歌舞伎町ビル火災
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2023/12/30 15:02 UTC 版)
消防法改正
この火災を契機にして、2002年10月25日に消防法が大幅に改正された。この法改正により、ビルのオーナーなどの管理権原者は、より重大な法的責任を負うこととなり、防火管理意識を高めるきっかけになった[6]。
- 火災の早期発見・報知対策の強化
- 自動火災報知設備の設置義務対象が従来より小規模なビルにまで拡大され、機器の設置基準も強化された。
- 違反是正の徹底
- 消防署による立入検査の時間制限撤廃や、措置命令発動時の公表、建物の使用停止命令、刑事告発などの積極発動により違反是正を徹底することとした。
- 罰則の強化
- 違反者の罰則は、従来の「懲役1年以下・罰金50万円以下」から「懲役3年以下・罰金300万円以下」に引き上げられた。
- また、法人の罰則も、従来の「罰金50万円以下」から200倍にあたる「罰金1億円以下」に引き上げられた。
- 防火管理の徹底
- 防火対象物定期点検報告制度が創設され、年1回は有資格者（防火対象物点検資格者）による入念な点検と報告が義務づけられた。
- なお、優良に防火管理を行っていると認められる防火対象物には、定期点検報告義務を免除する特例認定を受けることができるとされている[16]。特例認定を受けた場合には「防火優良認定証」を掲示できる。
参考文献
- “図録：戦後の主な大規模火災”. Honkawa Date Tribune 社会実情データ図録. 本川裕 (2008年10月2日作成、随時更新中). 2022年7月30日閲覧。
脚注
注釈
- ^ 戦後の火災を、死者数の多いほうから順に列記すると、以下のとおり[7]。全て建物火災である。なお、戦前の建物火災には布袋座火災（死者203名｜1943年〈昭和18年〉に発生）がある。
- 1. 千日デパート火災（死者118名｜1972年〈昭和47年〉に発生）
- 2. 大洋デパート火災（死者104名｜1973年〈昭和48年〉に発生）
- 3. 聖母の園養老院火災（死者99名｜1955年〈昭和30年〉に発生）
- 4. 川治プリンスホテル火災（死者45名｜1980年〈昭和55年〉に発生）
- 5. 歌舞伎町ビル火災（死者44名｜2001年〈平成13年〉に発生）
- 6. 京都アニメーション放火殺人事件（死者36名｜2019年〈令和元年〉に発生）
- 7. ホテルニュージャパン火災（死者33名｜1982年〈昭和57年〉に発生）
- 8. 磐光ホテル火災（死者31名｜1969年〈昭和44年〉に発生）
- 9. 北新地ビル放火殺人事件（死者26名〈犯行被疑者を含むと27名〉｜2021年〈令和3年〉に発生）
- 10. ホテル大東館火災（死者24名｜1986年〈昭和61年〉に発生）
- ^ 現住建造物等放火罪の時効は2005年に15年から25年に延長されたが、遡及適用はされなかった。
- ^ 一部でキャバクラと報道されているが、セクシーパブは一般的なキャバクラとは業態が異なる。セクキャバともいう。なお、朝日新聞等では飲食店と表現していた。
- ^ 酒瓶やおしぼり、さらにはモップなどで階段が塞がれていた上、この付近には風俗案内所のスポンサーのナイタイの横断幕で覆われていたため、防火扉は作動する状態ではなかった。
- ^ この従業員は「お客さんが中にいる」と言って、ふらつきながら店内に戻ろうとしたところを通行人に止められている。
出典
- ^ a b c “ビル火災の犠牲者しのぶ 発生から5年、歌舞伎町”. 共同通信. (2006年8月31日). オリジナルの2013年5月18日時点におけるアーカイブ。 2010年5月20日閲覧。
- ^ “歌舞伎町ビル火災：娘の死、無駄にしないで…1日で10年”. 毎日新聞. (2011年8月31日) 2011年9月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “歌舞伎町ビル火災で5人有罪 防火管理の怠慢認める”. 共同通信. (2008年7月2日). オリジナルの2011年8月11日時点におけるアーカイブ。 2010年5月20日閲覧。
- ^ a b “新宿のビル火災で控訴せず 東京地検”. 共同通信. (2008年7月16日). オリジナルの2013年3月18日時点におけるアーカイブ。 2010年5月20日閲覧。
- ^ a b “「和解、終わりでない」 歌舞伎町ビル火災で遺族”. 共同通信. (2006年4月24日). オリジナルの2010年9月2日時点におけるアーカイブ。 2010年5月20日閲覧。
- ^ a b “小規模雑居ビル等の防火安全対策”. 総務省消防庁. 2005年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月20日閲覧。
- ^ “図録：戦後の主な大規模火災”. Honkawa Date Tribune 社会実情データ図録. 本川裕 (2008年10月2日作成、2021年12月30日最新更新). 2022年7月30日閲覧。
- ^ 松本惇「事件がわかる 歌舞伎町ビル火災」『毎日新聞』毎日新聞社、2022年4月21日作成、同年7月29日最新更新。2022年7月30日閲覧。
- ^ 警視庁刑事部捜査第一課公式Twitter 2022年（令和5年）9月1日付
- ^ ハイビジョンスペシャル - NHKクロニクル
- ^ ニュース - NHKクロニクル
- ^ ニュース - NHKクロニクル
- ^ ＮＨＫニュース おはよう日本 ニュース・スポーツ・気象情報・気象歳時記・ＮＹ円株 - NHKクロニクル
- ^ “牛海綿状脳症(BSE)を疑う牛の確認について” (PDF). 農林水産省 (2001年9月10日). 2018年7月27日閲覧。
- ^ a b “歌舞伎町火災 ビル階段に250キロの荷物やゴミ 導火線の役割か”. 毎日新聞. (2021年8月30日) 2021年8月30日閲覧。
- ^ “防災管理点検報告制度(概要)”. 東京消防庁. 2020年6月24日閲覧。
関連文献
- 関澤愛 (2021年12月). “新宿区歌舞伎町ビル火災 ＜ 連載「過去の災害を振り返る」第14回” (PDF). 一般財団法人 日本防火・防災協会. 2022年7月30日閲覧。
- 「新宿・歌舞伎町ビル火災 警察と暴力団が追う「ある人物」--出火前、麻雀店で中国人がトラブルを起こしていた／目撃された中国系?「血だらけ男」の正体」『週刊朝日』第106巻第42号（通巻 第4462号）、朝日新聞社、2001年9月21日、152-154頁。国立国会図書館書誌ID:b00001356959。
- 日本建築学会防火委員会 (2001年). “新宿区歌舞伎町雑居ビル火災について” (PDF). 一般社団法人日本建築学会 (AIJ). 2022年7月30日閲覧。
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