ビューレン (ヴェストファーレン) 文化と見所

ビューレン (ヴェストファーレン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/03 07:52 UTC 版)

文化と見所

演劇

ビューレン市立ホールの演劇ホールでは不定期にプロやアマチュアの劇団による演劇が上演されている。

博物館

水車博物館になっているミッテルミューレ

ヴェーヴェルスブルクにはパーダーボルン郡の郡立博物館があり、中世の城郭史やSSテロルカルトの時代、ドイツ人追放をテーマにした展示もある。

ビューレン中核部には、クレフナー通りの学校センターの学校博物館と通信博物館がある。かつてのミッテルミューレ(直訳すると「中央水車」)は水車博物館に改造された。

音楽

ビューレンには全部で33の合唱団、音楽サークル、楽隊と、郡立音楽学校がある。ファンファーレ隊「プリンツ・レーゲント」はビューレン地方で唯一の存在である。合唱団と音楽サークルは通常年に1回コンサートを行っており、地元の射撃祭や礼拝の際に演奏している。

建築

聖ニコラウス教会
旧イエズス会神学校。現在のマウリティウス=ギムナジウム
ニーダーミューレ
  • カトリックの教区教会聖ニコラウス教会: 西塔を有する十字型の平面図を持つバシリカは1220年に初めて記録されている。この建物は19世紀に改築された。調度には、15世紀末、後期ゴシック様式聖体安置塔ドイツ語版、1600年頃の講壇、1744年製のバロックオルガンがある。オルガンは元々ベッデーケン修道院のために製作されたものである。
  • イエズス会教会「汚れなきマリア」教会
  • 旧イエズス会神学校: この建物は1719年から1728年までの間にイエズス会によってバロック様式で建設された。この建物には現在マウリティウス=ギムナジウムが入居している。
  • 市庁舎: 多棟式のこの建物はビューレン貴族家の未亡人の隠居所として用いられていた。1661年にモーリッツ・フォン・ビューレンの死後、遺産はイエズス会に引き継がれた。イエズス会は初めここに拠点を置いた。この建物は全体が新たに建て替えられたようだ。中庭に向かう出口のアーチには1664年の銘が遺っている。1802年/1803年にプロイセンの国有財産となり、1806年にクヴィッケン薬局に貸し出された。1933年にビューレン郡がこの建築群を取得した。1975年までこの建物はビューレン郡の郡庁舎であった。現在は市庁舎として使われ、さらに職業安定所、警察派出所、パーダーボルン郡支所が入居している。
  • 十分の一税倉庫: マンサード屋根を戴くこの漆喰塗りの石造建築は、中核部分は16世紀、大部分は1720年頃に新しく建造されたものである。この建物は長い間財務管理役場および森林管理役場として利用されていた。ニーダーミューレ、神学校、隣接する18世紀の店舗(現在のカフェ・シュティルブルーフ)とともに都市建築上印象深い建築アンサンブルを形成している。
  • ミッテルミューレ: 急勾配の切妻屋根を戴くこの石造建築は1532年に建造されたもので、ビューレン内市街で最も古い世俗建築とされている。この建物は現在、ビューレン郷土協会によって郷土館を伴う博物館に改築されている。
  • 旧ニーダーミューレ: 切妻屋根を戴くこの3階建て石造建築の最も古い部分は1537年に建設された。この建物は、ニーダーミューレ市民文化活動の枠組みで、特に音楽会に利用されている。
  • 市の中心部では、特に1960年代から70年代に行われた数多くの取り壊しによって現存する古い住居建築はわずかである。その中で際だった建築がマルクト14番地の建物である。半切妻屋根を戴くこの木組み建築のディーレンハウス[訳注 1]は、入り口の梁に1608年の銘を持つ。これは本市に遺る最も古い家屋建築である。ただし1階部分は店舗として使うために大きな改造を受けている。ジュートマウアー20番地は半地下階の上に建つ2階建ての木組み建築で、19世紀に造られた。バーンホーフ通り2番地は、1840年から1850年に建てられた寄棟造り3階建ての大きな建物である。店舗として利用するために、1階の半分が1901年に開放された。建築様式が特に興味深いのがカペレン通り8番地である。これは1873年に2戸続きの住宅として建設された。この建物は横向きのクヴェールデーレンハウスであり、左側の出入り口は後に設けられたものである。
  • 都市防衛施設では、2本の塔と市壁の遺構が遺されている。
  • ヴェーヴェルスブルク城は、ビューレン地方の象徴的建造物である。また親衛隊の聖地でもあり、親衛隊名誉リングの保持者が戦死した場合は指輪は回収されここに安置された。
  • リンゲルシュタイン城趾: ヘクセンケラー(地下倉庫)を有する。この城趾の名前の由来となったリンゲルシュタイン集落は、アルメ川上流部の尾根に位置しており、現在はハルト市区に含まれている。ハルト=リンゲルシュタイン城趾ではビューレン領主家が1400年頃に建造した城砦の遺構を見学することができる。
  • ビューレン刑務所: ヨーロッパ最大の刑務所である。廃止されたNATO軍兵舎跡の敷地に1994年に運用が開始された。
  • 旧ベッデーケン修道院: ヴェーヴェルスブルク城近くに存在するこの修道院は、聖マイノルフによって創建され、現在は学生寄宿舎となっている。グート・ベッデーケン周辺にはこの他に兵士墓地を含む「平和の谷」がある。
  • グート・ホルトハウゼン: 旧シトー会ホルトハウゼン女子修道院は1243年にビューレン領主によって創建された。現存する修道院教会とかつての修道院の建物は、元々あった中世の建物の一部を転用して1700年頃にバロック様式で建設された。現在は個人所有となっている。修道院の礼拝堂にはビューレン領主家の人々が埋葬されている。

自然文化財

ビューレン市内には11の自然保護区が指定されている。1,515.7931 ha のビューレン近郊の森と 1,232.6710 ha のライベルクの森が最も広い自然保護区である。

スポーツと余暇

ビューレン市には2つの屋外プールがある。1つはハルトとヴァイベルクとの間、もう1つはビューレン市区にある。この他の屋内プールが1つある。ほとんどの市区ごとにサッカークラブとグラウンドがある。例外はバルクハウゼンとアイックホフである。ビューレン中核市区のサッカークラブ SV 21 ビューレンは陸上競技部門を持っている。TV 13 ビューレンは、体操バレーボール卓球バスケットボール縄跳びキックボクシングの部門を有している。キックボクシング部門と縄跳び部門はドイツチャンピオンやヨーロッパチャンピオンを輩出している。学校の体育館はクラブ・サークル活動にも利用されている。ビューレン中核市区にはオストヴェストファーレン地方(デトモルト行政管区)で最も古いテニスクラブが存在する。1948年に設立された TC ブルー=ヴァイス・ビューレンは、ベンネンベルクに8面のコートを有している。

ビューレンのシュターディオン・ブルーフスの近くにビューレン市民射撃協会 (BSV) の射撃場がある。BSV の射撃競技部門は様々な競技種目で定期的に世界チャンピオンや準世界チャンピオンを輩出している。ビューレン西工業地域にはカートサーキットドイツ語版英語版ペイントボールのフィールドがある。2007年の年始以降、多彩なイベントや文化プログラムのためのニーダーミューレ文化運動がなされている。

年中行事

市区ごとの射撃祭の他に、毎年、市祭や9月最終週のオクトーバーマルクトが開催されている。ニコラウスマルクトは12月6日前後の週末に開催される。この他には、毎年5月にドイツ全土からハイカーが集まる「ビューレン散策の日」がある。

名物料理・食材

ビューレンには、地元で有名な酒が2つある。薬草酒として知られるビューレナー・ラーツトロフェンとキャラウェーで造ったフルーツブランデードイツ語版英語版のビューレナー・モーリッツブラントである。後者はビューレン領主家最後の当主に献げられた。

クラブ・サークル

ビューレン郷土協会は1987年に創設された。この協会の目的は、市史の研究と普及、文化財の保護、ビューレンの習俗の保存である。この郷土協会は現在、修復されたビューレンのミッテルミューレに入居している[16]

聖ゼバスティアン兄弟団はおそらくビューレンで最も古い協会である。この組織は1490年に設立されたが、その母体は12世紀にまで遡る。兄弟団は、10年以上ビューレンに居住するすべてのキリスト教徒を受け容れていた。中世には「ゼバスティエナー」が市の警備を担っていた。このため、2007年から射撃祭では古い警備隊の衣装を身につけた射撃手がパレードを行っている[17]

1816年にビューレン郡が創設されて以後多くのプロテスタント信者がビューレンに住みついた。兄弟団に参加できない彼らは1828年にビューレン市民射撃団を設立した。これ以後ビューレンには2つの射撃協会が存在している。兄弟団は約 400人、市民射撃団は約 2,000人の会員を擁している[18]

1958年にハーレン射撃協会の主導下でビューレン郡射撃連盟が発足した。これは旧ビューレン郡の全協会が加盟可能である[19]


訳注

  1. ^ 低地ドイツ地方の建築様式で、玄関から建物を貫いて天井の高い中央廊下 (= Diele) を通した比較的大規模な家屋である。
  2. ^ 歩行者用の細い吊り橋

引用

  1. ^ Bevölkerung der Gemeinden Nordrhein-Westfalens am 31. Dezember 2020 – Fortschreibung des Bevölkerungsstandes auf Basis des Zensus vom 9. Mai 2011
  2. ^ Max Mangold, ed (2005). Duden, Aussprachewörterbuch (6 ed.). Dudenverl. p. 223. ISBN 978-3-411-04066-7 
  3. ^ Geowissenschaftliche Gemeindebeschreibungen NRW - Büren(2016年3月4日 閲覧)
  4. ^ Erdwärme nutzen: Geothermiestudie liefert Planungsgrundlage(2016年3月4日 閲覧)
  5. ^ a b c Information und Technik Nordrhein-Westfalen: Kommunalprofil Büren, Stadt(2016年2月21日 閲覧)
  6. ^ Hauptsatzung der Stadt Büren(2016年3月4日 閲覧)
  7. ^ Büren - Zahlen, Daten und Fakten über die Stadt Büren !(2016年3月4日 閲覧)
  8. ^ Hermann Gottfried Gengler: Regesten und Urkunden zur Verfassungs- und Rechtsgeschichte der deutschen Städte im Mittelalter. Erlangen 1836, S. 439–442.
  9. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州内務・自治省: Gesetz zur Neugliederung der Gemeinden und Kreise des Neugliederungsraumes Sauerland/Paderborn (Sauerland/Paderborn-Gesetz)(2016年3月6日 閲覧)
  10. ^ Statistisches Bundesamt (Hrsg.): Historisches Gemeindeverzeichnis für die Bundesrepublik Deutschland. Namens-, Grenz- u. Schlüsselnummernänderungen bei Gemeinden, Kreisen u. Reg.-Bez. vom 27.5.1970 bis 31.12.1982. Kohlhammer, Stuttgart/Mainz 1983, ISBN 3-17-003263-1, S. 320.
  11. ^ IT NRW: Bevölkerung im Regierungsbezirk Detmold, abgerufen am 18. Januar 2013.
  12. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州選挙管理局: 2014年5月25日のビューレン市議会議員選挙結果(2016年3月6日 閲覧)
  13. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州選挙管理局: 2009年8月30日のビューレン市長選挙結果(2016年3月6日 閲覧)
  14. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州選挙管理局: 2014年5月25日のビューレン市長選挙結果(2016年3月6日 閲覧)
  15. ^ Büren - Partnerstädte(2016年3月6日 閲覧)
  16. ^ Heimatverein Büren e.V.(2016年3月9日 閲覧)
  17. ^ St. Sebastian Bruderschaft Büren(2016年3月9日 閲覧)
  18. ^ Bürener Bürgerschützenverein 1828 e.V.(2016年3月9日 閲覧)
  19. ^ Kreisschützenbund Büren 1958 e.V.(2016年3月9日 閲覧)
  20. ^ a b Büren - Schulen(2016年3月9日 閲覧)
  21. ^ Büren - Waldschule im Bürener Land(2016年3月9日 閲覧)
  22. ^ Jugendpflege der Stadt Büren(2016年3月11日 閲覧)
  23. ^ Bürgerstiftung Büren(2016年3月11日 閲覧)





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