句読点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/24 03:04 UTC 版)
句読点は、その置き方により構文上の重大な変化を起こしうる。例えば英語では、eats, shoots and leaves(食って撃って逃げる)とeats shoots and leaves(芽と葉を食べる)の場合、カンマを入れることによって意味が変化する。
文字種が多く、単語の前後に送り仮名や助詞の仮名文字が入り、その視覚効果が意味を区切る日本語において、カンマに相当する読点は、意味の区切りとしてよりも、その名が示す通り、単に可読性を高めるために用いられる。また、古くより読点を付すことは、「読点がないと文が読めない」として読み手の読解力を軽んじる失礼な行為とみなすこともあり、現在でも一般に和歌や短歌において句読点は用いない。しかし、現代日本語については、近代的な活字の導入と共に分かち書きの習慣を失ったため、なかんずく熟語の連続においてしばしば誤読を招き(アフガン航空相撲を参照)、よほど余白に余裕がない場合を除いて読点を付す。
一般にどの言語においても、文の構造を示したり、あるいは可読性を高めたりするために重要な要素となっている。したがって、国や地域、学会および各言語の統制機関、場合によっては教会などが正書法を定め、用法を厳格に定義することもある。
同じ言語でも正書法が異なれば当然、正しい使い方は異なる。例えば英語では、英国式では引用符で句を括った場合に、その引用に属さない句読点は引用符の外に出すが、米国式では中に入れる[1]。
さらに、普通、正書法を私的な文章に厳格に適用することはないため、どの言語においても私的な文章の句読点は軽視される。
- ^ The Chicago Manual of Style (15th ed.). University of Chicago. (2003) (§6.8-6.10)
- ^ “标点符号用法” (pdf). 中華人民共和国教育部. 2015年5月15日閲覧。 (中国語)
- ^ “《重訂標點符號手冊》修訂版 ”. 教育部. 2015年5月15日閲覧。 (中国語)
- ^ 文部省の仮名遣改定案について 芥川龍之介
- ^ 『句読法案・分別書キ方案』文部大臣官房図書課、1906年 。(国立国会図書館)
- ^ 日本産業標準調査会『JIS Z 8301(規格票の様式及び作成方法)』2019年、附属書H(規定)文章の書き方並びに用字,用語,記述符号及び数字(H.4.2.1 一般)頁 。2021年11月23日閲覧。"区切り符号には,句点“。”,読点としてのコンマ“,”,中点“・”及びコロン“:”を用いる。"。
- ^ a b “公文書の「,」なぜ? 半世紀以上、見直し検討”. 産経ニュース 2021年3月28日閲覧。
- ^ “公文書の読点「,」から「、」に 半世紀以上前の通知変更へ”. 共同通信 2021年3月28日閲覧。
- ^ “「公用文作成の考え方」の周知について”. 文化庁 2023年2月18日閲覧。
- ^ “公用文作成の考え方(建議)”. 文化審議会 2023年2月18日閲覧。
- ^ “온점? 이젠 ‘마침표’로 불러요!”. 銅雀図書館. 2015年5月15日閲覧。 (朝鮮語)
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