ヴァルキリープロファイル ヴァルキリープロファイルの概要

ヴァルキリープロファイル

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ヴァルキリープロファイル
Valkyrie Profile
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 PlayStation
Lenneth
PlayStation Portable
iOS
Android
PlayStation 5
PlayStation 4
開発元 トライエース
トーセ(PSP)
FINE Co, Ltd. (iOS/Android)
発売元 エニックス
スクウェア・エニックスLenneth
プロデューサー 山岸功典
ディレクター 五反田義治
シナリオ 則本真樹
音楽 桜庭統
美術 吉成鋼
吉成曜
シリーズ ヴァルキリープロファイルシリーズ
人数 1人
メディア PS版:CD-ROM2枚組
PSP版:UMD1枚
PS5/PS4版ダウンロード販売
発売日 PS版:1999年12月22日
PSP版:2006年3月2日
iOS/Android版:2018年3月22日
PS5/PS4版:2022年12月22日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)[注釈 1]
売上本数 65万本(PS版)[1]
24万本(PSP版)
7万本(海外版)
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概要

ヴァルキリープロファイルシリーズの第1作。北欧神話をモチーフに、命を落とした英雄たちの魂を運ぶとされる半神半人の女神ヴァルキリーを主人公にしたコンピュータRPGで、英雄たちの魂を集めていく過程や、神々の戦いの背後で密かに進行する企みといった物語を描く。大勢の英雄の魂を集めて彼らを成長させつつ、その中からパーティを編成して冒険に赴き、タイミングよくボタンを押してコンボ(連続攻撃)を繋げて戦ったり、ジャンプや足場の配置といったアクションを駆使してダンジョンを踏破するなどして、物語を進めていく。

劇中に登場する神々の設定は北欧神話をモチーフとしているが、フレイが男神でなく女神で、スルトがヴァン神族の王として設定されるなど様々なアレンジが加えられている。

沿革

  • 発売日は1999年11月25日を予定していたが、後に12月9日へ変更となり、最終的には12月22日に変更された。
  • 1999年12月22日に通常版と特製懐中時計、ビジュアルブック、カレンダー付きの限定版「LIMITED BOX」を発売。
  • 2005年2月3日にはPS one Books廉価版)として発売。
  • 2006年3月2日にPSPで新規3Dムービーを追加した移植版を『ヴァルキリープロファイル -レナス-(VALKYRIE PROFILE LENNETH)』として発売[注釈 2]。スクウェア・エニックスのPSP参入第1弾タイトル。
  • 2006年7月20日にはアルティメットヒッツとして発売。
  • 2022年12月22日にPS5/PS4で『ヴァルキリープロファイル -レナス-』移植版を発売。新たに「巻き戻し」「クィックセーブ」「ビジュアルプリセット」といった新機能を追加。同日発売の『ヴァルキリーエリュシオン』の限定版にも付属する。

ストーリー

アース神族の王オーディンは未来を語るという「ユーミルの首」から「神々の黄昏(ラグナロク)」が近いことを聞かされる。この予言は敵対関係にあるヴァン神族との最終戦争を指していると判断したオーディンは、この戦いに備えて戦力となる英雄達の魂(「エインフェリア」と呼ばれている)を求め、人間界ミッドガルドへ赴くよう、ヴァルキリーの一人であるレナス・ヴァルキュリアに命を下す。その一方で、オーディンは人間界の安定を司る秘宝であるドラゴンオーブを己の手中にし、人間界に混乱と戦乱をもたらすことでヴァルキリーの任務がはかどるように差し向ける。

レナスはオーディンの命令に従い、死に瀕した英雄たちの元に現れては彼らの死に様を見届け、時には志半ばで命尽きかけている彼らに助太刀しつつ、その魂を集めていく。死後霊的な存在となった彼らを集め、鍛え、英雄として相応しい能力を身につけさせてから、神界に送り届けるのがその任務である。

一方、神界ではある企みが進行しており、またレナスも次第に自分自身の素性に疑念を抱くようになる。レナスは神の意思に背いてそれを追求するか、粛々と任務に殉じてヴァン神族との最終決戦に身を投じるかによって、異なる結末を迎えることになる。

Aエンディングルート

己の素性に疑問を抱きつつもエインフェリアを選定していく中で、レナスは二人の人間の男性から想いを寄せられる。一人はエインフェリアとして傍らで戦いつつも彼女に亡き幼馴染の面影を重ねていくルシオ、もう一人は自ら神を創造するという禁断の知識に手を染め、彼女と敵対しつつも偏執的な独占欲を抱く錬金術師レザード・ヴァレスである。やがてヴァルキリーによって神界へと送られたルシオは、そこでヴァルキリーが転生によって神族と人間の間を行き来する存在であることや、人間界で起こっている戦乱の発端がオーディンの側にあること、そしてレナスが人間側に与しないように人として生きていた時の記憶を封じられていることを聞かされる。ルシオは幼馴染のプラチナが人間に転生していたレナスであるという確信を得る。

一方、アース神族の一員であるロキは、密かにオーディンを倒して王となる野望を進めていた。ロキはルシオを手助けし、レナスに想いを告白する機会を与えるという口実で操り、オーディンが持つ秘宝ドラゴンオーブを奪取し、その容疑をルシオになすりつける。ルシオは記憶の戻らないレナスから愚行を咎められ、失意のまま本性を表したロキに斃されて消滅する。

ルシオの不可解な最期に疑問を抱いたレナスがプラチナの墓前へと赴くとそこで封印が解け、人間としての記憶を取り戻す。しかしそれを阻止しようとした神界の企てにより、彼女の身体は彼女の別人格であるアーリィに乗っ取られてしまう。封印の直前にレナスに召喚されたアリューゼとメルティーナは高圧的な態度で従属を強制するアーリィに反発し、利害が一致したレザードや、アーリィの宿敵である不死者王ブラムスと一時的に協力し、消滅したレナスの身体の替わりを調達し、アーリィを再封印してレナスを復活させる。全てを思い出したレナスはルシオの死に慟哭し、神界と決別する。

一方、ロキはヴァン神族の王スルトを騙し討ちにし、オーディンをも討ち取り、ヴァルハラもヨツンヘイムも破壊し尽くしてしまう。レナスはルシオの仇を討ち、全ての人間を守るために荒廃したアスガルドに舞い戻り、ロキと対決する。ドラゴンオーブを手にしたロキは強大な敵であり、その力の余波によって人類は一度滅亡するが、そのことは逆に「死を通じて他人の人生を共有できる」能力を持ったヴァルキリーに利する。レナスのためにレザードが提供した身体と、人間であり神でもあるというヴァルキリーの生い立ちは、かつてオーディンが持っていたものと同等の資質をレナスに与えていた。レナスは人間界全ての魂と繋がることによって得た力によって創造主となり、その力でロキを滅し、滅亡した世界を再生させ平和をもたらす。レナスはロキの境遇を憐れみ、その魂を自身に取り込む形で救い、復活を果たしたルシオと口づけを交わす場面で物語は幕を閉じる。

Bエンディングルート

レナスは神界からの命令に粛々と従い、次々と要望に沿ったエインフェリアを選定して神界へと送り込む。神界での戦いは戦場を転々としながら、神族とエインフェリアたちの奮戦によって進行し、やがてヴァン神族の本拠地であるヨツンヘイム宮殿において最終決戦を迎える。レナスは神界での戦いを生き延びたエインフェリアと合流し、ロキたち神々の激励を受けながら、ヴァン神族の王であるスルトの元へと攻め込む。レナスと対峙したスルトは、レナスの与するオーディンの側に大義などなく、レナスは踊らされているに過ぎないことを指摘するが、レナスは意に介さずスルトを討つ。

レナスの活躍は労らわれ、再びその力が必要とされる時代まで長い眠りにつく場面で幕切れとなる。

Cエンディングルート

レナスが神界からの命令に何度も背き警告を無視し続けた結果、「壊れた」と判断され、今までレナスにオーディンの命令を伝える役割を担ってきた女神であるフレイが粛正に現れる。レナスはフレイと戦うが、フレイの戦闘力は圧倒的であり、勝敗にかかわらずレナスは封印され、ヴァルキリーの別人格であるアーリィと交代させられてしまう形で物語はバッドエンドを迎える。


注釈

  1. ^ 1999年版にはレーティングの記載がないが、2006年に発売されたアルティメットヒッツ版にはコンピュータエンターテインメントレーティング機構(2002年設立)によるレーティングが記載されている。
  2. ^ 移植に関してトライエースは担当していない。
  3. ^ 例外として、ほとんどの弓攻撃は敵を吹き飛ばす性質を持っていない[4]
  4. ^ 本作の開発スタッフも攻略本『ヴァルキリープロファイル コンプリートガイド』のインタビュー記事で「ハードの方が簡単って言う人もいますから」「何も知らずにイージーをやるのが一番つらい」と述べている[6]
  5. ^ ブラムス城で水晶に封印されている姿のバストアップイラストでは浅葱のような色をしているが、設定資料集や続編の『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』では金髪に紫色の鎧となっている。
  6. ^ 詳細は「レーヴァテイン#スルトの剣との同一視」を参照。
  7. ^ 同時にジェラードがエインフェリアになっていると知り、彼女のわがままに付き合うのも悪くないと考えた事による。
  8. ^ PSP版以降はジェラードが怪物へと変貌する様子がムービーで描写される。
  9. ^ 奥義ボイスで「わが師、直伝の技」と語っていることから誰かに師事をして剣術を学んだ模様。
  10. ^ 直接的な描写はないがマグナスは恋人であるファーンにより討たれたことが示唆されている。
  11. ^ 作中では示唆されるのみで明言はされていないが、本作のシナリオを手がけた則本真樹は、攻略本に寄せた解説の中で「勘のいいプレイヤーなら気づいたと思うが、この子はルシオの妹」と明かしている[30]
  12. ^ ただし、ステータス画面の解説には「真偽は定かではない」という。
  13. ^ トライエースの別作品『スターオーシャン セカンドストーリー』の体術流派と同名。
  14. ^ 現実の鈴蘭は香りに毒は存在しない事を踏まえた上で、本作では「香りにも毒を持ち、死に至る事もあるらしい」と記載されている書籍もある。断定した書き方ではないため本作独自の世界観設定のものかは不明[41]
  15. ^ これはスタッフ間の意思疎通のミスや、当初はゲームの仕様が定まらなかったことから生じた、意図しない仕掛けであるとされる[6]
  16. ^ メニュー画面に出すには、BもしくはAルートの最後のセーブポイントでセーブしたデータがある状態で、Disk1を起動する必要がある。
  17. ^ キャラクターのパラメータやアイテムは、選んだセーブデータのものが使われる。

出典

  1. ^ 『週刊ファミ通 2005年12月30日号』エンターブレイン、2005年、104頁。 
  2. ^ コンプリートガイド, pp. 333–334.
  3. ^ コンプリートガイド, p. 23.
  4. ^ a b c コンプリートガイド, p. 36.
  5. ^ a b コンプリートガイド, pp. 12–13.
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m コンプリートガイド, pp. 330–335, §開発スタッフインタビュー.
  7. ^ a b c d PlayStation版解説書, p. 8.
  8. ^ ゲーム本編、難易度選択画面での解説による。
  9. ^ a b コンプリートガイド, p. 241.
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ゲーム本編、ステータス画面の解説による。
  11. ^ ゲーム本編冒頭における、オーディンの台詞による。
  12. ^ 『ヴァルキリープロファイル ワールドガイダンス』ソフトバンク パブリッシング、2001年4月6日、6頁。 
  13. ^ a b 本編チャプター6終了時の神界フェイズにおける、Aエンディングの条件を満たした際に発生するイベントでのフレイアの説明による。
  14. ^ a b コンプリートガイド, pp. 270–271.
  15. ^ a b 『ヴァルキリープロファイル設定資料集 ワールドガイダンス』、p7。
  16. ^ a b c d e f チャプター6以降で出現するダンジョン「亡失都市ディパン」を訪れた際に発生するイベントでの描写による。
  17. ^ a b c ゲーム本編、ブラムスのステータス画面の解説による。
  18. ^ a b c d e ゲーム本編、メルティーナを仲間に加えるイベントでの描写による。
  19. ^ ゲーム本編、フレイ専用武器「透器エーテル・フローズン」の解説文による。
  20. ^ a b ゲーム本編、Aエンディングの条件を満たしてラグナロクに突入した際のイベントによる。
  21. ^ a b c d e f PlayStation版解説書, pp. 4–5.
  22. ^ a b ゲーム本編、ロウファを仲間に加えるイベントでの描写による。
  23. ^ 本編チャプター8、Aエンディングの条件を満たしてレナスが記憶を取り戻した際に発生する一連のイベントにおける、アーリィの台詞による。
  24. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r ゲーム本編、人物特性のパラメータによる。
  25. ^ コンプリートガイド, p. 281.
  26. ^ a b c d ゲーム本編、本人を仲間に加えるイベントでの描写による。
  27. ^ ゲーム本編、グレイを仲間に加えるイベントでの描写による。
  28. ^ a b コンプリートガイド, pp. 296–297.
  29. ^ ゲーム本編、ジェラードとアリューゼを仲間に加えるイベントでの描写による。
  30. ^ a b コンプリートガイド, p. 301.
  31. ^ a b 本編プロローグによる。
  32. ^ ハードモード時の本編チャプター6終了時の神界フェイズにおけるオーディンによる説明、およびアークダイン遺跡最深部のイベントでのリセリアの台詞による。
  33. ^ 決め技使用時の台詞による。
  34. ^ ゲーム本編、蘇芳を仲間に加えるイベントでの描写による。
  35. ^ ゲーム本編、詩帆を仲間に加えるイベントでの描写による。
  36. ^ a b c d ゲーム本編、ロレンタを仲間に加えるイベントでの描写による。
  37. ^ ゲーム本編クリア後のセラフィックゲートにおいて、レザードを仲間に加えるイベントでの台詞による。
  38. ^ 本編チャプター8、Aエンディングの条件を満たしてレナスが記憶を取り戻した際に発生する一連のイベントにおける、ブラムス城での会話による。
  39. ^ 本編チャプター8、Aエンディングの条件を満たしてレナスが記憶を取り戻した際に発生する一連のイベントによる。
  40. ^ コンプリートガイド, p. 266.
  41. ^ コンプリートガイド, p. 326.
  42. ^ コンプリートガイド, pp. 266–267.
  43. ^ コンプリートガイド, p. 201.
  44. ^ a b コンプリートガイド, p. 120.
  45. ^ コンプリートガイド, p. 128.


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