プロトマンガノ鉄直閃石 プロトマンガノ鉄直閃石の概要

プロトマンガノ鉄直閃石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/05 23:30 UTC 版)

プロトマンガノ鉄直閃石
分類 ケイ酸塩鉱物
イノケイ酸塩鉱物
直閃石グループ
シュツルンツ分類 9.DD.05
8/F.12-160
化学式 [ ][Mn+22][Fe+25](Si4O11)2(OH)2
結晶系 斜方晶系
単位格子 a = 9.425
b = 18.303
c = 5.345
Z = 2
モル質量 969.16 g/mol
晶癖 針状結晶
へき開 {210} 完全
モース硬度 5 - 6
光沢 ガラス光沢
茶灰色
条痕 淡灰色
透明度 透明
密度 3.5 g/cm2
光学性 2軸 (-)
屈折率 nα = 1.695
nβ = 1.714
nγ = 1.731
複屈折 0.036
文献 [1][2]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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産出地

プロトマンガノ鉄直閃石は、原産地である栃木県鹿沼市の日瓢鉱山と福島県川俣町の水晶山の2ヶ所でしか産出が報告されていない[1][2]

性質・特徴

プロトマンガノ鉄直閃石は、 [ ][Mn+22][Fe+25](Si4O11)2(OH)2 の組成を持つイノケイ酸塩鉱物である[1]。この組成は単斜フェロ末野閃石(Clino-ferro-suenoite)[3](旧名:マンガノグリュネル閃石(Manganogrunerite)[4]と同一であるが、結晶構造が異なる。

プロトマンガノ鉄直閃石は、名称にプロトと付くとおり、珍しいプロト型の角閃石である。イノケイ酸塩鉱物である角閃石と輝石は、通常はケイ酸塩で構成された鎖が2個つながっており、この繰り返しによって結晶を構成している。しかし、合成実験ではプロト型と呼ばれる、鎖が1個のみで繰り返されているものが報告されていた。天然で発見されているのは角閃石のみであり[5]1986年に発見されたプロトマンガノ鉄直閃石とプロトフェロ直閃石 (Proto-ferro-anthophyllite) [6]2001年に発見されたプロト直閃石 (Proto-anthophyllite) [7]、そして2002年に承認されたプロトフェロ末野閃石(Proto-ferro-suenoite)[8]の4種である。なお、この4種はいずれも日本で発見された鉱物である(プロトフェロ直閃石のみアメリカ合衆国の原産地と共に登録されている[6])。

サイド・ストーリー

プロトマンガノ鉄直閃石は、英名は Proto-mangano-ferro-anthophyllite となっている。これはハイフンを除いても30文字であり、2012年の角閃石グループの再定義までは英語名が最も長い鉱物であった。現在ではフッ素カリ苦土アルベゾン閃石 (Potassic-magnesio-fluoro-arfvedsonite) の34文字が最も長い。

プロトマンガノ鉄直閃石は、1986年に発見された日本産新鉱物である[1][2]




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