ライトモティーフ ライトモティーフの概要

ライトモティーフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/09 04:58 UTC 版)

概要

「ライトモティーフ」という用語は、1871年、ドイツの音楽学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・イェーンス英語版によるウェーバーのオペラ作品の研究において初めて使用された(なお、イェーンスは、ウェーバーの作品を整理し、"イェーンス番号"を付けたことで知られる)。

これよりやや遅れて1878年には、ドイツのハンス・フォン・ヴォールツォーゲン英語版が、友人リヒャルト・ワーグナーの作品を分析した論文『ワーグナーの「神々の黄昏」における動機』の中で「ライトモティーフ」の表現を用いた。ただし、ワーグナー自身は「ライトモティーフ」ではなく「基本主題」(Grundthema)や、「予感動機」(Ahnungsmotiv)という用語を使っていた(ワーグナーにおけるライトモティーフの使用例については『ラインの黄金』の該当部分や、各楽劇の項目を参照)。

ワーグナー以降、リヒャルト・シュトラウスをはじめとする多くの作曲家によってライトモティーフの手法は継承されていった。映画等のサウンドトラックでもこの手法は多用された。ジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』(ダース・ベイダーのテーマなど)が代表例である。

また、音楽において始まったライトモティーフは、文学にも取り入れられ、トーマス・マンなどの作品に影響を与えた。

前史

すでに18世紀にはオペラの分野でライトモティーフの前身となる手法が用いられていた。グレトリ1741年 - 1813年)の『獅子心王リシャール』(1784年)や、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』(1787年)がその例となる。これらの用例には特定の名称はなかったが、エクトル・ベルリオーズ幻想交響曲において「イデー・フィクス」(idée fixe、固定楽想)と呼び、続編の『レリオ、あるいは生への復帰』などにも使用した。




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