登録商標マーク 概要

登録商標マーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 00:22 UTC 版)

概要

商標制度を有するでは、通例、登録商標を使用する際にそれが登録商標である旨の表示(登録商標表示)を付すことができることを定めるとともに、登録されていない商標について登録商標表示を行うことを禁じている。

米国連邦商標法英語版(ランハム法)では、登録商標表示をしておくと他者に無断で使用されないための警告として働く。表示がなくてもよいが、侵害された際に損害賠償請求をする場合は前もって別の方法で警告することになる[1][2]

登録商標の具体的な表示方法としては、国により様々な語句やマークが定められている。「登録商標マーク」は、米国やイギリスをはじめとする多くの国で定められている代表的な登録商標表示のひとつである[1][3]

日本の商標法では、登録商標表示として「登録商標」の文字を使用することとされており、「登録商標マーク」は法令上用いられていない。ただし、登録されていない商標に対して「登録商標マーク」のような紛らわしい表示をすることは禁じられており、違反した場合には刑事罰が科せられる(#日本参照)。

上記の通り、登録されていない商標にはこの記号は使うことはできない。登録されていない商標の場合、商品の出所を表示する商標(トレードマーク)には「商品商標マーク」である「」(TM)を付し、役務の出所を表示する商標(サービスマーク)には「役務商標マーク」である「」(SM)を付すことがある。

計算機上の用法

Unicodeにおいては「U+00AE ® REGISTERED SIGN (HTML: ® ®)」とマッピングされている[4]。「登録商標マーク ®」は、よく似た「U+24C7 CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER R (enclosed R)」(ラテン大文字Rの囲み文字)とは厳格に区別されている。日本ではJIS X 0208には存在しないが、JIS X 0213にて標準化された。

「登録商標マーク ®」は、英文タイプライターや計算機のASCII文字には、長い間採用されてこなかったので、(R)あるいは(r)で代用されていた。たとえばPython言語の商標使用方針は、これら代用記号の使用を推奨している[5]

米国においては、Registered, U.S. Patent and Trademark Office. (米国特許商標庁登録済み)、あるいはその簡略表現であるReg U.S. Pat & TM Off.が法的同等物とみなされる[1][6]。英国では、RTMがそれに該当する[3]

日本

日本の商標法では、登録商標である旨の表示をするように努めなければならないとされている(73条)。具体的な表示方法は「「登録商標」の文字及びその登録番号又は国際登録の番号」(商標法施行規則第17条)とされており、「登録商標マーク」は法令上規定された表示方法ではない。

また、日本の商標法では、登録されていない商標の使用をする場合に、商標登録表示やこれと紛らわしい表示を付す行為等は禁じられており(74条)、これに違反すると刑事罰が科せられる(80条)。「登録商標マーク」は、商標登録表示と紛らわしい表示に該当する。

なお、同じマルにRでも、CDに付されている[要出典]🄬」(→囲み英数字補助(Enclosed Alphanumeric Supplement))は、レコードを表し、登録商標マークとは異なる[7]


  1. ^ a b c 15 USC § 1111 - Notice of registration; display with mark; recovery of profits and damages in infringement suit Legal Information Institute, Cornell University
  2. ^ “®” “TM” “SM” “登録商標”の違い | | 商標登録出願の案内”. 有明国際特許事務所 (2016年2月21日). 2017年3月8日閲覧。
  3. ^ a b UK IPO, one example of a national trade mark office
  4. ^ http://www.unicode.org/charts/PDF/U0080.pdf
  5. ^ PSF Trademark Usage Policy. https://www.python.org/psf/trademarks/ "The first or most prominent mention of a Python trademark should be immediately followed by a symbol for registered trademark: "®" or "(r)"."
  6. ^ Gregory H. Guillot. A Guide to Proper Trademark Use. 1995-2007. http://www.ggmark.com/guide.html
  7. ^ デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式 ARIB STD-B24 5.4版(第一分冊) (PDF, 4.72 MiB) (85ページ目?・ページ表記71ページめ?)


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