氷点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 05:42 UTC 版)
逸話
- 1963年の元旦、三浦綾子は懸賞小説を募集する朝日新聞の社告を読み、一晩であらすじを考えたという。最初に書いた部分は、小説では最後に登場する陽子の遺書であった[1]。『氷点』の題を付けたのは夫の光世であり、彼はまた批評をしたり写しを取ったりして綾子を支えた。原稿を発送したのは、締め切り日の大晦日であった[2]。
- 主人公の「陽子」の名前は、6歳で早世した綾子の実妹の名から取った[3][4]。
- 三浦夫妻は賞金を自分たちのためにほとんど使わなかった(大半は綾子の入院費用のために実父が作った借金返済と教会への寄付に充てられた)。作品がテレビドラマになったにもかかわらず、光世が許さずテレビさえ買わなかったという[2]。
- 新聞紙上の連載が終わりに近付くと、「ヨウコハシンデハナラナイ」という電報が、読者より朝日新聞東京本社に届く[5]。本来、陽子の生死は明らかにされないまま完結する予定だったが、「陽子を生かしてほしい」という要望があまりに多く『続・氷点』が書かれた。
- 日本テレビ系で放送されている『笑点』の番組名は、初代司会者である立川談志が『氷点』をもじって命名したとされているが、談志自身は別人が命名したと語っている。詳しくは「笑点」のページを参照のこと。
- 2010年9月には、旭川市の再開発事業「北彩都あさひかわ」の一環として新たに建設される橋の一つが「氷点橋」と命名されることが発表され[6]、2011年4月1日に開通した。
関連書籍
- 三浦綾子・三浦綾子記念文学館 編著『「氷点」を旅する』(2004年6月、北海道新聞社、ISBN 4-89453-304-9)
映画
キャスト(1966年)
注釈
- ^ なお、1000万円懸賞小説でこれ以外の入賞作品は「2席・山家慕情(志田石高)」、「2席・享保長崎記(山脇悌二郎)」「2席・異郷の人(高木俊朗)」などであった。
- ^ 映画『赤ひげ』を観た新珠三千代のたっての願いで陽子役は内藤洋子に決まる。
- ^ ただし、NETのみ再放送、北海道テレビは本放送当時に北海道放送で、福島中央テレビは本放送当時に福島テレビで、中京テレビは本放送当時に名古屋放送(現在のメーテレ)でそれぞれ放送済みのため実質的な再放送扱い。それ以外のネット局では本放送扱い。
- ^ 番組の終盤で当時、北海道地区のルーテル教会の牧師であった門木文雄と原作者である三浦綾子の対談も毎回放送された。
出典
- ^ 三浦綾子「氷点あれこれ」『氷点を旅する』p. 36. 初出は警視庁『自警』1967年4月号
- ^ a b 三浦光世「小説氷点に思う」『氷点を旅する』p. 60. 2004年3月
- ^ 三浦綾子『草のうた』角川書店、1986年 ISBN 978-4048724524
- ^ 高野斗志美「愛に満ちた生涯」『氷点を旅する』p. 88. 1998年3月
- ^ 「小説氷点を終わって」『氷点を旅する』p. 164. 初出は「朝日新聞」1965年11月15日
- ^ 旭川・忠別川に建設中の橋 「氷点橋」「クリスタル橋」に - 47News・2010年10月1日
- ^ 引田惣弥『全記録 テレビ視聴率50年戦争―そのとき一億人が感動した』講談社、2004年、95頁、223頁。ISBN 4062122227
- ^ 『福島民報』1966年3月19日 - 6月11日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1966年5月7日 - 7月30日、7月19日 - 10月11日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1966年4月2日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、376頁。NDLJP:12276014/458。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、382頁。NDLJP:12276014/464。
- ^ 全国朝日放送株式会社総務局社史編纂部 編『テレビ朝日社史 : ファミリー視聴の25年』全国朝日放送、1984年2月1日、378頁。NDLJP:12276014/460。
- ^ 『福島民報』1970年10月3日付朝刊テレビ欄。
- ^ コンコーディア社「月刊福音手帖」1970年10月号巻末「日本ルーテル教団・教会だより」 6ページ。
- ^ 金城哲夫研究会公式ブログ(2010年7月23日)
- ^ オリコン|木村祐一|ドラマ出演情報
- ^ オリコン|大島蓉子|ドラマ出演情報
- ^ "빙점" KMDb. 2022年9月13日閲覧。
- ^ "빙점 81" KMDb. 2022年9月13日閲覧。
- ^ "빙점 81" Daum. 2022年9月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h "등장인물" MBC. 2022年9月13日閲覧。
- ^ a b c d "만드는 사람들" MBC. 2022年9月13日閲覧。
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