囲碁 競技としての囲碁

囲碁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/14 05:07 UTC 版)

競技としての囲碁

段級位制度

囲碁の力量を数値で表すための段級位制度が存在している。アマチュアとプロで認定の仕組みが異なっており、アマチュアでは日本棋院関西棋院が認定をしている。

アマチュアは、初心者は30 - 50級から始まり、最高位は八段である.。段級位の認定を受ければ、免状を発行してもらうことができる。

プロは初段から始まり、最高位は九段である。プロ棋士同士の対局の成績によって昇段が行われる。

囲碁の大会

日本では室町時代末期から棋士による大会が行われていた。20世紀に入り日本棋院が設立されると、新聞社の協賛により多くの大会が開催されるようになった。また、戦後からは韓国・中国を中心として世界規模の大会も開催されるようになった。

プロ組織

日本中国韓国台湾に囲碁のプロ組織がある[21]

日本では1612年に江戸幕府の下御城碁が始まり、家元四家制が成立し、棋士の収入と身分が保証されたが、明治維新の際にその制度は崩壊した[22][23]。以後、各派が分かれて活動したが、1924年に各派がまとまって日本棋院を設立した[23]。日本棋院は各種棋戦実施・免状発行のほか、書籍・用品の販売などを行って収入を得て、プロに賞金を与えるとともに、職員を雇用する[22]。韓国では1945年に韓国棋院の前身となる漢城棋院が、中国では1962年に中国囲棋協会が設立され、のちにそれぞれプロ制度が確立した[22]。財政的には各種棋戦のスポンサーとして新聞社が大きな役割を占める[22]

現在の日本のトップ棋士

現在の七大タイトル保持者
棋聖 一力遼(26) 2連覇 王座 井山裕太(34) 3連覇
名人 芝野虎丸(24) 2連覇 天元 一力遼(26) -
本因坊 一力遼(26) - 碁聖 井山裕太(34) 3連覇
2023年王座戦挑戦手合終了時 十段 芝野虎丸(24) -

注釈

  1. ^ 日本の公式戦で使用される囲碁のルールである「日本囲碁規約」の規定上は対局者が合意しないと、無限に続く可能性もあるため、有限なゲームとは分類されないが、事実上有限なゲームで、広くプレイされているゲームであるため、適切な停止条件を考慮した上で、二人零和有限確定完全情報ゲームとして研究されている。
  2. ^ 実際に「信長から名人の称号を受けた」かには異論もある。詳細は本因坊算砂を参照。
  3. ^ あくまでも、権利であるため、パスをして相手に手番を渡すことが認められる[7]
  4. ^ 「直前」のみならず、対局中のすべての同一局面の再現の禁止はスーパーコウルールと呼ばれる。日本ルールでは採用されていない。
  5. ^ 双方の石ともに打たれていない点のこと
  6. ^ ただし、数学的な解のある合法な局面数とは異なり、ゲーム木の総数には明確な定義がない。ゲーム木のサイズは合法手の数と多くの棋譜の平均手数から求められているが、平均手数が数手変わるだけで算出結果が何桁も変わるため、数学的にはあまり根拠がないという指摘がある[35]
  7. ^ ただし、これらの知見はその前からプロ棋士による研究などで既に得られており、コンピュータによって初めて明らかになったものではない。

出典

  1. ^ a b 第359回 将棋は「指す」で、碁は「打つ」ではなかったのか? - 日本語、どうでしょう? - ジャパンナレッジ
  2. ^ 日本囲碁連盟 | 囲碁用語「十七路盤」”. www.ntkr.co.jp. 2023年4月13日閲覧。
  3. ^ a b c 囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年7月31日閲覧。
  4. ^ 囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年7月31日閲覧。
  5. ^ 囲碁,棋聖戦,上達の指南”. 読売新聞 囲碁コラム. 2021年7月31日閲覧。
  6. ^ ふりがな付きの使用例:日本棋院発行の月刊碁ワールド2012年10月号38ページ、週刊碁2012年11月19日号18面1段最終行。
  7. ^ a b Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第1条・第2条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  8. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第13条・第14条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  9. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第4条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  10. ^ a b Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第5条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  11. ^ 囲碁の基本:囲碁の打ち方 アタリ|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月4日閲覧。
  12. ^ 囲碁の基本:囲碁の打ち方 石を打てない所|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月4日閲覧。
  13. ^ 着手禁止|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月1日閲覧。
  14. ^ a b 囲碁の基本:囲碁の打ち方 コウ|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月4日閲覧。
  15. ^ a b c 囲碁の基本:対局のルール・流れ|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月1日閲覧。
  16. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第8条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月4日閲覧。
  17. ^ a b Ⅳ 日本囲碁規約改定の概要(6)「ダメ詰め」、「手入れ」の交互着手原則(根拠の明確化)|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  18. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第9条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  19. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第11条・12条|囲碁の日本棋院”. 囲碁の日本棋院. 2021年8月2日閲覧。
  20. ^ Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説 第十三条(両負け)”. 囲碁の日本棋院. 2023年12月11日閲覧。
  21. ^ 日本棋院棋士採用規程平成30年12月4日改定
  22. ^ a b c d 岩橋 培樹 東アジアに展開される碁ビジネス -現代的な創造産業としての現状と可能性-(2009年)
  23. ^ a b 松本忠義 囲碁史における定説・通論研究の基礎、方法論
  24. ^ The Sadness and Beauty of Watching Google’s AI Play Go”. WIRED (2016年3月11日). 2016年3月12日閲覧。
  25. ^ https://www.intergofed.org/wp-content/uploads/2016/06/2016_Go_population_report.pdf
  26. ^ 中国囲碁がなぜ「世界の言語」となったのか”. www.afpbb.com (2023年5月22日). 2023年10月15日閲覧。
  27. ^ a b c d e f g h i j k 日本の囲碁人口
  28. ^ asahi.com(朝日新聞社):囲碁人口610万人、将棋1200万人 レジャー白書 - 将棋
  29. ^ 将棋人口は530万人、囲碁人口は180万人と減少――コロナ禍が大きく影響(古作登) - 個人 - Yahoo!ニュース
  30. ^ 「レジャー白書2021」麻雀人口400万人で前年比110万人減 – 麻雀ウォッチ
  31. ^ a b c John Tromp; Gunnar Farnebäck (2007). Combinatorics of Go. Lecture Notes in Computer Science. 4630. Springer. doi:10.1007/978-3-540-75538-8_8. https://tromp.github.io/go/gostate.pdf. 
  32. ^ 将棋における実現可能局面数について”. www.nara-wu.ac.jp. 篠田正人、奈良女子大学理学部. 2018年12月22日閲覧。
  33. ^ a b c d e f g h i 美添一樹「モンテカルロ木探索-コンピュータ囲碁に革命を起こした新手法」『情報処理』第49巻第6号、2008年6月15日、686–693頁。 
  34. ^ a b Yen, Chen, Yang, Hsu (2004) "Computer Chinese Chess" Archived 2015年7月9日, at the Wayback Machine.
  35. ^ 田中哲朗「ゲームの解決」『数学』第65巻第1号、日本数学会、2013年、93-102頁、CRID 1390001205066482304doi:10.11429/sugaku.0651093ISSN 0039470X 
  36. ^ a b 伊藤毅志 (2012), “コンピュータ囲碁研究の歩み”, 人工知能学会誌 27: 497–500, doi:10.11517/jjsai.27.5_497 
  37. ^ a b Erik van der Werf. “5x5 Go is solved”. 2022年3月27日閲覧。(初手が天元・辺・隅である場合の最善手順のGIFアニメーションあり)
  38. ^ コンピューターにプロ全勝 九路盤、巧みにミス誘う”. 朝日新聞. 2018年12月22日閲覧。
  39. ^ 「第1回囲碁電王戦」プロ棋士の張豊猷八段と平田智也三段がコンピュータに全勝”. マイナビニュース (2014年2月11日). 2018年12月22日閲覧。
  40. ^ a b c なぜ「囲碁」だったのか。なぜ「10年かかる」と言われていたのか──AlphaGo前日譚|WIRED.jp”. WIRED.jp. 2018年12月22日閲覧。
  41. ^ 囲碁AIブームに乗って、若手棋士の間で「AWS」が大流行 その理由とは?”. ITmedia エンタープライズ. 2023年6月3日閲覧。
  42. ^ 日本棋院「別冊囲碁クラブNo.37囲碁雑学ものしり百科304ページ「岡目」の項 昭和56年12月」
  43. ^ おかめはちもく”. goo辞書(デジタル大辞泉). 2020年9月24日閲覧。 ただし「八目」が「八手先」を指すと解釈するのは無理がある。





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