最大値最小値定理 半連続函数への定理の拡張

最大値最小値定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/09 22:18 UTC 版)

半連続函数への定理の拡張

函数の連続性を半連続性に弱めると、それに対応して有界性定理および最大値最小値定理は(函数は補完数直線に値をとるものとして、つまり函数値として –∞ あるいは +∞ となることを許して)半分だけ成立する。明確に書けば、

(上方有界性および最大値)定理
函数 f: [a,b] → [–∞, ∞) が上半連続、即ち任意の x ∈ [a, b] について lim supyx f(y) ≤ f(x) を満たすならば、f は上に有界で、かつその上限に到達する。
(下方有界性および最小値)定理
函数 f: [a, b] → (–∞,∞] が下半連続、即ち任意の x ∈ [a, b] について lim infyx f(y) ≥ f(x) を満たすならば、f は下に有界で、かつその下限に到達する。

後者は f に前者を適用すればよいから、前者を示せば十分である。任意の x ∈ [a, b] に対して f(x) = –∞ ならば、上限も –∞ で定理は成り立つ。それ以外の場合には、上記の証明を少し修正することで証明が得られる。有界性定理の証明において、fx における上半連続性からは、部分数列 {f(xnk)} 上極限f(x) (< ∞) で上から抑えられることしか言えないが、矛盾を得るにはそれで十分である。最大値定理の証明においては、fd における上半連続性からは部分数列 {f(dnk)} の上極限が有界であること f(d) によって上から抑えられることがわかるが、それで上限 M に対して f(d) = M が成り立つことを言うのには十分である。

実数値函数が上半連続かつ下半連続であることと、それが通常の意味で連続であることとは同値であるから、上記二つの定理から、有界性定理と最大値最小値定理が導かれる。




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