メタルギアシリーズの用語一覧 科学技術

メタルギアシリーズの用語一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/23 01:25 UTC 版)

科学技術

CNT筋繊維
カーボンナノチューブ (CNT) を使って人工的に作られた筋肉繊維。『MGR』では愛国者達による情報統制がなくなったことで、世界中にこの技術が流出。人型サイズのサイボーグでも大型無人機並のパワーを引き出すことが出来るようになった。
IDS (Intrusion Detection System)
不正アクセス監視システム。通信回線を監視して、ネットワーク上を流れるパケットを分析、不正アクセスのパケットを検出し、侵入を管理者に通報、通信記録の収集を行うシステムのこと。
ID登録武器
『MGS2』プラント編で登場した、銃器に施された安全装置。銃器や火器を個別にID登録しておくことで、登録された者以外が使用できなくなる。劇中ではビッグ・シェルに突入したSEALS隊員と、「サンズ・オブ・リバティ」の兵士達が装備する武器に施され、彼等が使っている武器をそのまま奪い、使用することが出来なくなった。ただし、ID登録がされていない予備の武器は調達・使用可能。
劇中雷電と大佐の通信によると、これはアメリカ当局の用いているシステムであって、ゴルルコビッチ兵の使用するロシア製闇銃器には施されていないはずだが、自分達の装備を奪われないよう自前で組み込んだものとの事。
『MGS4』では、SOPシステムの機能に組み込まれて管理されており、体内のナノマシンに登録されたIDと銃器に埋め込まれたIDチップを照合することによる認証が要求される。また『MGS4』のID銃は、発砲・マガジンチェック・認証・非認証・ID改竄などのデータがホストコンピュータにリアルタイムで送信される。
『MGS2』においてこの設定が採用された理由は、海外ユーザーの「敵の武器は拾って使えないのか?」という問いに対する小島の対策であった。海外のゲームでは敵の武器を拾って使用出来るのが一般的で、『MGS』発売の際にもその点が指摘されたが、しかし小島はゲームのバランスを保つためにこの方法をとったとのことである。
PAL (Permissive Action Link) (MGS)
OILIX (MG2)
キオ・マルフ博士が開発した微細藻類。高純度の石油を精製することができる。
VR訓練 (Virtual Reality Training)
コンピュータが生み出した仮想空間上での戦闘訓練プログラムのこと。あらゆる事件・状況を容易に再現でき、被験者の生命を脅かすことなく、安全に訓練することができる。しかし仮想空間上の戦闘訓練とはいっても五感もあり、攻撃されると痛みなども感じる。戦闘訓練だけでなく、他にヘリやメタルギア等の兵器の操縦訓練用にも応用されているようである。雷電はこのプログラムによって、スネークが関わったシャドー・モセス島事件やマンハッタン沖タンカー沈没事件を追体験していることになっている。
このシステムには「現実と虚構の判別能力の低下」や「実戦下での倫理観の麻痺」などの弊害もあり、ゲーム感覚で人を殺す兵士が出現するといった危険性も孕んでいるため、ソリッド・スネークはVR訓練を受けた次世代特殊部隊や雷電のことを「テレビゲーム世代の兵士」「デジタル世代のグラント」と皮肉っている。
『MGS』や『MGS2』の完全版である『インテグラル』『サブスタンス』ではミニゲームモードとしても収録されている。どちらも100を超えるミッションが用意されており、どことなくバーチャル空間を連想させる背景や設定からプレイヤーもVR訓練を体感することができる。本作をプレイするにあたっての練習としてもプレイできるが、おまけ要素としてギャグが入った笑えるミッションや、『MGS2S』ではVR訓練でないと操作できないキャラクターの存在などが面白さを引き立てた。
遺伝子治療 (Gene therapy)
遺伝子特定プログラム
タンパク質工学で生み出された認識酵素がFOXDIEには導入されており、この酵素は特定の遺伝子配列に対して反応するようプログラムされている。この遺伝子配列に反応するシステムは、SOPのID認証システムの基となっている。
ガウディ (MGS4)
ノーマッド輸送機に搭載されているスーパーコンピューター。サニーの愛用。
強化骨格 (Exoskeleton)
電動アクチュエーターや人工筋肉、エアコンプレッサーの圧搾空気などを動力にしている。
コペルソーン・エンジン (Koppelthorn Engine)
VRシステムの根幹となる量子計算機器。Dr.コペルソーンによって開発された。ブラックボックスの中身は理解不能で、オーパーツかもしれないといった説などもあり、詳しい原理は分かっていない。
サイボーグ (Cyborg)
人体に機械類を内蔵して戦闘力を向上させるための技術。グレイ・フォックスや雷電がこれに当たる。強化外骨格を装着して運用されることが多く、ホワイトブラッドと呼ばれる人工血液によって稼働する。SOPシステムの廃止後、愛国者達が解体されたことで世界中にサイボーグ技術が流出し、戦場はサイボーグによる新たな代理戦争へと発展した。機械制御による高度な連携が可能であり、さらに肉体的にも強化されているため「形を変えたSOP」とも呼ばれている。
サンズ・オブ・ザ・パトリオット (Sons of The Patriot)
通称は、Sons of The Patriotの頭文字を取り、SOPと呼ばれる。
ATセキュリティ社が開発した戦場管理システム。システム登録をした軍関係者および兵士は、個体IDが記録されているナノマシンを注入され、使用する火器、兵器、車両、航空機などはID管理され、製造される全ての兵器は、兵士のID認証が通らなければ使用できなくなるシステム。IDが適合しなかった場合、車両の運転や航空機の操縦はおろか、銃の発砲すらできなくなる。
このシステムのおかげで、各兵士の状態やミクロ、マクロによる戦況の把握が出来るようになり、その情報を本部で一元管理できるよう保証し、指揮官は極めて高精度の指揮が取れるようになった。
また、注入されたナノマシンが兵士の体内で分泌物を出すことにより、痛覚や精神状態のコントロールも可能で、多少の怪我では特に痛みが感じないように設定されている他、兵士は精神状態を常に安定状態に保てる。そのため訓練が不十分の兵士や、経験が浅い新兵もベテランの兵士同様の振る舞いができるようになった。さらに、このシステムはナノマシンを介し、部隊内で短距離バースト通信を使用することで無線的なコミュニケーションが可能で、簡単に優れたチームワークを発揮できるようになる。たとえば、市街戦や屋内戦で非常に難しい突入のタイミングの確認が容易であり、周辺にいる仲間や友軍車両の位置情報や残弾数、各兵士の脈拍まで知ることができる。
その結果として兵士の低年齢化が進み、少年兵の問題が大幅増加した。またこれによって規模拡大したPMCそのものを危惧する意見も各国で数多く上がっていたが、このシステムが足枷となり、PMCがクライアントの意向に背くことや裏切り、反逆ができなくなった。
SOP症候群
SOPに制御されていた兵士たちは、主にナノマシンの分泌物によって、痛みや苦しみなどの感情が麻痺し、それ以外の悲しみや恐怖などの戦場において必要のない感情は制御されていた。しかし、ナノマシンの制御が停止することによって、今まではナノマシンによって制御されていた感情が全て解き放たれる形となり、今まで行ってきたことに対する罪悪感や後悔、仲間の死による恐怖や悲しみ、怒り、憎しみなどのありとあらゆる感情や感覚に直面することになる。これに伴い精神的な重圧を受け、耐えられなくなり発狂したり、ノイローゼになったりする。このようなSOP管理の停止による傾向は、SOP症候群と呼称される。
生物反応槽 (Life Reaction Tank) (MGS2)
雷電とヴァンプが戦った「ビッグ・シェル」のシェル2中央棟B1第二濾過室にある、微生物による汚染海水処理を行う巨大な水槽。微生物の活性を保つために水槽内には絶えず大量の酸素が送り込まれており、落ちた者はたちまち浮力を奪われて二度と浮上することができない(ヴァンプは強靭な身体能力からか、自由に泳ぎ回っていた)。しかしスティンガーミサイルを撃ち込むことによって強制的に生物反応槽から出すことができる
ソルジャー遺伝子(Soldier gene)
その名の通り、戦闘に適した遺伝子のことを指す。『MGS』にてクラーク博士(パラメディック)とナオミ・ハンターによってビッグ・ボスの中にある60ものソルジャー遺伝子が特定されており、遺伝子治療によってゲノム兵に投与されている。それ故に彼らは「ビッグ・ボスの息子達」と名乗っており、シャドー・モセス島事件の際にビッグ・ボスの遺体(正確には細胞標本)を要求していたのは遺伝子治療を行うためである。また、『MGS3』でのパラメディックとの無線のやりとりや『MPO』でのジーンの一言、『MGSPW』でのヒューイのブリーフィングにも登場している。
ナノチップエキスパンション (Nano chip expansion) (MGAシリーズ)
多目的型汎用プログラム。大脳に複数のナノチップを注入し、それを媒体にさまざまな行為を行える。たとえば、SOCOMピストルの使用データをナノチップにプログラミングすると、SOCOMピストルを使えるようになる。このプログラムのキャパシティには限りがあり、戦闘などによる経験を重ねることでプログラム可能なデータが増えていく。プレイヤーから見れば、このデータは「カード」、キャパシティは「デッキの構築限度枚数」として描写されている。
ターミネーター遺伝子
終結遺伝子とも呼称される。生殖機能を排除する遺伝子。ビッグ・ボスのクローン(ソリッド、リキッド、ソリダス)が万が一他国側についた場合を想定し、その遺伝子の持つ能力をコピーすることができないように開発された。クローンである3人の染色体にはこの遺伝子が埋め込まれている。
ナノマシン (nanomachine)
MEMS (Micro Electro Mechanical System) 技術によるマイクロメートル単位(1000分の1 mm)の大きさからナノメートル単位(100万分の1 mm)の極小機械の総称。静電気により駆動する。体内に直接投与することにより、ホルモンの調整、体内循環のフィードバック、出血量の確認などさまざまな分子レベルの作業を行える。DNAタンパク質樹脂などの生体分子の部品としていて、ナノマシンの例としては、人工モーターの構造に酷似しているタンパク質集合体などを挙げる事ができる。
『MGS4』では、ATセキュリティ社によって複雑化し、拡大されている。ナノマシンを使用しているの、米軍関係者のみならず、アメリカ同盟国軍、PMC所属の傭兵警察機関、公安機関まで及ぶほどに拡大した。今までは、各個人の制御管理を目的として使用されていたが、群れを制御するツールとなっている。
ナノマシン抑制剤
正式名称はナノコロリ573。体内のナノマシンの活動を永久的または一時的に抑制する混合液。開発はナオミ・ハンター。副作用も非常に強く、過度な使用は肉体を蝕み、身体機能や身体能力に影響を及ぼす。
ニューロAI
エマ・エメリッヒが開発した情報処理を行うコンピューターシステム。人間の脳を構築する神経細胞をモデルとする。問題解決能力は、学習を重ね、シナプスの結合強度を変化させていき、問題解決能力を強化されていく。G.W.の中央システムは、光ニューロAIである。通信やインターネット、放送などを含む、ありとあらゆるデジタル情報を検閲する能力を持つ。
燃料電池
人型のサイボーグや無人兵器が稼働するのに必要な電力を取り出すのに使用している電池。大きく分けると4種類存在するが、サイボーグ達が使用しているのは、CNT筋繊維との相性の関係上、溶融炭酸塩形燃料電池 (MCFC) のみ。『MGR』における雷電もその例外ではなく、燃料電池がなければ活動出来なくなる[注釈 6]。その為、敵のサイボーグを斬って内部の燃料電池を奪って補給を行っている[注釈 7]
FOXDIE
特定の遺伝子配列を持つ事物だけを殺傷する人工レトロウイルス。ジョージ・シアーズ大統領(ソリダス・スネーク)の指示のもと、DIAのリチャード・エイムズが開発プロジェクトを計画した。ATGC社のナオミ・ハンターが中心となり開発を行っていた。ナオミが開発した遺伝子特定プログラムにより、目標を特定する。FOXDIEとの命名は、テストケースとして、シャドー・モセス島においてソリッド・スネークを運び屋(ベクター)として散布し、FOXHOUNDを殺すことから来ている。
FOXALIVE
愛国者達のAIをプログラム内部的にすべて破壊するワームクラスター。ナオミ・ハンターが基礎設計を行い、サニーが完成させた。基となったのはエマ・エメリッヒの作成したワームクラスター。
フルトン回収システム (Fulton Recovery System)
ヘリウムが充満した気球を利用した兵員回収システム。1940年代に、アメリカで考案された航空機による郵便物回収方法を発展させ、米海軍が海上での人員救助目的で応用し完成させた。このシステムは航空機を着陸させる必要性がないため、敵の砲火を潜ることなく安全に人員、物資を回収できる。空軍でもベトナム戦争期に利用された。
本来は着陸が容易で機動力のあるヘリコプターではなく、MC-130 コンバット・タロンなどの固定翼機で行うが、国境なき軍隊では資金不足によりヘリのUH-1が用いられた。
悪天候時や負傷者に対して使用する場合は、落下時の衝撃や行方不明になるなどの原因で回収できる確率が大幅に下がる可能性がある。
ダイヤモンド・ドッグズで運用されるものはさらに技術的に発展しており、戦車や装甲車などの重量物も回収できるほか、発展すると空中にワームホールを発生させる「ワームホール回収システム」に発展し、妨害される危険なしに回収できるようになる。
ホワイト・ブラッド (White Blood)
軍用に開発された、ナノテクノロジーにより設計される人工血液ヘモグロビンと同様の働き(酸素の吸収、放出)をするが、赤血球に含まれているヘモグロビンが本来は赤色をしているのに対しこちらは白色であるため、ホワイトブラッドと呼称される。MGS4にて、サイボーグ化された雷電の肉体に入れ替えられた。
小島の過去の作品『ポリスノーツ』を起源とした設定であり、MGS4では既に旧世代のものとなっている。定期的な透析で血液を「洗濯(濾過)する」必要があり、これを怠ると血液中の老廃物によって自家中毒に陥り、危険な状態になる。

注釈

  1. ^ オープニングでパキスタン方面から侵入していることと、冷戦時と現在のロシア国境は大幅に違っているため。
  2. ^ FOXHOUND自体はシャドー・モセス島事件の後壊滅している。
  3. ^ 現実ではイギリス陸軍のデビット・スターリング少佐が創設。
  4. ^ その際、ブルース・リーのような親指で顔を拭う仕草を行っている。
  5. ^ この格納方法については(ファミ通 1998, p. [要ページ番号])によると米軍キャンプへの取材で得た知識を基に再現された。
  6. ^ 正確には僅かに残っていれば移動や敵への攻撃などの活動は行えるが、斬撃モード時に敵を切断出来なくなる。
  7. ^ 登場人物であるケヴィンはその様子を「まるでドラキュラ」だと皮肉っている。
  8. ^ 当時、中国人民解放軍のスパイだったEVAによってマイクロフィルムを奪われているがそれは偽物であり、彼女が去った後も本物のマイクロフィルムはスネークの手にあった(EVAのメッセージを聴くシーンでスネークがフィルムをテーブルに置いている)。

出典

  1. ^ a b c d e f g h メタルギアソリッド4 公式ガイド ザ・ベーシックス, p. [要ページ番号].
  2. ^ a b c コナミデジタルエンタテインメント『メタルギアソリッド4 データベース』。 
  3. ^ メタルギアソリッド2 サブスタンス 公式ガイド, p. [要ページ番号].
  4. ^ 「シャドー・モセスの真実」
  5. ^ 小島プロダクションメタルギアソリッド4コナミデジタルエンタテインメント、シーン: クライング・ウルフのフィギュア取得時の解説。 
  6. ^ a b c メタルギアソリッド4 公式ガイド ザ・コンプリート, p. [要ページ番号].
  7. ^ ファミ通 1998, p. [要ページ番号].





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