クープランの墓
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管弦楽版
「管弦楽の魔術師」と呼ばれ、多くのピアノ曲(ムソルグスキーの『展覧会の絵』など、他の作曲家の作品を含む)をオーケストレーションしたラヴェルは、この『クープランの墓』にも編曲を施している(1919年)。ただしピアニスティックな技巧が前面に出される「トッカータ」と、中間部の「フーガ」の2曲は除外した(「フーガ」を外した理由についてラヴェルは語っていないが、バロック時代の組曲にならい、舞曲のみの構成にするため外したものと考えられている)。
4曲は順序が変更され、「プレリュード」、「フォルラーヌ」、「メヌエット」、「リゴドン」の順に演奏される。演奏時間は約17分。
1920年2月28日にルネ・バトン指揮パドルー管弦楽団によって初演された。
また、同年にバレエ・スエドワ(スウェーデン・バレエ団)によって「フォルラーヌ」、「メヌエット」、「リゴドン」の3曲がバレエ化され、11月8日にシャンゼリゼ劇場で初演された(指揮:デジレ=エミール・アンゲルブレシュト)。バレエ版は好評であり、1923年にはラヴェルが100回目の公演を指揮した[1]。
日本初演は1925年1月25日、報知講堂にて、大沼哲とノートル・シムフォニィ・オーケストラが行った。
楽器編成
フルート2(ピッコロ持ち換えあり)、オーボエ2(イングリッシュ・ホルン持ち換えあり)、クラリネット2 (in A)、ファゴット2、ホルン2 (in F)、トランペット1 (in C)、ハープ1、弦五部の小規模な2管編成であり、打楽器を含まない。標準的なオーケストラ団体のほか、室内オーケストラ団体でもレパートリーとして取り上げられる。ラヴェルの他の楽曲でも見られることだが、木管楽器に対して高度な技術を要求し、特にオーボエにとっては最難関の楽曲とされる。
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