M1911 概要

M1911

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 09:56 UTC 版)

概要

ホールドオープンしたM1911A1。銃身の後端が閉鎖を解く過程でわずかに下がったことにより、銃身の軸線が本体(スライドとフレーム)に対して平行になっていない事に注目。

1911年3月29日アメリカ軍に制式採用され、拳銃としての制式名称「M1911」、のちに1926年に改良が加えられたものは「M1911A1」と名付けられた。1985年ベレッタM9が制式採用されるまで、実に70年以上にわたってアメリカ軍の制式拳銃であった。ベレッタM9が後継になり制式を解かれた後も、改良を加えたM1911と部品の一部を新品に交換した物が一部の特殊部隊海軍で使用され続けている。銃の使用年数を加算すると100年を超え、一部はアメリカ軍に配備されてから90-100年以上も使用されているものもある。

戦時中にはコルト社以外にも様々なメーカーが軍に納入するためのM1911を製造し、細部や刻印が異なるバリエーションが数多く存在する。例えば軍用M1911のグリップの材質は、製造メーカーや製造時期によってベークライト製のものやウォールナット製のものなどがある。

軍からの「1発でも、敵の動きを止められるだけの威力がほしい」という要望に基づき、ジョン・ブローニングが考案した、.45ACP(.45Auto Colt Pistol)という大口径弾を使用するM1911は、そのストッピング・パワーの高さから信頼された。軍用のM1911およびM1911A1の口径は.45ACP、装弾数はシングル・カラム・マガジンによる7+1発であるが、その後の民間でのバリエーション展開によって9x19mmパラベラム弾.40S&W弾など各種の弾薬に対応したバージョンが生まれた。競技用にはパワフルかつフラットな弾道の.38スーパー英語版の人気が高い。

写真のように、本銃はスライドが後退する際に銃身の後端がわずかに下降するため、銃口が水平よりわずかに上を向く。これはティルトバレル式ショートリコイル機構(写真参照)といって現代の自動拳銃に広く用いられる機構だが、本銃がその元祖であり、20世紀における世界各国の自動拳銃開発に対し、非常に大きな影響を与えた。

誕生以来大半のパーツの設計がほとんど変わっていないため、非常に豊富なカスタムパーツが存在し、使用者の好みに合わせてカスタムしやすい銃である。現在もM1911を称する拳銃を多数のメーカーやカスタムショップが製造しており、そのバリエーションは把握できないほど増え続けている。同様にグリップも様々なものが作られており、ラバー製やアルミ製、中には象牙などの高価な素材で作られたものまで販売されており、専門のコレクターまで存在している。

大きな特徴として、ハンマーをコックした状態でもかけられるサムセーフティが左側に備えられ、そして握った時親指と人差し指の股が当たる部分に安全装置(グリップセーフティ)があり、これをしっかり握り込まないと撃てない仕組みになっている。カスタム品の中にはグリップセーフティを敢えて外した物も存在する。


  1. ^ 白石光 (2009-07-28). ヒーローたちのGUN図鑑. 学習研究社. pp. pp.23-24. ISBN 978-4-05-404231-5 
  2. ^ a b c d 『エリートフォーセス 陸上自衛隊編[Part2]』p62 ホビージャパン
  3. ^ 米海兵隊リーコンの新型 45 口径ピストル”. ミリブロニュース (2014年8月4日). 2015年11月15日閲覧。
  4. ^ Vietnamese Crude 1911 Copy” (2016年9月25日). 2021年4月21日閲覧。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「M1911」の関連用語

M1911のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



M1911のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのM1911 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS