場の空気 「場の空気」を読む能力の習得

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場の空気

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 10:10 UTC 版)

場の空気(ばのくうき)とは、日本における、その場の様子や社会的雰囲気を表す言葉[1]。とくにコミュニケーションの場において、対人関係や社会集団の状況における情緒的関係や力関係、利害関係など言語では明示的に表現されていない(もしくは表現が忌避されている)関係性の諸要素のことなどを示す日本語の慣用句である。近年の日本社会においては、いわゆる「KY語」と称する俗語流行語となって以来、様々な意味を込めて用いられるようになっている。


注釈

  1. ^ (福田健 2006)での「場の空気」の定義におおむね沿ったもの
  2. ^ 対象に含まれる精神(アリア)、あるいは卑近にその場面を支配する雰囲気を表現する主旨でのairの用法は英語にもあり、例えば1800年代の書籍には "Blackstone, a celebrated commentator on the laws of England, he it was, who first gave to the law the air of science." あるいは "(the) vulgar air and attitude・・"といった用例が見られる(RECOLLECTIONS OF CURRAN AND SOME OF HIS COTEMPORARIES. (CHARLES PHILLIPS, 1818))。
  3. ^ (内藤誼人 2004, p. 26-27, p.31-32)によると、カナダでの調査およびアメリカでの調査でも「場の空気」を読めない人に対する、集団からの評価は次第に低くなる、との結果が出ている。

出典

  1. ^ 林四郎ほか「例解新国語辞典第六版」2002年1月 「空気(くうき)」の項の2
  2. ^ 「田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる、さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、手間は此空気のうちに是等の人間を放す丈である、あとは人間が勝手に泳いで、自ら波乱が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も作者も此空気にかぶれて此等の人間を知る様になる事と信ずる、もしかぶれ甲斐のしない空気で、知り栄のしない人間であつたら御互に不運と諦めるより仕方がない、たゞ尋常である、摩訶不思議は書けない。」岩波版漱石全集1993.12
  3. ^ 山本七平 1977, p. 12-20, p.47-54.
  4. ^ 山本七平 1977.
  5. ^ 内藤誼人 2004, p. 36.
  6. ^ KYは否定形(読めない)だけではなく、「空気(を)読め」など、空気を読むことをお願いする言い方の略ともされる場合がある。
  7. ^ ユーキャン新語・流行語大賞公式サイト 2007年度候補語解説
  8. ^ 内藤誼人 2004, p. 40.
  9. ^ 内藤誼人 2004, p. 41.
  10. ^ 阿部孝太郎「日本的集団浅慮の研究・要約版」『商學討究』第57巻第2/3号、小樽商科大学、2006年12月、73-84頁、ISSN 04748638NAID 110004856535 
  11. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 23.
  12. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 30-32.
  13. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 61-66.
  14. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 120-150.
  15. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 157-162.
  16. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 180.
  17. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 180-183.
  18. ^ 冷泉彰彦「関係の空気」「場の空気」, p. 180-210.
  19. ^ 北田暁大 『嗤う日本の「ナショナリズム」』 日本放送出版協会、2005年、203頁など。ISBN 978-4140910245
  20. ^ 北田暁大「ディスクルス(倫理)の構造転換」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』 河出書房新社、2010年、159頁。ISBN 978-4309244426
  21. ^ a b 濱野智史「まえがき」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』4頁など。
  22. ^ 荻上チキ 『ネットいじめ――ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」』 PHP研究所、2008年、236頁。ISBN 978-4569701141
  23. ^ 「ポストised、変化したことは何か1」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』461頁。
  24. ^ 濱野智史 『アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか』 エヌ・ティ・ティ出版、2008年、135-136頁。ISBN 978-4757102453
  25. ^ 「流動化する社会の中で」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』447頁。
  26. ^ 山本七平.「空気」の研究, p. 16, 22.
  27. ^ 白田秀彰の「インターネットの法と慣習」 意思主義とネット人格・キャラ選択時代:Hotwired [1]





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