室生赤目青山国定公園 三峰山地

室生赤目青山国定公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/18 08:12 UTC 版)

三峰山地

位置

室生火山群に属する大洞山より南に連なる三重、奈良の県境の山地で、標高1,235.6mの三峰山を主峰とし、南東に台高山脈に連なっている。三峰山西南に八丁平といわれる平坦なススキの高原地帯があり、一面にシロヤシオの群生が見られる。眼下に室生火山群、西には山容が最もすばらしいといわれる高見山(1,249.2m)、南は台高山脈を通し、吉野熊野国立公園大台山系の日出ヶ岳を見ることができる。また東方には伊勢湾を一望し、晴れた日には遠く富士山を望見できる。

地形地質

この地域は青山高原、室生火山群の地質とは異なり、伊勢、大和を一直線に結ぶ中央構造線といわれているもので、主として花崗岩類よりなる。三峰山はじめ、白髪山(920m)等1,000m級の山々がつらなり、これが三重、奈良両県の境界となっている。南側は数百mに及ぶ断崖をなしているが、これに反して西側は緩かで室生火山群の山麓につながっている。高見山の南側の鞍部が高見峠で、これは櫛田川(三重県)、吉野川(奈良県)の分水嶺で、地形、行政の境界ともなっている。飯高町月出の月出の中央構造線は、日本国の天然記念物に指定された大規模な中央構造線の露頭である[4][5][6]

植物

室生火山群と緯度的に変らないため、暖地性植物の北限、寒地性植物の南限の分布状態である。高所には寒地性植物、中腹以下には暖地性植物が見られる。特に三峰山附近の湿原に群生する、シロヤシオ(ゴヨウツツジ)は、その開花期には、雄大な眺望にあざやかな色を添える。この湿原をとりまく一帯をと、高見山に至る稜線附近にはブナの原生林が残されている。

文化

この地域は、旧伊勢街道(現在国道166号)沿にあるため、紀州侯の参勤交替や伊勢神宮参拝の主幹道路であり、山上にある神社にお参りする行者等で、その往来も多く、高見山峠附近の波瀬には昔を偲ぶ跡地が多い。また、高見山頂にある高角神社や、中腹にある口窄天開山泰運寺(三重県指定有形文化財の梵鐘を有する)は、それぞれ文化的にも貴重な史跡である。

景観

三峰山地一帯は地形上、室生火山群と台高山脈にはさまれた地帯で、あまり有名ではないが、この地方としては珍らしいブナの原生林とその他湿原に咲くシロヤシオの群落など、植生上見るべきものが多い。また文化景観上は、泰運寺、和歌山街道(三重県では伊勢街道と呼んでいる)沿いの陣屋跡など史蹟も多い[要出典]


  1. ^ a b c 国定公園一覧 - 一般財団法人自然公園財団
  2. ^ 国定公園の概要” (PDF). 環境省. pp. 4 (2012年4月1日). 2013年5月19日閲覧。
  3. ^ 国指定文化財等データベース「屏風岩、兜岩および鎧岩」”. 文化庁 (1934年12月28日). 2013年5月19日閲覧。
  4. ^ 諏訪兼位・宮川邦彦・水谷総助・林田守生・大岩義治(1997)"紀伊半島中部,中央構造線の大露頭:月出露頭(三重県飯南郡飯高町月出ワサビ谷)"地質学雑誌(日本地質学会).103(11):XXXV-XXXVI.
  5. ^ 田中喜久雄. “伊勢湾台風で一部露出―月出の中央構造線露頭地”. 歴史の情報蔵. 三重県環境生活部文化振興課県史編さん班. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。
  6. ^ 月出の中央構造線”. みんなで、守ろう!活かそう!三重の文化財 / 情報データベース. 三重県教育委員会事務局社会教育・文化財保護課. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。






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