SPACY
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 23:04 UTC 版)
『SPACY』 | ||||
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山下達郎 の スタジオ・アルバム | ||||
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レーベル | RCA / RVC | |||
プロデュース | 山下達郎 | |||
チャート最高順位 | ||||
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山下達郎 アルバム 年表 | ||||
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解説
『CIRCUS TOWN』[注釈 1]のニューヨーク・サイドのレコーディング終了後、チャーリー・カレロは山下達郎に、すべてのスコアを持ち帰ることを許した。日本に帰ってそのスコアを検証したところ、山下がそれまで見たどの教則本や理論書とも全く違うものだったという。アイデアの構築の仕方が実践的で、何よりもスモール・コンボのための程よいデフォルメが随所に施されていた。これを学習しない手はないし、何より実践に応用しないでどうすると思い、セカンド・アルバムのレコーディングが始まるころにはすっかりその気になって、スコア書きに没頭していった。『CIRCUS TOWN』[注釈 1]を作り終えた頃は、マネージャーと喧嘩別れしたり、取材で音楽評論家と喧嘩したりと、状況的には悪い日々が続いたが、音楽的好奇心はむしろ旺盛で、限られた予算の中とはいえ、それまで出来なかったいろいろな試みが行われた[1]。
この時代のレコーディングは、スタジオ・ミュージシャンと呼ばれる、レコーディング専門の演奏家を集めてリズムを録り、それにブラスやストリングス、コーラスなどの装飾を施して仕上げるという手順が、もっとも一般的だった。それまでにも増して編曲という要素が重大なテーマとなっていた山下は、自分の要求を満たしてくれる演奏者を選定することから作業を始めた。『SPACY』のために、山下がまず選んだリズム・セクションは、村上秀一(ドラムス)、細野晴臣(ベース)、松木恒秀(ギター)、佐藤博(キーボード)というライン・アップだった。この選択は当時の山下の個人的趣味が反映されたものだったが、この4人でのレコーディングは初めてだったとのことで、特に細野と松木は初対面で、村上が間に入って、結構気を遣ったという。それでも、この時代の日本最高のミュージシャン達の慣れない組み合わせでの緊張感を持ちながらの演奏を自分のアルバムに残すことが出来たのは、自分の妄想から生じた偶然とはいえラッキーだったと述懐している[1]。
『SPACY』のためのもう一つのリズム・セクションは上原裕(ドラムス)、田中章弘(ベース)、坂本龍一(キーボード)、山下達郎(ギター)というライン・アップで、こちらは気心の知れているメンバーだった。これら二つのリズム・セクションを軸に当時、東京・飯倉に完成したばかりのサウンド・シティ・スタジオにてレコーディングが行われた[1]。
この他には、ピアノ弾き語りにコーラスを加えたアレンジの作品が、アナログB面に収められている。予算の関係ではあったが、後に山下のセールス・ポイントとなる一人多重録音によるコーラスもこのアルバムから始まりというように、色々な要素が含まれている。古くからのファンの中には、このアルバムをベストとする人も少なくなく、山下自身も自分でよく聞き返すアルバムの一つだと語っている。
タイトルは現在の米俗語では「現実味のない、ぼーっとした」というような意味を持つが、山下は自らの造語としてつけたと語っている。
アートワーク、パッケージ
アルバムの半透明の帯には以下のキャッチコピーが記載されている。
- 限りなき空間に漂う鮮烈な魂!!
- 今、山下達郎の世界が色彩かに飛び交う。
アルバム・カヴァーのデザインは、ペーター佐藤によるカラーコピー機とアクリルブロックで制作されたものが使われている。
注釈
- ^ a b c d 『CIRCUS TOWN』 1976年12月25日 発売 RCA ⁄ RVC LP:RVL-8004
- ^ 『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』 1997年6月4日 発売 AIR ⁄ BMG JAPAN CD:BVCR-1541
- ^ a b 『JOY –TATSURO YAMASHITA LIVE–』 1989年11月1日 発売 MOON ⁄ ALFA MOON 2CD:50MX-95/6
- ^ a b 『OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜』 2012年9月26日 発売 MOON ⁄ WARNER MUSIC JAPAN 4CD:WPCL-11201/4【初回限定盤】, 3CD:WPCL-11205/7【通常盤】
- ^ 後に、デフ・ジャムの女性シンガーニコル・レイは、この曲のトラックをほぼそのまま使用して、同じくデフ・ジャム所属のビニー・シーゲルをフィーチャーした"Can't Get Out Of The Game"[2]というブレイクビーツ・ナンバーを2004年に制作した。「Can't Get Out Of The Game」はレイのファースト・アルバムとなるはずだった『Lovechild』に収録されたが、アルバムリリースが頓挫したため、公式にはリリースされていない。しかし、音源はネットでリークされ、DJらによるMix CDにも多数収録されている他、12インチのアナログシングル盤も存在しており、シングルB面には「Can't Get Out Of The Game (INSTRUMENTAL)」のタイトルで、「DANCER」がそのまま収録されている。
- ^ 『FOR YOU』 1982年1月21日 発売 AIR ⁄ RVC LP:RAL-8801
- ^ 『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』 1982年7月21日 発売 AIR ⁄ RVC LP:RAL-8803
- ^ 『FOR YOU』 2023年5月3日 発売 AIR / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-90、CT:BVTL-2
- ^ 『RIDE ON TIME』 2023年6月7日 発売 AIR / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-91、CT:BVTL-3
- ^ 『MOONGLOW』 2023年7月5日 発売 AIR / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-92、CT:BVTL-4
- ^ 『GO AHEAD!』 2023年7月5日 発売 RCA / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-93、CT:BVTL-5
- ^ a b c 『CIRCUS TOWN』 2023年8月2日 発売 RCA / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-95、CT:BVTL-7
- ^ 『IT'S A POPPIN' TIME』 2023年9月6日 発売 RCA / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-96~97、CT:BVTL-8
- ^ 『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』 2023年9月6日 発売 AIR / Ariola Japan / Sony Music Labels Inc. LP:BVJL-98、CT:BVTL-9
出典
- ^ a b c (2002年) 山下達郎『SPACY』のアルバム・ノーツ [Booklet]. RCA ⁄ BMG FUNHOUSE (BVCR-17014).
- ^ Nicole Wray - "Hustler's Love" ft Beanie Sigel
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “スペイシー - 山下達郎 - 4988017607299 : CD” (日本語). 楽天ブックス. 楽天株式会社. 2020年5月17日閲覧。
- ^ a b c “【アルバム】山下達郎『SPACY』『CIRCUS TOWN』初TOP10入り 自身が持つインターバル記録を更新”. オリコン (2023年8月11日). 2023年8月12日閲覧。
- ^ a b c d “山下達郎、1976年~82年のアナログ盤&カセットを最新リマスターで発売”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2023年1月6日). 2023年8月5日閲覧。
- ^ “TATSURO YAMASHITA RCA/AIR YEARS Vinyl Collection 最新リマスター&ヴァイナル・カッティング8タイトル追加プレス決定のご案内”. 山下達郎 | ソニーミュージックオフィシャルサイト. Sony Music Entertainment (Japan) Inc. (2023年5月24日). 2023年8月5日閲覧。
- ^ “山下達郎、アナログ&カセットリマスターシリーズのティザー映像公開”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2023年4月16日). 2023年6月13日閲覧。
- ^ “山下達郎自らがノンストップミックスで編集したマスターエディット使用、 Teaser映像公開!”. 山下達郎 | ソニーミュージックオフィシャルサイト. Sony Music Entertainment (Japan) Inc. (2023年4月19日). 2023年6月13日閲覧。
spaCy
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/04 05:33 UTC 版)
spaCy ([speɪˈsiː] spay-SEE) は高度な自然言語処理を行うためプログラミング言語PythonとCythonで書かれたオープンソースソフトウェア・ライブラリである[3][4]。このライブラリはMITライセンスの下で公開されており、現在、英語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、イタリア語、オランダ語に対する種々の解析処理と多言語固有表現抽出のための統計的ニューラルネットワークモデル、また、その他様々な言語に対する字句解析モデルを提供している[5]。
- ^ “Introducing spaCy”. explosion.ai. 2016年12月18日閲覧。
- ^ “v3.4.1: Fix compatibility with CuPy v9.x” (26 7月 2022). 4 10月 2022閲覧。
- ^ Choi et al. (2015). It Depends: Dependency Parser Comparison Using A Web-based Evaluation Tool.
- ^ “Google’s new artificial intelligence can’t understand these sentences. Can you?”. Washington Post. 2016年12月18日閲覧。
- ^ “Models & Languages | spaCy Usage Documentation”. spacy.io. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “Facts & Figures - spaCy” (英語). spacy.io. 2017年11月8日閲覧。
- ^ Bird, Steven; Klein, Ewan; Loper, Edward; Baldridge, Jason (2008). “Multidisciplinary instruction with the Natural Language Toolkit”. Proceedings of the Third Workshop on Issues in Teaching Computational Linguistics, ACL .
- ^ “Facts & Figures | spaCy Usage Documentation”. spacy.io. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “explosion/spaCy”. GitHub. 2016年12月18日閲覧。
- ^ “explosion/thinc”. GitHub. 2016年12月30日閲覧。
- ^ spaCy: 💫 Industrial-strength Natural Language Processing (NLP) with Python and Cython, Explosion AI, (2017-11-08) 2017年11月8日閲覧。
- ^ “Models & Languages - spaCy” (英語). spacy.io. 2017年11月8日閲覧。
- ^ “Models & Languages | spaCy Usage Documentation” (英語). spacy.io. 2017年11月8日閲覧。
- ^ Trask et al. (2015). sense2vec - A Fast and Accurate Method for Word Sense Disambiguation In Neural Word Embeddings
- 1 spaCyとは
- 2 spaCyの概要
- 3 外部リンク
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