ナマコ
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漁業
日本のナマコ漁獲量
日本のナマコ漁獲量は1980年代以降減少傾向にあったが、2006年度には10,000トンと、1970年代後半の規模にまで回復した[10]。2006年度の生産額は130億円余り[11]。主な漁法は小型底引き網で、このほかに潜水器や海人による小規模漁も行われている。乾燥ナマコは香港、中国などに輸出され、特に香港に輸出される農林水産物としては金額で1位である(約110億円、2006年)[12]。都道府県別漁獲量では北海道・青森・山口が特に多い[13]。
ナマコ漁の歴史
日本のナマコ漁は古代から行われており、733年に献上された『出雲国風土記』にはナマコの産地として現在の島根県松江市美保関町などが紹介され、後年の『延喜式』にはイリコやこのわたが租税として納付されたと記されている[14]。
江戸時代には、ナマコは中国(清)への主要な輸出品となった。干しナマコ・ふかひれ・干しアワビは特に多く輸出され、「俵物三品(たわらものさんぴん)」と呼ばれた[15]。ナマコを外貨獲得の手段として重要視していた幕府は、一般市場でのナマコ流通を禁止し、漁師に対しては増産を厳しく迫った[15]。幕府に対し取り立ての猶予を求める、各地の漁業者からの上申書も残されている[16]。
ナマコ養殖の試みは明治に始まり、稚ナマコの放流や人工漁礁の造成が各地で行われた。禁漁期間の設定や漁礁の改良を行うなどの努力により一定の成果が得られた地域は多く、大浦湾では昭和初期に増産の成功を記念して「海鼠増殖記念碑」が建てられた[16]。
日本以外のナマコ漁
アメリカ合衆国フロリダ州、コスタリカ、エクアドル、インドなどでもナマコの漁獲が行われ、ほぼ全量が中国へ輸出されている。21世紀に入り、中国の富裕層が増加すると高級食材としてのナマコの需要が高まり、フロリダにおける漁獲量が約4倍増加。2014年6月からは、資源量の減少を危惧したフロリダ州魚類野生生物保護局により、1隻1日200匹までの漁獲制限がなされる[17]。
- ^ 『ナマコガイドブック』 p.8
- ^ 『ナマコガイドブック』 p.129
- ^ 『なまこ読本』 pp.14–16
- ^ 『ナマコガイドブック』 pp.26–27
- ^ 『なまこ読本』 p.80
- ^ 高山直子「煎海鼠」『国史大辞典』第1巻(吉川弘文館、1979年 ISBN 978-4-642-00501-2) p.822
- ^ “大村湾産黒ナマコを用いた新規スキンケア・ヘアケア商品の開発および販売【大村湾水産加工品販売】”. 2014年11月8日閲覧。
- ^ 『なまこ読本』 pp.1–3
- ^ 『なまこ読本』 pp.104-105。「生海鼠」『日本山海名産図会』国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ “平成18年漁業・養殖業生産統計 海面漁業の部 > 年次別統計(平成8年~18年) - 魚種別漁獲量”. 2014年11月8日閲覧。
- ^ “平成18年漁業生産額 魚種別生産額 > 海面漁業”. 2014年11月8日閲覧。
- ^ “農林水産物輸出入概況 2006年確定値”. 2014年11月8日閲覧。
- ^ 『ナマコガイドブック』 p.91
- ^ 『ナマコ』 pp.247–267
- ^ a b 『ナマコ』 pp.231–246
- ^ a b 『なまこ読本』 pp.43–47
- ^ “米フロリダ州がナマコの漁獲量を制限へ、乱獲に警鐘”. ロイター (ロイター通信社). (2014年4月18日) 2014年4月20日閲覧。
- ^ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151029-00000008-khks-soci
- ^ “暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」のリアル”. 東洋経済オンライン (2018年10月6日). 2018年11月23日閲覧。
- ^ “密漁ナマコ 暴力団増長 昨年逮捕 最多50人 所場代徴収、深い水域お構いなし”. 北海道新聞 (2019年5月19日). 2019年5月19日閲覧。
- ^ “国産ナマコに漁獲証明制度=暴力団の資金源根絶へ-水産庁”. 時事通信社 (2018年6月14日). 2018年6月15日閲覧。
- ^ “Holothuroidea”. ITIS. 2014年11月8日閲覧。
- ^ "Holothuroidea". World Register of Marine Species. 2014年11月8日閲覧。
ナマコと同じ種類の言葉
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