天蚕糸 中国の養蚕状況

天蚕糸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/30 16:40 UTC 版)

中国の養蚕状況

中国では柞蚕(さくさん)と樟蚕およびひま蚕の3種を利用している。

柞蚕(学名:Antheraea pernyi)はコナラクヌギカシワナラなどの葉を食して生育する。生育は春・夏の2季である。糸質は家蚕より幾分粗いが耐久力があり、衣料・カーテンパラシュートなどに利用される。三大産地は遼東半島・山東丘陵・河南省の伏牛山地である。

樟蚕(和名:テグスサン、学名:Eriogyna pyretoum[2])は江西省広東省広西省および台湾に産する。クスカエデで飼養され、樟蚕糸は強くて耐久性があるため釣り糸用として利用される。この釣り糸は魚には見えにくく、一般には上物といわれている。

ひま蚕(学名:Samia cynthia ricini )の主要生産地は山東省河北省河南省安徽省広東省広西省であり、ヒマタピオカの葉を利用しての生産が進んでいる。

テグスと天蚕糸

テグスは漢字で「天蚕糸」と書き、もともとはテグスサン(学名:Eriogyna pyretorum/Saturnia pyretoum)の幼虫の絹糸腺から取られる糸のことであった。のちに釣り糸、さらにはナイロンなどの合成繊維でできた糸のことを一般にテグスというようになった[3]

参考文献

  • 黄就順『現代中国地理 -その自然と人間-』帝国書院、1981年。
  • 衛傑文・楊関坭・他編『現代中国地誌』古今書院、1988年。 ISBN 4-7722-1104-7
  • 日本工芸会近畿支部・編『工芸の博物誌 -手わざを支える人ともの-』淡交社、2001年。

外部リンク


  1. ^ “皇后さま「山つけ」ご作業”. 産経新聞朝刊. (2017年5月9日). https://www.sankei.com/article/20170508-IPKCUWATEBKU7KKXC2YU6UYMPY/ 
  2. ^ 养蚕与丝绸业的发展”. 中国科普博览. 2020年11月13日閲覧。
  3. ^ 大原賢二. “テグスになった蛾”. 徳島県立博物館. 2020年11月13日閲覧。


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