TATA ボックスとは? わかりやすく解説

TATAボックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:18 UTC 版)

TATA ボックスとは、真核生物及び古細菌遺伝子において、RNAポリメラーゼIIによる転写開始位置の上流25塩基対の位置、あるいはさらに上流に存在する共通した塩基配列のこと[1]。ターター(またはタタ)ボックスと発音する。チミン (T) と アデニン (A) が繰り返すことから命名された。ゴールドバーグ・ホグネスボックス (Goldberg-Hogness box) あるいはホグネスボックスとも呼ばれる[2]


  1. ^ Smale, Stephen T.; Kadonaga, James T. (2003). “The RNA polymerase II core promoter”. Annual Review of Biochemistry 72: 449–479. doi:10.1146/annurev.biochem.72.121801.161520. ISSN 0066-4154. PMID 12651739. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12651739. 
  2. ^ Lifton, R. P.; Goldberg, M. L.; Karp, R. W.; Hogness, D. S. (1978). “The organization of the histone genes in Drosophila melanogaster: functional and evolutionary implications”. Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology 42 Pt 2: 1047–1051. ISSN 0091-7451. PMID 98262. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/98262. 
  3. ^ Baptista, Tiago; Grünberg, Sebastian; Minoungou, Nadège; Koster, Maria J. E.; Timmers, H. T. Marc; Hahn, Steve; Devys, Didier; Tora, László (2017-10-05). “SAGA Is a General Cofactor for RNA Polymerase II Transcription”. Molecular Cell 68 (1): 130–143.e5. doi:10.1016/j.molcel.2017.08.016. ISSN 1097-4164. PMC PMC5632562. PMID 28918903. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28918903. 
  4. ^ Basehoar, Andrew D.; Zanton, Sara J.; Pugh, B. Franklin (2004-03-05). “Identification and distinct regulation of yeast TATA box-containing genes”. Cell 116 (5): 699–709. ISSN 0092-8674. PMID 15006352. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15006352. 
  5. ^ Yang, Chuhu; Bolotin, Eugene; Jiang, Tao; Sladek, Frances M.; Martinez, Ernest (2007-03-01). “Prevalence of the initiator over the TATA box in human and yeast genes and identification of DNA motifs enriched in human TATA-less core promoters”. Gene 389 (1): 52–65. doi:10.1016/j.gene.2006.09.029. ISSN 0378-1119. PMC PMC1955227. PMID 17123746. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17123746. 
  6. ^ Pribnow, D. (March 1975). “Nucleotide sequence of an RNA polymerase binding site at an early T7 promoter”. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 72 (3): 784–788. ISSN 0027-8424. PMID 1093168. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1093168. 


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TATAボックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:28 UTC 版)

プロモーター」の記事における「TATAボックス」の解説

TATAボックスはクラスIIプロモーター中でもっともよく研究されている。 原核生物の-10ボックス相同だと考えられているが、10bp上流にある-10ボックスに対して25~30bp上流と、転写開始部位からの距離に大きな違いがある。非鋳型鎖において共通配列TATAAAを含み高等真核生物では右端のAが転写開始部位25~30bp上流にある。通常この後にさらにAかTが続きGCに富む配列囲まれていることが多い。共通配列には多く例外があり、ウサギのβグロビン遺伝子場合にはグアニンシトシン混ざっている。始まりTATAではなくCATAだ。また、特化遺伝子には必ずTATAボックスはあるが、ないプロモーター(TATAレスプロモーター TATA-less promoter )もしばしば存在し、全プロモーター50%かそれ以上である可能性示唆されている。これらには次の2種類でよくみられるハウスキーピング遺伝子 細胞生命維持必要な生化学的経路制御するため、事実上すべての細胞で常に活性状態にある。例えば、細胞ヌクレオチド合成必要なアデニン脱アミノ化酵素チミジル酸合成酵素ジヒドロ葉酸還元酵素などおよび、ウイルスの後期タンパク質コードする。これらの遺伝子はTATAボックスの代わりにGCボックスか、下流プロモーターエレメントがある。実際ショウジョウバエクラスIIプロモーターの約70%で下流プロモーターエレメント務める。ハウスキーピング遺伝子場合プロモーターだけでは活性弱く、さらに上流転写促進するアクチベーター配置されている。 発生を制御する遺伝子 ハエホメオティック遺伝子哺乳類免疫系発達時に働く遺伝子などである。 TATAボックスの役割細胞により異なる。 クリストファー・ブノアとピア・シャンボンらの実験では、SV40初期遺伝子転写開始部位正確に決定することを明らかにした。これはTATAボックスからの距離に準拠し開始部位配列を本来から変えて転写開始支障はない。また、この以前1981年にTATAボックスを欠損させても、起点バラバラになるが、やはり開始頻度減少せずにむしろ増えることが確認された。TATAボックスの一部転写効率調節しない。 一方で、スティーブン・マックナイトとロバート・キングズバリらはヘルペスウイルスチミジル酸合成酵素がそのTATAボックスを除去することで大い転写されにくくなることを発見した。リンカースキャン変異導入解析プロモーター全体から選んだ10bpを別の配列置換した結果だ。もっともプロモーター活性低くなった変異体(LS-29/-18)は、TATAボックス内のGCATATTAがCCGGATCCになったのであるこのような遺伝子では発現にTATAボックスは必須である。

※この「TATAボックス」の解説は、「プロモーター」の解説の一部です。
「TATAボックス」を含む「プロモーター」の記事については、「プロモーター」の概要を参照ください。

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