サターンボンバーマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/30 08:46 UTC 版)
ジャンル | アクションゲーム |
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対応機種 | セガサターン |
開発元 | ハドソン |
発売元 | ハドソン |
プロデューサー | 猪狩寛 |
ディレクター |
藤原茂樹 安井一徳 |
デザイナー |
渡辺達光 中田陽平 |
プログラマー |
三上哲 若林哲也 桶谷吉韻 |
音楽 |
竹間淳(作曲、編曲、演奏) 秋元薫(編曲、演奏) 遠藤稔(編曲) 山本裕直(編曲) |
美術 |
水野祥司(アニメーションディレクター・絵コンテ・キャラクターデザイン) 吉見直人(アートデザイン) |
シリーズ | ボンバーマンシリーズ |
人数 |
1~2人(ノーマルゲーム) 1~10人(バトルゲーム) 1人(マスターゲーム) |
メディア | CD-ROM |
発売日 |
1996年7月19日 1996年9月27日(XBAND) |
売上本数 | 129,616本 |
その他 |
型式: T-14302G |
当初は『ボンバーマンSS』のタイトルの予定であった[1]。
概要
セガから発売された家庭用ゲーム機において、日本では初めて発売されたボンバーマンシリーズ作品[注 1]。また、メインシリーズにおける初のCD-ROM用タイトルでもある[注 2]。
フルアニメーションで展開されるオープニング・エンディングや従来シリーズに比べて演出面が強化されていることが特徴の「ノーマルゲーム」。ハドソン全国キャラバンなどに使用されていた『HI-TENボンバーマン』、『Hi-TENキャラBOM』で採用されていた「10人対戦」を初めて家庭用に実現した「バトルゲーム」。シリーズ史上初[注 3]の段位認定モード「マスターゲーム」の3つのゲームモードが収録されている。
ディレクターはボンバーマンシリーズの総監督である藤原茂樹と『天外魔境ZERO』でプロデューサーを務めた安井一徳。美術は『'94』よりデザインを手掛ける水野祥司と『スパボン3』より手掛けている吉見直人。音楽はシリーズ作を数多く手掛ける竹間淳が作曲・編曲・演奏を担当している。
ストーリー
ジャングルの奥深くにそびえ立つ「クリスタルタワー」。そこには「伝説魔神」と呼ばれる魔神が封印されていた。しかしある日のこと、ムジョー率いる「ヒゲヒゲ団」がタワーに嵌め込まれていた4つのクリスタルを奪い、伝説魔神の封印を解いた。ヒゲヒゲ団は伝説魔神に「魔神コントロール装置」を装着して魔神を意のままに操り、闇の力で世界征服を開始した。一方その頃、世界の平和を守るため日々のパトロールを続けているボンバーマンの下に、この事態を受けDr.アインから緊急通信が入った。ヒゲヒゲ団から世界を守るためには魔神が暴走する前に4つのクリスタルを取り戻さなければいけない。ヒゲヒゲ団から、4つのクリスタルを取り戻す戦いが始まる。
ノーマルゲーム
ボンバーマンを操作し、数々のステージをクリアしていくゲーム。全5ステージ。各面に初めて入ったときに、ボンバーマンが面の間を移動する演出が入る。ヒゲヒゲランド以降はヒゲヒゲ団の手によって過去の世界に封印されてしまったクリスタルを取り戻すために、タイムマシーン「ケポ号」で時間を越えることになる。
ルール
1つのステージは数々の面に分かれている。それらをクリアしていき、各ステージの最後のボスステージをクリアすることでステージクリアとなる。制限時間は通常面、ボス戦いずれも6分。
通常面はすべての敵を倒す必要はなく、エリアに点在する「コアメカ」をすべて破壊することで出現するゴールに入れば面クリアとなる。なお、一度クリアした面ではコアメカが自動的に消滅してから始まるため、改めて壊す必要がなくなる。また、ゴールに爆風を当てても敵が復活することはない。
ボスステージは、通常の敵よりも強力なボスキャラクターを倒すことでクリアとなる。
今作では一度クリアしたステージ、面は自由にプレイできるようになっている。出現アイテムは決まっているため(ただし、どの色のティラが出るかは分からない)、特定のアイテムを取りに以前のステージに戻る事も可能。ただし、各ステージのボスは1度しか戦えない。
爆弾の爆風に当たる、敵や攻撃トラップに触れる等や時間切れでミスとなり、残り数が減りその面の最初からやり直し(2人プレイではどちらかが生き残っていれば続行できる)になる。さらにファイアー・ボムアップ・ローラーシューズ以外のアイテムの効果がなくなってしまう。残り数がなくなるとゲームオーバー。コンティニューができるほか、セガサターンの本体メモリーに面クリア状況をセーブすることで、続きからプレイできる。ただし、いずれの場合もアイテムはすべてなくなる。残り数は1UPアイテムを取るか、スコア(得点)が一定値以上になるごとに増える。また、ボス戦にも時間制限が設定された。
2人同時プレイが可能。1Pは白ボンバーマン、2Pは黒ボンバーマンを操作する。1人プレイ時にスタートボタンで、残り数を1減らして乱入できる。残り数は2人で共有制のため、残り数が残っていないと乱入できない。また、広いステージの画面は1P視点で動くため、別々に行動すると2Pが画面から見えなくなってしまう欠点もある。
タイトル画面でステージごとに異なる特定のコマンドを入力する事によりボムアップ最大、火力最大、かつボムキック、パワーグローブ、リモコン、ラインボムを最初から持った状態で開始する事が出来る裏技が存在する。
ステージ
- ヒゲヒゲランド[注 4]
- 最初のステージ。ヒゲヒゲ団が作った遊園地であり、ヒゲヒゲ団の秘密基地でもある。前半は屋外、後半はお化け屋敷の中で戦う。トラップは少なく敵も弱い。6面+ボス・キャッスルジョー戦。パワーグローブで爆弾をぶつけると得点になる「カバ」[注 5]爆風を当てると弾が発射される「大砲」、大砲の弾を当てると得点となる「タコ」、「イカ」などが登場する。
- マゲマゲワールド
- 第2のステージ。江戸時代の世界で、前半は街中を、後半は城の中を進む。8面+ボス・コウガイガー戦。プレイヤーの視界を遮る「竹の葉」や、爆風で揺れる穂先に接触すると弾き飛ばされる「竹の子」、城内に設置されているスイッチに爆風が当たると飛び出してきて、接触するとミスになる「からくり刀[2]」などの仕掛けが存在する。
- ガンマンワールド
- 第3のステージ。西部劇の世界で、前半は荒野の中を、後半は金山の坑道を進む。8面+ボス・ロディオン戦。4方向から爆風を当てるとスロットマシーンになり、絵柄を揃えるとアイテムがもらえる「サボテン」、定期的にステージ中央を縦断し、ボンバーマンが轢かれるとミスになる「汽車」、乗ると敵やブロックを破壊しながらレールの上を突き進む「トロッコ」、最初に乗っている戦闘員を倒すと乗り込んで爆弾を発射できる「ポンポン砲台」などの仕掛けがある。
- ティラノワールド
- 第4のステージ。名前の通りティラたち恐竜の時代が舞台。熱帯雨林の中を進む前半4面をクリアすると中ボス・エッグバードン戦になり、一転氷河期の雪山が舞台となる4面をクリアするとボス・伝説魔神戦になる。爆風を当てると壊れてしまう[注 6]「溶岩橋」、接触すると動けなくなる「ガシガシ」[注 7]、爆風が当たった方向に転がる「雪玉」、プレイヤーを一方向に流してしまう「雪崩」などの仕掛けがある。
- ムジョーワールド
- 最終ステージ。ヒゲヒゲ団の基地がある未来都市。前半4面は街中を進むが、後半4面は「ムジョー基地」で、基地内でゲームオーバーとなってコンティニューすると基地の1面目からやり直さなければならない。基地をクリアすると最終ボス戦。エリア内を徘徊し、ボンバーマンを発見するとレーザー光線を撃ってくる「監視砲台」、等間隔で回転して迫ってくる「ノコギリギリ」、流れる床「ベルトコンベア」、基地内の壁に設置されている侵入者撃退用の武器「ビリビリビーム」などの、即死系のトラップが多く仕掛けられている。
キャラクター
ボンバーマンと仲間たち
- ボンバーマン
- 声 - 杉山佳寿子
- 本作の主人公。爆弾を武器に日夜平和を守るため戦い続ける我らがヒーロー。
- Dr.アイン
- 声 - 青野武
- ボム科学の権威者。ボンバーマンの良き理解者でもある。人にやさしくて涙もろい性格で、演歌が大好き。通信を通してボンバーマンをバックアップする。
- ケポ
- Dr.アインが作り出したマスコットメカ。人懐っこい性格。タイムマシーン「ケポ号」の本体コンピュータを務める。
ヒゲヒゲ団
- ムジョー
- 声 - 郷里大輔[注 8]
- 世界征服を目論む悪の組織「ヒゲヒゲ団」の総帥。世界を我が物にしようとしている。単細胞で、おだてられると何も考えずに実行する。キャラデザ担当の水野祥司によると、本作開発当時のハドソンで常務を務めていた中野忠博をモデルとしており、名前も「常務(ジョーム)」のアナグラムに由来する[3]。
- Dr.メカード
- 声 - 佐藤正治[注 8]
- 「ヒゲヒゲ団」におけるボム科学の天才科学者。Dr.アインとボム科学を二分する実力者。強力なメカを次々に造りだし、ボンバーマンに襲いかかる。人情に左右されない、冷酷かつ残忍な性格で、涙が一番嫌い。
注釈
- ^ 海外では本作以前にメガドライブ/ジェネシスで『MEGA BOMBERMAN』が発売された。
- ^ シリーズ全体としては『ボンバーマン'94 体験版』やPCエンジン版『ボンバーマン ぱにっくボンバー』などが本作以前のCD-ROMソフトとして存在するが、メインシリーズの製品として正規に発売された作品としては初。
- ^ 段位認定モードは、1996年2月29日に発売予定であったバーチャルボーイ用ソフト『バーチャルボンバーマン』にも「チャレンジモード」という名前で収録される予定であったが、同ソフトは発売中止となった。
- ^ ゲーム内ムービーや取扱説明書、公式ガイドブックでは「ヒゲヒゲランド」となっているが、ゲーム内のステージ名は「ヒゲヒゲワールド」となっている。
- ^ ただし、普通にプレイした場合はこのエリアまでにパワーグローブが出現しないため、次のエリア以降でパワーグローブを取得した状態で戻るか、先述の裏技を使ってパワーグローブを持った状態で始める必要がある。
- ^ 一定時間で復活する。また、ボンバーマンが乗っていると落ちてしまい、ミスになる。
- ^ 方向キーを激しく動かす事により脱出できる。
- ^ a b スタッフロールではムジョーを佐藤、Dr.メカードを郷里が担当したことになっているが、これは誤植である。
- ^ その内1パターンは出現させるには「SBOMジョイカード」という、ハドソンから発売された連射パッドが必要となる。
- ^ TVアニメ『ボンバーマンジェッターズ』にも、ボンバー5師範と思わせるキャラクターが登場する。
- ^ 全20フロアーをクリアできなければ「八段」。クリアしている場合はハートアイテムを取った個数で段位が決定され、8個以上の場合は「八段」、7個-4個の場合は「九段」、3個以下の場合は最高ランクの「名人」となる。
- ^ 敵を一度に複数倒した時に表示される「×2」などは得点に分類される。ここではそれとは別にもらえる技術点を指す。
- ^ フロアークリア画面などでドラを鳴らすキャラクター。
- ^ 赤はそのフロアーで獲得した技術点が低いことを、オレンジは技術点が普通であることを、青は技術点が高いことを意味する。
- ^ a b この2作は「スーパーファミコン」のゲームカセット内に時計・カレンダーを内蔵することで実現している。
出典
- ^ 『フラッシュ・セガサターン~おちかづき編~』より。
- ^ 取扱説明書では「ヤリ」となっている。
- ^ H.D.exp vol.3 ボンバーマンジェッターズ ゲームボーイコレクション特集「キャラクターデザイン担当者に突撃インタビュー」 - ウェイバックマシン(2007年9月10日アーカイブ分)
- ^ 設定回数分プレイしたステージは選択できなくなる。
- ^ ゲーム内デモより。
- ^ 公式ガイドブックからの記述。取扱説明書では「セイチョウ」と記述されている。
- ^ この名前は公式ガイドブックより。『ボンバーマン爆烈大図鑑』(講談社)では「テルピョー」と紹介されている。
- ^ a b 『ボンバーマン爆烈大図鑑』(講談社)より。
- ^ 『ボンバーマン爆烈大図鑑』(講談社)より。『ボンバーマン'93』に登場する同様のデザインの敵「マロン」の可能性もある。
- ^ a b c d e f SegaSaturnBombermanMaster - ウェイバックマシン(2004年6月25日アーカイブ分)
固有名詞の分類
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