電子顕微鏡 電子顕微鏡の歴史

電子顕微鏡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 00:20 UTC 版)

電子顕微鏡の歴史

マックス・クノールエルンスト・ルスカが1931年に開発した電子顕微鏡

磁場電子線に対するレンズ作用を実験で示したのは1927年ドイツのハンス・ブシュ(Hans Busch) である。最初の電子顕微鏡 (TEM) は1931年にベルリン工科大学マックス・クノールエルンスト・ルスカが開発した。さらにルスカは性能を高め、この功績で1986年にノーベル物理学賞を受賞した。シーメンスの科学ディレクターだったユダヤ系ドイツ人のレインホールド・ルーデンベルク(en:Reinhold Rudenberg)が1931年、特許をとり、1938年に電子顕微鏡を売り出す。走査型電子顕微鏡 (SEM) は1937年マンフレート・フォン・アルデンヌ (Manfred von Ardenne) によって製作された。1950年代から多くの分野で活用された。さらに短波長の電子線(加速電圧の向上)などによって性能は向上した。

日本においては、1940年に菅田榮治(大阪大学)が初めて国産第一号、倍率一万倍の電子顕微鏡を完成させている。瀬藤象二が国産化のための技術開発に貢献した[1]。また、1951年には日比忠俊蒸着材料にウラン以外の金属を利用し、より鮮明な画像を得る試料作製手法を開発した[2]

利用

生物学の分野では、電子顕微鏡の利用は大きな影響を与えた。ウイルスの発見や、細胞小器官の構造など、得られたものは大きい。この分野で電子顕微鏡によって観察できるような微細な構造のことを微細構造 (Ultrastructure) という。 また、材料学においても転位や積層欠陥等材料の特性を決定する欠陥構造の解明、カーボンナノチューブをはじめとするナノ構造材料の発見と構造解析におおきな役割をはたしてきた。

電子顕微鏡を製造・販売している会社・電子顕微鏡を扱う学会


  1. ^ 超高分解能電子顕微鏡の世界 ―エナメル質結晶の脱灰と再石灰化―” (PDF). 栁澤孝彰 (2013年). 2020年3月31日閲覧。
  2. ^ 「電子顕微鏡の利用に新方式 ずっと鮮明で簡単」『朝日新聞』昭和26年3月27日3面


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