moodsとは? わかりやすく解説

Moods

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 02:59 UTC 版)

ルイーザ・メイ・オルコット」の記事における「Moods」の解説

『Moods(気まぐれ)』は、オルコットが真剣に書き愛着持っていた特別な作品であり、経済的理由ではなく内発的理由によって執筆された作品であると考えられ第二版序文で「その後のどんな作品にもない愛と苦心熱狂がこの本に込められた」と語っている。初版と約20年後の第二版大幅な変更が行われた。現在では両方の版が出版されている(邦訳なし)。タイトルエマーソンエッセイ経験」から取られ、その「人生一連の数珠にも似てさまざまな気分連続である」という言の応用試みられた。マデレイン・B・スターンは、「狂暴さと死と知性的な愛の物語」であるとしている。 『若草物語』のマーチ家ジョーにも似た活発な少女シルヴィアは、野性的夢想的なアダム・ウォリックに恋する。(ウォリックモデルは、ソローであると言われる。)シルヴィアウォリックへの恋を叶わぬものとあきらめ、彼女に求婚したウォリック親友温和なジェフリー・ムアと結婚するムア一面は、エマーソンモデルとされれていると言われる)。その後久しぶり再会したウォリックに、かつて自分シルヴィア愛していたが、ムアのために身を引いた告げられウォリックへの恋が再熱し、ムアへの愛が友愛上でなかったことに気が付き苦しむ。ムア沈み込むシルヴィア問い詰め、彼女はウォリックへの愛ゆえに苦しんでいることを告白するムアシルヴィアへの愛は変わらないが、一時的に二人別居するシルヴィア信頼する年長友人フェイス(「私の逃亡奴隷兵」の語り手と同じ人物)に、結婚するならロマンティック観念的なウォリックより、安定したムアの方が望ましいと忠告される。ウォリックムアヨーロッパへの旅で友情危機乗り越えるが、帰路事故ウォリック死にムアだけがシルヴィア元に戻る。 初版では、シルヴィア帰ってきたムア心から受け入れることができず、そのこと苦しみ衰弱して死んでしまう。第二版では、さらにフェイスとの道徳的な対話が行われ、シルヴィア自分情熱的な気質、「気まぐれ」を戒めて、「徳義」に従い義務従ったムアとの平和な暮らしを望むようになり、帰ってきたムア受け入れハッピーエンドになる。 初版の出版当時一般読者から出版社に、妻となった後に夫以外への愛に目覚めるヒロイン不謹慎不道徳だという非難多く寄せられたが、このエピソードは、本作時代先駆け近代性示唆しているともいえる。平石貴樹によると、雑誌等掲載され書評おおむね好意的だった雑誌ハーパーズ」の書評では、「高潔な人物像の中で相克する情熱を、非常に繊細にまた巧妙に描いた作品であり、「ホーソーン作品以外にこれほど強力な愛の物語思い出せない」と称賛された。この書評筆者が、本作においてアメリカ特有のロマンス的なリアリズム小説成立していると考えていたことがうかがえる。しかし、その後の『若草物語』の爆発的な成功で、『Moods(気まぐれ)』の功績忘れられてしまった。 フェイス思想注目し本作を「超絶主義小説」と形容して評価する書評もあった。 例外的な酷評が、まだ作家として本格的にデビューしていない若いヘンリー・ジェイムズであり、オルコット道徳形而上学尊重しているが、それらはリアリズム両立しない判断し厳しく批判した。彼は女性作家に対して否定的で、多く女性作家共通の特徴(=欠陥)を持つと考えていたが、オルコットそのひとりとして扱い女性作家一般に現実知らないリアリズム知らない、といった論調本作批評した

※この「Moods」の解説は、「ルイーザ・メイ・オルコット」の解説の一部です。
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