高橋弘希
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 08:32 UTC 版)
高橋 弘希 (たかはし ひろき) | |
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誕生 |
1979年12月8日(44歳) 日本 青森県十和田市 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
教育 | 学士(文学) |
最終学歴 | 文教大学文学部中国語中国文学科 |
活動期間 | 2014年 - |
ジャンル | 小説・純文学 |
代表作 | 『送り火』(2018年) |
主な受賞歴 |
新潮新人賞(2014年) 野間文芸新人賞(2017年) 芥川龍之介賞(2018年) |
デビュー作 | 「指の骨」(2014年) |
経歴
父は黒石市、母は十和田市出身で、親の仕事の関係で関東地方を転々として育つ。文教大学を卒業後、予備校講師として勤務しながらロックバンドで活動。
2014年に太平洋戦争を題材にした「指の骨」で新潮新人賞を受賞しデビュー。「指の骨」を含め3作が芥川賞候補となり、2018年に「送り火」で第159回芥川賞を受賞。青森県出身者の芥川賞受賞は三浦哲郎以来57年ぶり2人目で、同年12月に第1号となる十和田市市民栄誉賞を授与された[2]。
「送り火」は東京から青森へ引っ越した中学生を主人公にいじめ問題を描いた小説で、父の出身地の黒石市が主な舞台となっており、大川原の火流しや津軽弁などのご当地ネタが数多く登場する。芥川賞贈呈式後の取材では、今後青森県を舞台にした作品を書く可能性について「小説として書くことは多分ない。今回(「送り火」)でほとんど書いてしまったので」と語っている[3]。
人物
小学生の頃から将棋が強く、プロ棋士を目指し自ら「高橋システム」と名付けた矢倉囲いの戦術を考案した。大学在学中に研究の成果を試すため新宿将棋センターで加藤一二三と指してみたところ完敗し棋士になる夢を諦め、次に目指したのが作家だった[4][5]。将棋は観る専門となったが、「将棋は小説を書いていく過程と似ている。『なんとなく』で進んでいくところが」と語り[6]、朝日新聞からの依頼で朝日杯将棋オープン戦や名人戦の観戦記も書いている。2019年には「将棋と文学」をテーマにしたシンポジウムで女流棋士の室谷由紀と対談した[7]。
高校時代にバンドを始め作詞・作曲を担当し、ギター、ベース、ドラム、鍵盤など様々な楽器を経験。ニルヴァーナ、スマッシング・パンプキンズ、ソニック・ユースなど海外のオルタナティヴ・ロックの曲を愛聴していた。バンドを題材にした2022年刊行の初の長編『音楽が鳴りやんだら』に自身の経験が生かされている[8]。また、雑誌『文學界』でエッセイ「近現代音楽史概論B」を連載している。
漫画家を目指したこともあり、大学時代に『火星人大来襲』というギャグ漫画を描き集英社に作品を持ち込んだこともあるが、「とりあえず担当の反応が相当悪かったことだけ覚えています(笑)」と語っている[9]。
2018年度上半期の第159回芥川賞を受賞したが、同年度下半期の第160回直木賞は同じく文教大学卒業生の真藤順丈が受賞し、文教大学の本部がある埼玉県内の紀伊國屋書店3店舗で2人の著書を展示・販売する記念イベントが開催された[10]。
受賞・候補歴
- 2014年 - 「指の骨」で第46回新潮新人賞受賞。
- 2015年 - 「指の骨」で第152回芥川龍之介賞候補。『指の骨』で第28回三島由紀夫賞候補。「朝顔の日」で第153回芥川龍之介賞候補。
- 2016年 - 「短冊流し」で第155回芥川龍之介賞候補。
- 2017年 - 『スイミングスクール』で第30回三島由紀夫賞候補。『日曜日の人々(サンデー・ピープル)で第39回野間文芸新人賞受賞。
- 2018年 - 『日曜日の人々(サンデー・ピープル)で第31回三島由紀夫賞候補。「送り火」で第159回芥川龍之介賞受賞。
- 2022年 - 『音楽が鳴りやんだら』で第39回織田作之助賞候補。
- 1 高橋弘希とは
- 2 高橋弘希の概要
- 3 作品リスト
- 4 日本国外への翻訳
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