王立カナダ騎馬警察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/05 03:17 UTC 版)
概要
1920年2月、North West Mounted Police(北西騎馬警察)を改称し創設。
カナダにはそれぞれの地域の政体にあわせて、簡単に分けると、連邦、州、大都市圏(または市町村)の三層の警察力が存在する。RCMPは連邦警察であり、地域によっては州または市町村レベルの警察サービスも提供している。2019年現在、約30,000人が勤務している。本部はオンタリオ州・オタワ。
RCMPはその赤い制服(チュニック)と、鍔の広い尖がり帽子(キャンペーン・ハット)で大変有名である。ただしこれは式典向けの正装で、通常は他の警察と同じような一般的なデザインの制服を着用している。また近年通常業務において、必ずしも馬は使われてはいない。カナダの象徴として他国における軍の儀仗隊の代わりに国賓等を迎える姿がよくみられる。式典等において、音楽隊の演奏に合わせて騎馬行進をする「ミュージカル・ライド」が有名である。
冷戦時代においては、FBIと協力しアメリカからの兵役忌避者の捜索に協力したり、ケベック州独立運動が激しくなった1970年代にはケベック党の文書を盗むなど、情報機関のような役割を果たしたこともある。公式にはそのような諜報活動などは現在カナダ安全情報局(Canadian Security Intelligence Service、CSIS)へ移管され、RCMPはそのような責務は持っていないとされている。
赤い制服が美しいRCMPはカナダ文化の象徴として様々な観点からとらえられている。カナダ国民からは親しみを持って「マウンティー(Mountie)」と呼ばれている。騎馬警官をデザインしたTシャツやぬいぐるみがたくさんお土産として売られている。また、特に映画などではカナダの象徴として登場することが多い。最近の例では「ダイ・ハード3」で、犯人がアメリカから逃亡した際にRCMPに追われ、カナダに入国したことを示唆するシーンなどがあった。また「騎馬警官(Due South)」というTVドラマではシカゴを舞台に米加両国の警察が協力する話だった。
- ^ a b c 『世界の地理3 カナダ・北極』(田辺裕監修)p.311
- ^ Freeze, Colin; Dhillon, Sunny (2018年3月2日). “The RCMP's thin red line: Is contract policing unsustainable?” 2022年8月12日閲覧。
- ^ Matas, Robert (2010年9月10日). “Why did the B.C. Provincial Police disappear?” 2022年8月12日閲覧。
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