天竺五精舎 天竺五精舎の概要

天竺五精舎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 16:43 UTC 版)

一般的には、三蔵法数24に示される5つの精舎を指して呼称する。

竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)
仏教で最初に建立された精舎といわれる。中インド、マガダ国の首都、王舎城(ラージャガハ)にあった。カランダ(迦蘭陀)長者の所有する林園で最初はジャイナ教に貸与していたが、カランダ長者が釈迦仏に帰依してからは仏教徒の僧園となった。ビンビサーラ(頻婆娑羅)王の寄進で伽藍が完成した。
祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)(祇樹給孤独園精舎(ぎじゅぎつこどくおんしょうじゃ)の略称)
身寄りのない者に施しをしていたスダッタ(須達多)長者が、ジェータ(祇陀)太子が所有する森を譲り受けて、コーサラ国舎衛城近郊に建立した精舎。現在のサヘート遺跡とされる。
菴羅樹園精舎(あんらじゅおんしょうじゃ)
中インド、ヴェーサリー(毘舎離)のアンバパーリー(漢訳:菴摩羅女=あんまらにょ、マンゴーのこと)が所有していた、マンゴー樹園を寄進して建てられた精舎。
大林精舎(重閣講堂、彌猴池精舎とも)
ヴェーサリー(毘舎離)の獼(彌)猴池(みこうち、彌猴とは大きな猿で、その池にたくさんいた)の附近の大森林中にあった講堂、また説法の時に使用していた精舎。
霊鷲精舎(りょうじゅしょうじゃ)
マガダ国の王舎城(ラージャガハ)の霊鷲山(グリドラクータ)にあった精舎。

『大智度論』3では、以下の場所を挙げる。

  1. 鞞婆羅跋恕 (Vaibhāra-vana)
  2. 薩多般那求呵(Saptaparṇaguhā、南山石室)
  3. 因陀羅勢羅求呵 (Indraśailaguhā、帝釈窟)
  4. 薩簸恕魂直迦鉢婆羅 (Sarpiṣkuṇḍikā-prāgbhāra)
  5. 耆闍崛 (Gṛdhrakūta)

なお、五精舎あるいは五山の名称には差異があり、以下の5つをいう場合もある。

  1. 竹林精舎
  2. 祇園精舎
  3. 大林精舎
  4. 誓多林精舎(せいたりん)
  5. 那蘭陀寺(ナーランダ僧院) - マガダ国にあった寺院。なお、これは釈迦の死後に建てられた寺院である。

上記の5つを五精舎と呼ぶ場合も多い。ただし「誓多林」は「逝多林」とも書き、Jeta(ジェータ)太子が所有していた林園に建てられた祇園精舎のことをいい、これでは4つになってしまうので五精舎にはならない。

この他には、

  1. 鹿苑(鹿野苑
  2. 祇園
  3. 大林
  4. 竹林
  5. 那蘭陀

を挙げる場合もある。(鹿苑ではなく鹿子母講堂を充てる場合もある。)




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