衆議院議員総選挙 大日本帝国憲法下の衆議院議員総選挙

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衆議院議員総選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 02:48 UTC 版)

大日本帝国憲法下の衆議院議員総選挙

大日本帝国憲法下においても衆議院は選挙法の定めるところにより公選議員により組織することと定められ(大日本帝国憲法第35条[注釈 3])、それを具体化する法律として衆議院議員選挙法(明治22年法律第37号)が定められていた。

衆議院解散の場合には勅命をもって新たに議員を選挙し解散の日より5箇月以内にこれを召集することと定めていた(大日本帝国憲法第45条)。なおこの勅命は、法令形式としての勅令ではなく詔書により行われた[注釈 4]

選挙権および被選挙権

選挙権

  • 1889年(明治22年)の衆議院議員選挙法(明治22年法律第37号)制定当初、次の資格を満たす者としていた(衆議院議員選挙法6条)。
  1. 日本臣民の男子で年齢満25歳以上
  2. 選挙人名簿調製の期日より前満1年以上その府県内に本籍を定め居住し引き続き居住している
  3. 選挙人名簿調製の期日より前満1年以上その府県内において直接国税15円以上を納め引き続き納めている(ただし、所得税については人名簿調製の期日より前満3年以上これを納め引き続き納めている)
  • 1900年(明治33年)の改正衆議院議員選挙法(明治33年法律第73号)により次の資格を満たす者となった(衆議院議員選挙法8条1項)。
  1. 帝国臣民たる男子で年齢満25歳以上
  2. 選挙人名簿調製の期日より前満1年以上その選挙区内に住居を有し引き続き有する
  3. 選挙人名簿調製の期日より前満1年以上地租10円以上又は満2年以上地租以外の直接国税10円以上若しくは地租とその他の直接国税とを通して10円以上を納め引き続き納めている
  • 1925年(大正14年)の改正衆議院議員選挙法(大正14年法律第47号、俗にいう普通選挙法)により納税資格が撤廃された。
  • 1945年(昭和20年)の改正衆議院議員選挙法(昭和20年法律第42号)により女性参政権(婦人参政権)が認められる。

被選挙権

  • 1889年(明治22年)の衆議院議員選挙法(明治22年法律第37号)制定当初、原則として日本臣民の男子満30歳以上で選挙人名簿調製の期日より前満1年以上その選挙府県内において直接国税15円以上を納め引き続き納める者(ただし、所得税については人名簿調製の期日より前満3年以上これを納め引き続き納めている)を被選人としていた(衆議院議員選挙法8条)。
  • 1900年(明治33年)の改正衆議院議員選挙法(明治33年法律第73号)により、原則として帝国臣民たる男子で年齢満30歳以上の者となった(衆議院議員選挙法10条)。
  • 1945年(昭和20年)の改正衆議院議員選挙法(昭和20年法律第42号)により女性参政権(婦人参政権)が認められる。翌1946年(昭和21年)4月10日の第22回衆議院議員総選挙で39名の女性議員が誕生。

日本国憲法への移行

1946年(昭和21年)4月10日第22回衆議院議員総選挙が、大日本帝国憲法下での最後の衆議院議員総選挙となり、1947年(昭和22年)5月3日日本国憲法が施行された。

1947年(昭和22年)4月25日の第23回衆議院議員総選挙は日本国憲法下での初の衆議院議員総選挙となったが、この選挙は衆議院議員選挙法の下で行われた。

なお、その後、1950年(昭和25年)の公職選挙法(昭和25年4月15日法律第100号)施行により、衆議院議員選挙法は廃止となった。


注釈

  1. ^ 旧憲法下では貴族院議員と並び帝国議会議員現行憲法下では参議院議員と並び国会議員
  2. ^ 日本国憲法下では、第49回が初めてかつ唯一の例である。
  3. ^ 貴族院は皇族・華族・勅任議員で組織されていた(大日本帝国憲法第34条)。
  4. ^ 公式令第1条「大權ノ施行ニ關スル勅旨ヲ宣誥スルハ別段ノ形式ニ依ルモノヲ除クノ外詔書ヲ以テス」
  5. ^ 第41回衆議院議員総選挙が59.65%第42回衆議院議員総選挙が62.49%、第43回衆議院議員総選挙が59.86%第44回衆議院議員総選挙が67.51%、第45回衆議院議員総選挙が69.28%、第46回衆議院議員総選挙が59.32%第47回衆議院議員総選挙が52.66%第48回衆議院議員総選挙が53.68%第49回衆議院議員総選挙が55.93%で、いずれも小数点以下四捨五入しない場合。太文字は、投票率が60%を切った選挙。
  6. ^ 民主党政権が誕生した第45回衆議院議員総選挙は投票率が69.28%と、小選挙区制で実施された衆議院議員総選挙としても投票率がもっとも高く、唯一平均投票率に到達している。

出典

  1. ^ 宮沢俊義芦部信喜『全訂日本国憲法』125 - 126頁、日本評論社、1978年
  2. ^ a b “選挙権年齢「18歳以上」に 改正公選法が成立”. 47NEWS. (2015年6月17日). https://web.archive.org/web/20150617032536/http://www.47news.jp/CN/201506/CN2015061701001110.html 2017年10月14日閲覧。  ※ 現在はインターネットアーカイブ内に残存
  3. ^ 法定得票数と供託物没収点”. 取手市. 2021年2月24日閲覧。
  4. ^ a b 選挙の種類 - 総務省 - このページに衆議院議員比例代表選挙ブロックの正式な名称が記載されている。
  5. ^ 総選挙事務700億円 貴重な一票忘れずに - 東京新聞・2014年11月22日付け《2017年10月14日閲覧;現在はインターネットアーカイブ内に残存》
  6. ^ 12年衆院選は「違憲状態」1票の格差で最高裁 日本経済新聞 2013年11月20日
  7. ^ 14年衆院選、1票の格差は「違憲状態」 最高裁大法廷 日本経済新聞 2015年11月25日
  8. ^ 滝口亜希 (2013年3月26日). “猶予なしの立法府 判断は「違憲状態」「有効だが違憲」…”. 産経新聞. https://web.archive.org/web/20130326055809/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130326/trl13032600500001-n1.htm 2017年10月14日閲覧. "全2頁構成(→記事2頁目)"  ※ 現在はインターネットアーカイブ内に残存
  9. ^ 衆院小選挙区の定数配分、15都県で「10増10減」…総務省がアダムズ方式で試算 読売新聞 2021年6月25日





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