シモツケソウ 種の保全状況評価

シモツケソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 21:46 UTC 版)

種の保全状況評価

日本では以下の多数の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。ニホンジカによる食害により、個体数が減少している地域がある[15]滋賀県の国の天然記念物伊吹山頂草原植物群落」においても食害が確認されていて、平成26年に緊急対策として山頂部の西遊歩道で植生保護柵の設置が行われている[16]吉野熊野国立公園特別地域内[17]大山隠岐国立公園[18]阿蘇くじゅう国立公園(阿蘇地域)[19]鈴鹿国定公園特別地域内[20]氷ノ山後山那岐山国定公園[18]などで、許可を受けずに採取又は損傷してはいけない植物の指定を受けている。

利用

観賞用になどで利用されている[5][10]。葉が黄金色のものもあり、園芸用として販売されている[11]

19世紀の前半、茎や花から鎮痛作用を持つ物質が抽出され、「SPRAEA」からスピール酸と名付けられた。これがアスピリンの原料である[29]

名前の由来

木本シモツケ(左)と草本であるシモツケソウ(右)

別名がクサシモツケ[4]。学名の名「Filipendula」は、「filum」(糸)と「penduls」(吊り下がった)との2語からなり、根が糸で小球を吊り下げた様子に由来し、種小名「multijuga」(多対の)は、沢山の花梗が対に分岐しているこに由来する[8]和名木本シモツケに似る草本であることに由来する[8][5]。「下野」(栃木県の古名)で多く見られたことに由来する[11]。花の色が薄い個体が、「ウスイロシモツケソウ」と呼ばれることがある[4]


  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シモツケソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月23日閲覧。
  2. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “アカバナシモツケソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 清水 (2014)、216頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k 林 (2009)、410頁
  5. ^ a b c 牧野 (1982)、220頁
  6. ^ a b 久保田 (2007)、148頁
  7. ^ a b c d e 佐竹 (1982)、175頁
  8. ^ a b c d e f g h i j 大川 (2009)、169頁
  9. ^ a b c d e 前沢 (1970)、78-79頁
  10. ^ a b c d e f g h i j 小野 (1987)、433頁
  11. ^ a b c d e 高村 (2005)、230頁
  12. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シロバナシモツケソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月24日閲覧。
  13. ^ 田中 (1995)、161-163頁
  14. ^ 〓、坂巻 (1995)、267頁
  15. ^ a b 福岡県の希少野生生物 福岡県レッドデータブック2011、シモツケソウ”. 福岡県. 2019年1月24日閲覧。
  16. ^ 天然記念物の概要” (PDF). 米原市. pp. 19-20. 2019年1月24日閲覧。
  17. ^ 吉野熊野国立公園特別地域内で許可を受けずに採取又は損傷してはいけない植物”. 三重県. 2019年1月24日閲覧。
  18. ^ a b c 岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 115. 2019年1月19日閲覧。
  19. ^ 阿蘇くじゅう国立公園(阿蘇地域)における行為規制一覧” (PDF). 熊本県. pp. 2. 2019年1月24日閲覧。
  20. ^ 鈴鹿国定公園特別地域内で許可を受けずに採取又は損傷してはいけない植物”. 三重県. 2019年1月24日閲覧。
  21. ^ 宮崎県版レッドリスト及びレッドデータブックについて”. 宮崎県 (2018年4月17日). 2019年1月24日閲覧。
  22. ^ 植物絶滅危惧Ⅰ類(603種)(平成27年度改訂)”. 鹿児島県 (2016年4月27日). 2019年1月24日閲覧。
  23. ^ グリーンデータブックあいち2017 維管束植物編)” (PDF). 愛知県. pp. 41. 2019年1月24日閲覧。
  24. ^ 三重県レッドデータブック2015” (PDF). 三重県. pp. 496. 2019年1月24日閲覧。
  25. ^ 熊本県の保護上重要な野生動植物リスト−レッドリスト2014−、リスト 維管束植物” (PDF). 熊本県. pp. 8. 2019年1月24日閲覧。
  26. ^ 京都府レッドデータブック2015、シモツケソウ”. 京都府. 2019年1月24日閲覧。
  27. ^ 大切にしたい奈良県の野生動植物(植物・昆虫類)のレッドリスト、維管束植物” (PDF). 奈良県. pp. 6. 2019年1月24日閲覧。
  28. ^ レッドデータブックおおいた2011、シモツケソウ” (PDF). 大分県. 2019年1月19日閲覧。
  29. ^ 瀧井康勝『366日誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、290頁。 
  30. ^ a b c d e f 菱山 (2011)、129頁
  31. ^ 林 (2011)、276頁





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