Rotten Tomatoes Rotten Tomatoesの概要

Rotten Tomatoes

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 04:50 UTC 版)

Rotten Tomatoes
URL www.rottentomatoes.com
タイプ 映画・テレビのレビュー収集サイト・ユーザコミュニティ
本国 アメリカ合衆国
運営者
設立者 セン・ドゥオン
主要人物 セン・ドゥオン
パトリック・Y・リー
ステファン・ワン
株主 ファンダンゴ・メディア[1]
登録 任意
開始 1998年8月12日 (25年前) (1998-08-12)
OCLC番号 48768329
[2][3][4]

概要

全米の様々な作家協会・映画評論家団体が承認した執筆者による各映画のレビューが掲載され、スタッフが作品ごとに肯定・否定のそれぞれのレビューを集計。賛否の平均値は点数として掲出される。名称である“rotten tomatoes”は「腐ったトマト」の意で、「拙い演技に怒った観客が腐ったトマトなどの野菜類を舞台へ投げつける」という、映画や小説で頻出するクリシェを由来に名付けられた。

サイト内には直近で公開された約270本の映画レビューのログが残され、肯定的なレビューの割合が一覧化されている。肯定的レビューが60%以上の場合は「レビュアーの大多数がその映画を推奨した」ものとして"fresh"(新鮮)、60%未満の場合は "rotten"(腐敗)の格付けがされる。加えてロジャー・イーバート、デッソン・トムソン、スティーヴン・ハンター、リサ・シュワルツバウムなどの著名映画レビュアーによるレビューは、"Top Critics"(トップ批評家)と呼ばれる別リストへ載せられ、別途一覧化されている(批評は全体レーティングにも影響する)。レビューが数値集計の可能な量に達すると、各レビュアーによる意見を整理するため、総意としてのまとめ記事が掲載される。年末にはその年の最高得点を得た映画が "Golden Tomato"(ゴールデン・トマト賞)を獲得するシステムとなる。

前述のトップ批評家以外にも、報道機関・オンライン映画コミュニティから特定作品へのバイアスが掛からないよう選出された、"Tomatometer Critics"(トマトメーター批評家)と呼ばれる40人以上のレビュアーがおり、評価結果は"Tomatometer"(トマトメーター)として表示される。トマトメーターが75%以上になった映画は、"Certified Fresh"(新鮮保証)をされる決まりとなっている[7]。一方でトマトメーター批評家には評価の信頼性が求められているため、「作品の良さを保証するに足るレビューに欠ける」という理由から、100%肯定的な評価を得ながらも「新鮮保証」判定が下されない例もある。

専門家以外にもサイト内で用意されたユーザーコミュニティがあり、利用者用フォーラム内でグループの作成・参加が可能となる。それぞれの映画には"user average"(利用者の平均評価)が設定されており、トップ批評家のレビューの集計と同様の方法で、肯定的評価をした利用者の割合が集計される。なお、トップ批評家は5段階(星なし - 星4個)の評価で表される一方、ユーザー評価は10段階評価のため、細かいレーティングが表示されるのが特徴となり、批評家のレビューと同様に6点以上ならば「新鮮」認定を受ける。また、"The Golden Oyster Awards"(金牡蠣賞)グループメンバーに認定されると、アカデミー賞ゴールデングローブ賞に近いシステムで設けられた各賞の受賞者を決める投票へ参加が可能となる。

この他にも映画に関する情報・報道全般を扱っていることから、英語圏の映画レビュー集サイトとして最も著名なものとして知られている。

歴史

「北米地域の様々な批評家による映画レビューを、人々がまとめて読めるサイトを作る」ことを目的とし[8]、1999年8月19日にセン・ドゥオン(Senh Duong)によって開設された[9]のを始まりとする。アイデア自体はドゥオンがジャッキー・チェンのファンであることから、ジャッキーの映画に関する北米でのレビューを残らず集めようとした際に発案されたものである。最初にレビューが取り上げられた作品は『僕らのセックス、隣の愛人』。サイトはたちまち評判を呼び、開始後1週間のうちにYahoo!NetscapeUSAトゥデイなどの各種メディアで取り上げられた。

その後、ドゥオンはカリフォルニア大学バークレー校の同級生であり、以前バークレーのウェブデザイン会社で同僚だったパトリック・リー(Patrick Lee)とスティーブン・ワン(Stephen Wang)を招聘。フルタイム運用サイトに改組した上で、2000年4月1日に正式公開することにした[10]

2004年6月にはIGNがサイトを非公開額で買収したことを公表[11]。2005年9月にIGNがニューズ・コープ傘下のFOXインタラクティブ・メディア(デジタルメディア部門)に買収された[12]後もブランドは保持されていたが、2010年1月に映画批評SNS「Flixster」を運営するフリックスター社へ売却[13]2011年5月にはフリックスターをワーナー・ブラザースが買収し、2016年にフリックスターがファンダンゴ・メディア傘下となったため、現在はNBCユニバーサルワーナー・ブラザース・ディスカバリーの双方のグループに属している。


  1. ^ Spangler, Todd (2019年5月23日). “Rotten Tomatoes Revamps Movie Audience Scores to Focus on Verified Ticket Buyers”. Variety (magazine). 2020年5月2日閲覧。 “NBCUniversal’s Fandango acquired the reviews-aggregation site in 2016 from Warner Bros., which retains a 25% stake in Rotten Tomatoes.”
  2. ^ Fandango snaps up Rotten Tomatoes and Flixster”. Engadget (AOL). 2016年2月19日閲覧。
  3. ^ D'Alessandro, Anthony (2016年2月17日). “Fandango Acquires Rotten Tomatoes & Flixster”. Deadline Hollywood. Penske Media Corporation. 2016年2月19日閲覧。
  4. ^ Rottentomatoes.com Traffic, Demographics and Competitors - Alexa”. www.alexa.com. 2019年4月12日閲覧。
  5. ^ 映画批評サイトの大本命“ロッテントマト”が選ぶ「傑作映画50」全公開!”. クーリエ・ジャポン (2017年12月29日). 2023年3月22日閲覧。
  6. ^ 米アカデミー賞発表迫る『ドライブ・マイ・カー』 霧島れいかが引き受けた“リスク”とは”. Hint-Pot (2022年3月4日). 2023年3月22日閲覧。
  7. ^ Frequently Asked Questions” (英語). Rotten Tomatoes. 2009年9月11日閲覧。
  8. ^ Senh Duong interview, 2000” (英語). Asianconnections.com (1999年8月19日). 2010年9月11日閲覧。
  9. ^ Lazarus, David (2001年4月26日). “San Francisco Chronicle, 2001”. Sfgate.com. https://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/chronicle/archive/2001/04/26/BU6094.DTL 2009年12月4日閲覧。 
  10. ^ Ryan, Tim. “An Oral History of RT, Part One: The Beginning” (英語). Rottentomatoes.com. 2010年9月11日閲覧。
  11. ^ Hollywood Reporter”. Hollywoodreporter.com (2004年6月29日). 2009年12月4日閲覧。
  12. ^ Hollywood Reporter, 9/9/05”. Hollywoodreporter.com. 2009年12月4日閲覧。
  13. ^ Graser, Marc (2010年1月4日). “Flixster buys Rotten Tomatoes” (英語). Variety. https://variety.com/article/VR1118013270.html 2010年9月11日閲覧。 
  14. ^ White, Armond (2010年4月). “Do Movie Critics Matter?” (英語). First Things. 2010年9月11日閲覧。
  15. ^ Lundegaard, Erik (2008年7月1日). “Why We Need Movie Reviewers: Despite popular belief, critically acclaimed movies actually sell better” (英語). Slate. 2010年9月11日閲覧。
  16. ^ Wloszczyna, Susan; DeBarros, Anthony (2004年2月25日). “Movie critics, fans follow surprisingly similar script” (英語). USA Today. https://usatoday30.usatoday.com/life/movies/2004-02-25-cover-critics-fans_x.htm 2010年9月11日閲覧。 
  17. ^ Top 100 Movies of All Time Rotten Tomatoes
  18. ^ The Rotten tomatoes show” (英語). Current TV, LLC. 2010年9月11日閲覧。


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