ニデック (電機メーカー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 07:47 UTC 版)
概要
創業者は永守重信[4]。精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを維持・継続しており、世界シェアは約11%である[4]。
「Nidec」は、Ni=日本、De=電産、c=株式会社、の略[5]。2023年(令和5年)4月1日より社名を英称と同じニデック株式会社に変更し[注釈 1]、グループ会社の商号もグループブランド名である「ニデック」の名を冠したものへ統一した[5]。
TOPIX Core30、日経平均株価およびJPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[6][7][8]。
特徴
学歴を重視しない雇用制度
永守は、学歴など固定観念に囚われると人を動かせずに多くの人材をダメにしてしまうと語っており[9]、日本の偏差値に偏重した教育を批判しており、若者を駄目にしているという。大学教育を根底から変えると宣言をしているとされている[10]。ニデックではキャリア・年齢・学歴は採用基準に関係がないと語っており[11]、ニデックでは採用は学歴が基準ではなく成績も参考程度で重視していなく[11]、能力・実力一辺倒の人事考課制度を採用している[11]。またエリート学生を不採用にしても落ちこぼれや留年学生を採用しているとされている[12]。
学問以外に情熱を注ぎ込んだ学生は、漫然と通学してそこそこの成績で卒業した学生よりも余程魅力があり、磨けば光り輝く可能性があるという[12]。エリートばかりの組織は既成事実ができると時代が変化しても変革しようとする意欲が乏しく、エリート集団は失敗を経験したことがない連中が集まっているため何か起こった時に自分が矢面に立とうとせず、保身に回る傾向が強いというが、落ちこぼれは何度も失敗を経験しているため打たれ強く開き直ることができるという[12]。超エリートは役に立たないと言う経営者の話をよく耳にし、同感しているという[13]。学校で1番を通してきた人間はこれまでが成功の連続だったために少しの失敗も耐えられないことが多く、競争には強いが精神的には脆いといい、ライバルには勝てるが自分自身には克てないという結果になりやすいという[13]。エリートは「皆から好かれよう」「嫌われたくない」という意識が強く、他人の目・評価を気にし過ぎて大胆になれないといい、多くの反対者を押し切り、これまでのやり方を変えていこうという気持ちになりにくいという[13]。
リーマンショック時、雇用を維持する代わりに社員にも1-5%の賃金カットを求めた。ただし業績が回復した翌年以降にカット分に1%の金利を付けて追加支給を行なっている。
拠点
本社は京都市南区久世殿城町338番地の、国道171号線沿いにある。本社ビルは2003年(平成15年)3月竣工した地上22階・地下2階、高さ 100.6 mの高層ビルである。現在の本社所在地は旧シンポ工業(現ニデックドライブテクノロジー)の本社所在地であった。
本社所在地は桓武天皇が784年(延暦3年)に造営した長岡京の遺跡の一角にあたっている。本社建設に先だって行われた発掘調査では、巨大な掘立柱建築物跡を始めとするさまざまな遺構が発見された。そして、出土した墨書土器の文字によって、桓武天皇が長岡京から平安京[注釈 2]に移る1年余りの間滞在した長岡京東院であることが判明した。これは平安京に先立つ天皇の御所の遺跡として注目され、学界からは遺跡保存の要望も出された。ニデックによると、本社ビルの建設は遺跡に配慮して当初の設計を大幅に変更して施工され、地下に遺跡を現状保存している[14]。
- 日本国内の主な拠点
研究開発拠点
- 中央開発技術研究所
- 京都府向日市森本町東ノ口1-1
- ニデック新川崎テクノロジーセンター・半導体ソリューションセンター
- 長野技術開発センター
- 滋賀技術開発センター
- ニデックけいはんなテクノロジーセンター・システム生産開発センター
営業拠点
注釈
出典
- ^ コーポレート・ガバナンス - ニデック株式会社
- ^ a b c “有価証券報告書(第49期)” (PDF). ニデック株式会社. 2023年6月13日閲覧。
- ^ a b c d e “長期財務データ”. ニデック株式会社. 2023年6月13日閲覧。
- ^ a b 業界再編の動向 (2021年10月5日). “モーター業界の世界市場シェアの分析”. 業界再編の動向. 2021年11月29日閲覧。
- ^ a b “「ニデック株式会社」に社名が変わりました”. ニデック株式会社 (2023年4月1日). 2023年4月7日閲覧。
- ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2022年10月8日閲覧。
- ^ 「TOPIXニューインデックスシリーズ」の定期選定結果及び構成銘柄一覧 (PDF) jpx.co.jp 2020年10月7日公表 2021年10月8日閲覧。
- ^ JPX日経400・JPX日経中小型 jpx.co.jp 2021年10月8日閲覧。
- ^ 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、108, 109頁。
- ^ “日本電産永守会長が炎上! 「即戦力になる新卒」を求めることは、罪深いのか”. ITmedia ビジネスオンライン. 2022年7月16日閲覧。
- ^ a b c 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、98, 99, 196, 197頁。
- ^ a b c 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、206頁。
- ^ a b c 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、186, 187頁。
- ^ 『社会・環境報告書 2006』(PDF)日本電産株式会社、2006年6月、22頁 。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w “NIDECグループ”. ニデック株式会社. 2023年10月31日閲覧。
- ^ a b “株式会社TAKISAWA(証券コード:6121)の公開買付けの応募株券買付けの決済完了及び当社グループ入りに関するお知らせ” (PDF). ニデック株式会社 (2023年11月20日). 2023年11月27日閲覧。
- ^ "日本電産、副社長5人が4月就任 永守重信氏の後継候補に". 日本経済新聞. 13 March 2023. 2023年3月30日閲覧。
- ^ 松岡大将 (2023年9月13日). “同意なくニデックにTOB提案されたTAKISAWA 受け入れ表明”. 朝日新聞. 2023年9月16日閲覧。
- ^ “TAKISAWA TOB受け入れ ニデック傘下で新たな成長戦略”. 山陽新聞 (2023年9月13日). 2023年9月16日閲覧。
- ^ “旋盤メーカーへのTOB成立へ ニデック、工作事業を拡大”. 共同通信 (2023年10月27日). 2023年10月30日閲覧。
- ^ Shinichi Uchida (2023年11月14日). “ニデック、TAKISAWAへのTOBが成立”. ロイター通信 2023年11月16日閲覧。
- ^ “ニデック、TAKISAWAへのTOBが終了”. 日本経済新聞 (2023年11月14日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ “【速報】京都タワー、4月から「ニデック京都タワー」に 京阪HDから命名権取得”. 京都新聞 (2024年3月19日). 2024年3月19日閲覧。
- ^ “第153回国会 参議院 厚生労働委員会 第12号 平成13年12月6日”. 国会会議録検索システム. 2023年3月1日閲覧。
- ^ a b c d “JMIU日本電産事件解決のご報告 | 京都第一法律事務所/創立60年の確かな実績|京都弁護士会所属”. web.archive.org (2021年4月20日). 2022年7月16日閲覧。
- ^ (2)「人の倍働く」信条の日本電産が大転換 グローバルな競争に勝つための残業ゼロ 産経新聞 2017年5月2日配信 2021年6月3日閲覧。
- ^ 日本電産、残業ゼロに向け1000億円投資の背景 日経ビジネス 2017年2月24日配信 2021年6月3日閲覧。
- ^ a b 朝日新聞社 (2008年4月23日). “「休みたいならやめればいい」急成長の日本電産社長”. 2008年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月2日閲覧。
- ^ a b ジェイ・キャスト (2008年4月26日). “「休みたいなら辞めろ」発言は言語道断!連合会長、日本電産社長を批判”. 2008年5月2日閲覧。
- ^ ジェイ・キャスト (2008年4月26日). “「休みたいなら辞めろ」発言は暴論? 正論?ネットで波紋広がる”. 2008年5月2日閲覧。
- ^ 日本電産 (2008年4月28日). “朝日新聞の記事(2008年4月24日朝刊)について”. 2008年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年5月2日閲覧。
- ^ a b ジェイ・キャスト (2008年4月28日). “日本電産社長「休みたいなら辞めろ」発言を否定”. 2008年5月2日閲覧。
- ^ 日本電産 (2008年4月28日). “2008年4月24日付け一部報道記事について”. 2009年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月25日閲覧。
- ^ 日本電産株式会社による資本・業務提携提案に対する当社労働組合からの反対意思表明文受領のお知らせ (PDF) 東洋電機製造ニュースリリース 2008年12月8日配信 オリジナルの2013年7月23日時点でのアーカイブ。
- ^ 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、56, 57頁。
- ^ 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、191頁。
- ^ 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、82頁。
- ^ a b c 永守重信『人を動かす人になれ!すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』三笠書房、134, 136頁。
- ニデック (電機メーカー)のページへのリンク