開となっているとし、2曲目「LUCKY BOY」はエイズをテーマとしており、「ポップな曲調ながら、このバンドの個性ゆえに重くパーカッシヴかつタイトな音」であると指摘、3曲目「溺愛」は「このバンドならではの沈む暗い空気感がたまらない出来」と評価、5曲目「誰かが寝ているような気がする」は「たおやかに永眠しそうな流れながらやはりヘヴィ」であると指摘した[6]。
リリース
1987年7月5日にキングレコードより、LP、CT、CDの3形態でリリースされた。
1991年2月5日にはCD盤のみ再リリースされ、2008年12月8日にはSHM-CDとしていぬん堂より再リリースされた[7]。
- ^ a b 破産 2008, p. 8- いぬん堂「【遠藤ミチロウ年譜】その②1986年」より
- ^ a b c d e f 破産 2008, p. 7- いぬん堂「遠藤ミチロウ1986」より
- ^ a b c d 遠藤ミチロウ 2007, p. 322- 「MICHIRO's History」より
- ^ a b c d e f g h TERMINAL 2008, p. 7- いぬん堂「遠藤ミチロウ1987」より
- ^ ユリイカ 2019, p. 73- 行川和彦「ザ・スターリン解散からスターリン解散まで」より
- ^ a b c d e ユリイカ 2019, p. 74- 行川和彦「ザ・スターリン解散からスターリン解散まで」より
- ^ “遠藤ミチロウ、キング・レコード時代の作品がSHM-CD化!”. CDジャーナル. 音楽出版 (2008年12月3日). 2019年7月13日閲覧。
- ^ a b “遠藤ミチロウ / TERMINAL [再発][廃盤]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年7月20日閲覧。
- ^ a b レコード・コレクターズ 2009.
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